見出し画像

小澤征爾さんの思い出⑥ 2月29日奇跡の夜

小澤征爾さんのファンとして暮らしてきた中で、やはり聖地巡礼は欠かせない要素です。小澤さんが活躍した場所や、所縁のある地を訪ねることが、一つの旅の目的となっています。
今日はうるう年の2月29日、この日は忘れられない思い出のある日です。
今から8年前の2016年2月29日、2月生まれの私は、後輩から誕生日の宴に誘われていました。場所を選んでよいということだったので、何かで知っていた、小澤さんが好きだというレストランを選びました。これも聖地巡礼の一環です。
私は仕事が終わらずに少しだけ遅れてその会場へと向かっていました。
すると先に着いていてたメンバーからラインにメッセージがあり、「大変だ!小澤征爾がいる!」とのこと。まさかそんなこと・・・と思いながら、レストランへと向かいます。
レストランには着いたものの、なんだか緊張してしまって、なかなか中に入ることができません。うろうろしていると、「食事ももう終わっているから帰っちゃうよ」との連絡。意を決して中に入ると、奥まった席に間違いなく、小澤征爾さんの姿がありました。奥様、娘さん、あともう一人くらいのグループで、いらっしゃっていたようです。
いつも出待ちしてお会いしているのに、どういうわけか緊張してしまって、大変でした。
私がついて30分もすると、小澤さんグループは店を後にします。その時、私の席の近くを通り、柔らかい表情で、私にも目を合わせ、軽く会釈をしていかれました。
仲間たちは、なんで話しかけないのか、なんでファンだと言わないのか、代わりに言ってやろうか、などと大騒ぎでしたが、大ファンの心理としては、プライベートの姿を見かけられたことは奇跡的な出来事であって、そこに踏み込むことは、やっぱりできません。でも目はしっかりと小澤さんをとらえたまま、帰っていく姿を拝見しました。
今でもこの時のことは鮮明に記憶しています。2月29日、奇跡の夜です。
その夜は小澤さんも好きだという、短角牛のステーキなどを美味しくいただきました。

定番の生ハム
パスタもおいしい
追加で頼んだステーキ

今までで最も幸福な誕生祝をしていただきました。大事な大事な思い出です。
なお、同じ空間には、建築家の伊藤豊雄さんもいらっしゃったそうで、なかなかすごいお店でありました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?