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騙されやすそうな素直な人が読んだら良いかも。

こんにちは。スープです。
今日はこちらの本を読んでの感想です。

勘違いさせる力、ってなんだろう?と思い手に取った一冊。
勘違いさせる力・ズルい力を手に入れた…というより、「勘違いさせる力をうまく使った人を見破るためのヒントを与えてくれる本」でした。


錯覚資産ってなに?


この本では周囲を勘違いさせて自分を大きく見せる力を「錯覚資産」「錯覚資本」と呼んでいます。

「実力があれば、成果が得られる」・・・本当にそうなのか?
実力があるけれど、評価されていない人もいるし、
実力がないのに、出世していく人もいる。

これは運の差なのか。
筆者は「運・錯覚資産・実力」の3つが必要だと説いています。

その差は錯覚資産の有無だと。
錯覚資産とは「人々が自分に対して持っている、自分に都合のよい思考の錯覚」のことです。

例えば、実力があるから、良い仕事や良いポジションが与えられる…と考えられているかもしれませんが、
実際は、「実力があると周囲が考えているから、良い仕事や良いポジションが与えられる」。
要するに、実力があっても周囲がそのように認めていなければ、成果には結びついていくチャンスを得ることができないのです。

錯覚資産の効果を「ハロー効果」といいます。要するに仏様の後光のようなものです。

あの人だから、きっと上手くできるんだ…と思ったことはありませんか?
1つが秀でていると、その他の側面も凄そうに見えてくる…後光効果です。


なぜ錯覚資産が重要なの?

・錯覚資産が生むループ

成果を生むために必要なものは何でしょう。
実力があれば、成果に結びつくかもしれませんね。実力と成果には因果関係があります。
一方で、錯覚資産があるから得られるものがあります。

錯覚資産による成果。(あの人が言うことだから、正しいに違いない。成功してる人の言うことだから、聞く価値がある。等)

錯覚資産によって与えられる環境。(あの人なら、何だかうまいことやってくれそう。あの人なら、以前もうまく仕事してくれたから紹介しても安心。等)

実力があるから得られる成果、その成果により得られる環境以上に、
錯覚資産(人からよく思われていること)はダイレクトに成果や環境を呼び込んでくれるのです。


・人間は単純

人は本当は複雑な生き物ですが、人を認識するときは単純化したがるものです。
正義のヒーローはいつでもヒーローであって欲しいし、悪代官は全部の側面で悪いやつであるほうが、それを認識する人(見ている人)にとっては理解に都合が良いものです。

つまりポジティブな(プラスの)錯覚資産を持っていると、その一面がその他の面の実力も嵩上げしてくれるのです!

「あばたもえくぼ」
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」

など、
プラスのイメージはプラスに
マイナスイメージはマイナスに
増幅して見えてしまうものなんですね。

一方で、自分自身に対しても複雑さを解消する方向に人間の意識は向かうものです。これを認知的不協和といいます。
例えばつまらない仕事をやらなければいけない状況において、報酬も低い場合は、自らの認識を「好きだから、楽しいから、面白いから」やっている、と意識を書き換える傾向にあるのだそうです。

人が自分の考えを整合させる傾向にあることは、「影響力の武器」の“一貫性”の項目でより深く学ぶことができます。
この本で書かれている「錯覚資産」を生む人間の無意識に影響を与える要素について細かに書かれているので、深く学ぶならこちらの一冊がおすすめです。


錯覚資産をうまく使っている人が何をしているか

人は単純で、シンプルでわかりやすいことを直感的に好むという性質があります。
本来は真実(現実)は複雑な側面をもっているものですが、人が魅力を感じるのは「シンプルで一貫して偏ったストーリー」です。

こういった性質を利用しようとする人は、
・一貫して偏ったストーリーを語り、
・本当は断定できないことを、断定する。
といったことをしています。

ツイッターで炎上するツイートって、こんな側面をもっていませんか?

成功者が語る勧誘って、こんな語り口ですよね。

「断定する言い方をする」「意見をもつ・ハッキリした主張をする」
これらは人を引き付ける力をもっているようです。


どうやったら錯覚資産を手にすることができるのか?

人間の直観は「思い浮かびやすい」情報だけを使って判断し、それが直観的に正しい、と思い込みたがるものだそうです。

そうであれば、錯覚資産を増やすには「思い浮かびやすい」人物になることです。
これは、セールスの基本でもありますし、ツイッターでよく見る人物、コンタクトを定期的にとる友人というのも思い当たります。

セールスの人は定期的に接触を試みますし、
よく話す相手には親近感を湧きやすくなります。

だから、一人で筋トレして実力を上げることも大切ですが、
それと同時に「ここにこんなことができる人がいます!」と外に出してみることが、チャンスを広げる上で欠かせないのです。
(試合に勝利するかもしれないし、弱いけどパフォーマンスがお客さんに人気!と評判になるかもしれません。)

私は夢をかなえるゾウも大好きなのですが、夢をかなえるゾウでは、これを「応募する」という言葉で表現されています。


最後に、この本を読んだ学びのメモを残しておきます。

学びメモ
・思い浮かばれる人になるに、応募してみる(手を挙げる)
・人を見るときは自分が思考の錯覚に陥ってないか考えてみる
・思考の錯覚に陥らないために、真逆の主張をするストーリーを自分で作ってみる
・粘り強く思考する (偏ったストーリーを語られていないか?)

正直、「“錯覚”資産」とは、バッサリ切ったものだなぁとも思いましたが、
自分の意識がいかに書き換わりやすいものなのか、ハロー効果に影響されやすいものなのかは意識しすぎてもしすぎることはないくらい無意識な働きなのだと思います。

自分のことを素直だな、騙されやすいかも、と思う人は注意に値する考え方です。

いかがでしたでしょうか。
読まれた方に新たな気づきがあれば、嬉しいです。




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