不安から始まった中学2年生。
ぴぃの中学2年生が始まった。
始業式の日、ワクワクとドキドキが入り混ざったような面持ちで登校するも、残り1時間を残して早退してきたぴぃ。
ぴぃ「気疲れしたから帰ってきた。」
そして、あの心強かった一年時担任のT先生は、別のクラスの担任になったとぴぃはサラッと言った。
思わず「えっ!?」と顔が引き攣ってしまった私。
その代わり、別室教室の管理者だったO先生が担任になったと言う。
なら大丈夫か・・・・いや、それ以上にショック・・・が本音。
異動する可能性があったT先生が学校に残るとしたら、きっとまたぴぃの担任になってくれるはず。
淡い期待を持っていた私。
しばらくすると、新しい担任とあいさつがてら訪問に行くとT先生から連絡がくる。
ぴぃの前で取り乱してしまいかねないと思い、私から学校へ行くと返す。
教室でT先生とO先生と3人で机を囲む。
T先生「お母さん、私、これからもぴぃさんとはちゃんと関わっていきますから。お家にも行きますし、何かあればこれまで通り連絡もください。担任じゃないけど、何も変わらないと思ってください。ね?」
O先生「別室教室でぴぃさんとたくさんお話していたので大丈夫です。「身近に話し相手を増やすため」と言う経緯で担任を変えたということでご理解いただければと・・・」
と言われても、全然納得がいっていない私。
ぴぃはまともに学校へは行けていなかったけど、なんだか初めてと思えるほど心強い1年間だった。
T先生がお家に来てくれて、ぴぃとたわいもない話をしてくれるだけで、私は孤独を感じずにいられた。
パパに、不登校への理解を深めるきっかけをくれた。
他の学校へ行くではなく、同じ学校の同じ学年に残るのに、なぜ・・・
心の中では子供のようにイヤだイヤだと足をジタバタさせていた。
T先生「じゃ、お母さん、そういうことだから、よろしくね。」
それだけ言って、T先生は教室を出て行った。
いい意味でのガサツさと、気を遣わせないあっさりとした言動。
これにたくさん救われてきたわけだけど、今はそれすら受け入れ難い。
その後、O先生と2人で話していくうちに、ジタバタしていた私は少しずつ落ち着きを取り戻す。
課題の分離
課題の分離
課題の分離
そう、これは私ではなく、ぴぃの問題だった。
T先生は、生徒ウケも保護者ウケも良く、ベテランで経験豊富なことから、問題児を担うケースがこれまで多かったと他のママから聞いていた。
思えば1年時は、ぴぃという不登校児の他に、小学校来の要注意生徒とも言うべき男女が混在しているクラスだった。
ぴぃは問題児ではなく、大丈夫な子に昇格したってことだと思おう。
それに、話しているとO先生は病気への理解が早く、なんだか頼もしそう。
受け入れよう、この出来事も踏まえて、ぴぃがどう成長していくかを見守るのが私の勤めと思いなおし家に帰った。
帰ってきてからのぴぃは、新しいクラスのことを話すことなく、いつも通り薄着で、絵を描いて、ピアノを弾いてと変わらない様子。
に見えていたが、夜遅くになって、担任が変わってしまったことのショックを受け入れられず、不安で仕方がないと嘆いていた。
そっか、それで始業式の日にわざわざ早退してきたのか。
胸のざわつきを抑えるために、安全地帯に帰りたかったんだ。
そらそうだ。私ですらショックだったんだから、ぴぃがダメージ0なわけないのよ。なんだったら私以上なはず。
だよねだよねと気持ちを分かち合い、抱きしめ、全身でぴぃの不安を受け止めた。
その後、T先生が担任になったクラスに、1年時に同じクラスだった子が1人だけいて、その子の名前を聞いて、より受け入れようと思った。
T先生は、その子を担ったんだ。
見放しちゃいけない子を、見守って、見届ける責任を担う。
T先生らしいな。
ぴぃには、サポートしてくれる大人がたくさんいるから、託したんだ。
ぴぃもそれでなんとか納得しようとしているようだった。
新たに担任になったO先生は、ぴぃが話した強迫症の話を全て覚えていて、大きな理解を示してくれている。
これからもしっかりぴぃの安心を確保することを約束してくれたと話す。
私「大丈夫、これまで通り、ぴぃのペースを大事にしていこう。」
ぴぃ「学校には毎日行きたいの。毎日行くがぴぃの今の目標なの。」
私「そっかぁ、目標があるんだね。すごいね・・・わかった、応援します。」
えへへ、と恥ずかしそうに笑って、ぴぃは落ち着きを取り戻した。
ぴぃの不安な声を聞くのが怖い時期があった。
でも今は、ちゃんと不安をこぼしてくれてありがとうと思えてる。
不安なのに、目標を持ててるって新しいぴぃを見せてくれてありがとう。
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