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「長男の独り言~運動会の憂鬱」

あ~あ、今度の運動会のことかんがえると気分わる~。
なんでさぁ、障害物競走で「UFO」なんか踊らなくちゃなんないんだよ!
めちゃくちゃ、腹立つ!
それもさ!男子もスカートをはかなくちゃいけないなんて、いったい誰が決めたんだろ!
ゆううつ~…。
ほかにも「マツケンサンバ」(第一次ブレイク時)の音楽と衣装なんかも用意してあるのに、“どの音楽がかかるかその時になってみないとわからないよ”とかって、ルール説明があったのにだよ!
絶対俺たちが走るときは「UFO」がかかるに決まってる。
総練習でも何度も「UFO」かかったんだもん。
すっげ~恥ずかしかった!

それだけ無いのだったら運動会、すごく楽しみなのに。

お母さんにそのこと話したら、
「決まったものなら頑張らないと」とわかったようなこと言う。
「自分だけじゃないでしょ?みんないっしょなんだから」だって!
「違うよ!何列かに分かれて走るけど、列によってかかる曲が違うはずなんだもん!俺たちのときはゼッタイ「UFO」だもん!やりたくね~!」
反論してやった。

「でもね。どんなに嫌でも、どんなに走るのがおそくても、何でも一生懸命にがんばる子がお母さんは好きだな」

ちぇ~~っ。そうだろうけど、とにかく嫌なものは嫌なんだよ!
あ~もう、ムカツク!

「運動会、休みてえ!」

「嫌なことも頑張ろうという気持ちが一番すばらしいことなんだよ!
そんな風に、やりたくないからズルして休んじゃおうかな…なんて考える子は嫌いだな!
あのね、自分が思っているより他人はそんなに見てないものだよ。とにかく頑張りな!」

はあ~~…。
お母さんは学校に行っていたとき、やりたくないって思ったこと、ないのかな?
俺の気持ち、わかってくれる人なんてやっぱ、いないよな。
あ~あ…。

しおり24


長男が四年生の時の運動会を前にして、
以前も記事にした次男の豆まきのように、きっと長男の頭の中はこんなだろうな~、と勝手に想像させてもらった。

(次男の独り言はコチラ。↓ )

https://note.com/soware/n/nc1d97da2a3b3


会話中にあるように、運動会の障害物競走で仮装して音楽に合わせて踊るという、見ている方はとっても楽しそうなプログラムであった。

しかし四年生となり、多少他人の目、特に女子の目を気にするようになったのかなと、こんなところにも彼の成長を感じた。
確かにみんなが見ている前で、スカートはいてピンクレディの踊りを強要されるのは男子にとって酷なことに違いない。思春期に突入し始めの頃ならなおさらだ。
おまけに引っ越しとともに、長男は転校を余儀なくされ、そして転校して間もない頃である。

みんなでいっしょにやると言われても、自意識がおそらく過剰に認識されているだろう時期だからあまり関係ない。

今思えば、私が発した言葉もものすごく空々しい。
長男がかわいそうに思えてきた。
自分の子どもの時も、こんなやりたくない行事や嫌な教科などは当然あった。
確かにずる休みまではしないにしても(…もしあの頃自分の親に休みたいなんて言ったら、大目玉食らっただろう…)この時の長男と同じように嫌々やったに違いない。

かなりの年月が経ち、子どもの頃の気持ちを忘れていた私である。
他にも子育て中に自分のことは棚に上げて、というようなシチュエーションがかなりあったのでは?
息子たちに申し訳ないなと思った。

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