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プライムビデオレビュー#2:英国総督 最後の家

この映画は面白い!とかの部類ではないので、ちょっと真面目にいきます。

インドとパキスタンとか、バングラデシュっていつも揉めてますよね。

この映画は、インドとパキスタンが長い間イギリスの植民地だった状態から、やっと独立するときのお話です。

イギリス領インドの最後の総督ルイス・マウントバッテンやその家族、使用人の恋の話を中心に、史実をもとにした映画です。(全て実話ではない)

独立と聞くと、とても素晴らしいことがエンディングで起こりそうですが、

真逆です。

ネタバレすみません。でも、これは歴史として事実なので、ネタバレではないと思います。

昔、高校の歴史でガンディーすごい人!って習ったと思います。

ガンディーはイギリスから独立しようと、非暴力非服従を唱えた人なんですが、

そのガンディーも、この独立運度の中で暗殺されてしまいます。この映画では、分離独立に反対したところしか描かれていませんが。

ざっくり説明すると、

イギリスが植民地として統治してたインドだったけど、インド領ってもかなり広くて、ヒンズー教とイスラム教徒と、シーク教徒がいて、混乱していました。

で、イギリスが統治する力が世界大戦後に衰えてきたので、独立させようということになります。

だけど、インドは宗教対立が激化していて、特にヒンズー教徒とイスラム教徒との間で暴動が頻繁に起きていました。

そして、インドは結局、2つの国に分かれて独立することになりました。

それが今のインド、パキスタン、そしてその後のバングラデシュです。

歴史で習ったけど、いろいろ忘れてましたね。

同じ国だったのにバラバラになって、隣近所で殺し合いみたいな状態になってしまいました。悲しいですね。

映画の舞台になっている総督の邸宅も最初は華やかなんですが、段々とこの暴動に影響されていきます。

分離独立が決まると、そこに使用人として働いていた人々も、インドかパキスタンどちらの国籍を選ぶか決めなくてはいけません。

そして、人々は分離された土地から逃げて、難民になっていきます。その数、1400万人とされています。

インドとパキスタン、どこで分けるかを決めたイギリスの法定弁護士ラドクリフは

まるで血まみれの斧を振り下ろすようだ

と劇中で言います。彼が決めた国境線とされていて、今も国境線のことを、彼の名前からラドクリフラインというそうです。

この後の歴史は調べればすぐにわかります。

この映画の後半には、2国分離独立はインド側の意思で分離したのではなく、実は前々からイギリス側の都合で2国分離独立になったんだ、ということを総督が知ることになっています。

映画ではマウントバッテン総督はいい人キャラなっていますが、本当かな??って思いました。

当時イギリスが懸念していたロシアの南下政策は明らかなものだったし。

総督という役職の方が本国の意向、チャーチル首相の考えを知らずに独立させたとは考えにくいなぁと思いました。

マウントバッテン卿は元は軍人だから、そうゆうこと、知ってると思うなぁ。

それでも、この作品の監督はインド人なんだから、マウントバッテン総督はインド人には好かれていたんだろうな、ということはわかりました!

劇中や最後の方に実際の映像を使っているので、とても作品にリアルさがあります。

こうして、どこまで本当で、どこまでフィクションなのか、考えたり、調べたりするのは面白いですよね。

史実をもとにした映画って面白いし、勉強になる。

総督の判断は正しかったのでしょうか。

統一独立をしていたら、暴動や戦争はなかったのでしょうか?

それは、仮定の話であって、考えてもわかりません。

しかし、平和について考えることはできます。インド、パキスタン、バングラデシュの歴史を読むくらいは出来ます。

パキスタンの独立は8月14日に、そしてインドの独立は8月15日に行われたそうです。

そうですね、私達日本にとっても大切な日です。

これからは、日本の終戦のことを思うだけではなく、インド、パキスタン、バングラデシュについても思い出してみようと思いました。

ちなみに、私の従兄弟は青年海外協力隊で、バングラデシュに数年間、暮らしていました。今もカンボジアで活動して生活しています。

映画見るまで、忘れかけてたわ。ちょっとはいとこの活動にも興味を持たなくちゃね!

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