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退職願を出す前に

事前予告

総務として社員の退職願を幾度となく受け取ってきた私が、自分の退職願を書いていることがなんだか可笑しくて、少し口角を上げながら自宅で退職願をしたためました。来るべきその日に間違いなく提出できるよう、それを会社のデスクに忍ばせながら思いました。「事前にもう一人の総務に伝えておくのが礼儀だろう」と。Xデーの1週間前に彼女を会議室に呼びだして、私の決意を伝えました。

彼女は私よりもいくつか年上で、既に定年を過ぎています。嘱託社員として有期で契約しているのは知っていましたが、その期限が来春であることをその時に初めて聞きました。まだ年金をもらえる年には達していないので、恐らく延長するつもりだっただろうと思います。でも私が辞めるとなると、これまでと比べて責任が重くなることが予想されることから、彼女は次の更新はしないかもしれないと言います。

諸行無常

自分の退職によって、大なり小なり周囲の人たちに迷惑を掛けてしまうことは覚悟の上です。申し訳ない気持ちはあります。でも、現状維持だけが万人にとって良いことでしょうか。同じ場所に留まらず私の動きに連動することで、より良い道が開けるかもしれません。そうでも思わなければ、ひとつの組織から抜け出すことはできないのだなと改めて感じました。

組織にとっても、将来入ってくるであろう後任の人の方が、私より優秀で良かったわ~ということになる可能性があるわけです。辞めるまでの間にいろいろな人から引き止められるようなことを言われるかもしれませんが、何を言われても、ここからはブレずに意志を貫こうと思いました。


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