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魂が満たされる空間を求めて(2)

前回の記事では、「そこに身を置いていると、心身が喜んだり、魂が満たされるような街並みや建物」などについて触れてみました。その後、自分が住む街や訪れた先の街を、以前よりも少し気をつけて観察するということを続けています。すると、以前は気づかなかったような建物の造りが目に入ったりするようになりました。今回は、そんな中で目に留まったものをいくつか写真とともにご紹介します。また、先週ヘイスティングスという港町を訪れたのですが、この街で見つけた建物や街の一角もお伝えします。
 
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ドームのあるアパート


こちらは家の近くの通りで見かけた一昔前のアパート。屋根の上にあるドームや窓の下のレリーフなど、昔のままの造りを残しています。ドームは旧市街や有名な建物でなくても、意外にたくさん見かけるけれども、今ではポールだけ外されていたり、ドームごと外されてしまっている建物も多いです。
  

市民と動物の憩いの場



毎日目の前を通っていたけれども、気に留めていなかった石の花壇。これは、19世紀に広まった町の住民と家畜たちのための水飲み場(Drinking Fountain & Cattle Trough)の名残だということがわかりました。よくみると確かにDrinking Fountainと側面に彫ってありました。左端がおそらく人間用で、花壇になっている部分が馬や牛の水飲み桶だった部分です。上のリンクをクリックすると、その頃の広告を見ることができます。 

お化粧をした家たち


前回の記事で、意匠を凝らした建物が消えつつある、ということ書いたのですが、それでもイギリスでは壁にちょっとした細工を残している家を今でもたくさん見かけることができます。今、新築する場合は、赤煉瓦であっても、ドームをつけたり細工をするということはもうありません。昔の人はどんな思いで家の外壁に細工を施していったのでしょうか。。



ヘイスティングスに行ってきました


さて、先日、「ヘイスティングスの戦い」の舞台となった港町を訪れたのですが、古い街並みが残っていて建物好きにはたまらない場所でした。そして、たまたま民泊で予約した先が、なんと指定建造物になっている建物内のお宅ということがわかり、びっくり。
 

Pelham Crescentという三日月型の建物の一室に民泊させていただきました


泊まった部屋の窓から
建物内の階段の手すりの曲線。黄金律??


改装はできても改築してはいけないので、内部は随所、傷みがありますが、昔のままの形を残す窓からの海の眺めが素晴らしかったです。

 
上記の建物の昔の写真はこちらから見ることができます。 

ヘイスティングスでは、色々な時代の建物が残る街並みや路地を見るのも楽しかったですが、古い形の街灯が大好きな私は、こういうのを(↓)見かけるたびに嬉しくなってしまいます。


私にとって豪奢な建造物よりも心を惹かれたのは、旧市街の一角で見つけた建物と建物の間に挟まれた小さな空間。門と扉の向こうに、特別な時空間が待っていそうで、いつまでも見ていたい気持ちになってしまうのでした。
 

同じ古い時代の建物や街並みでも、場所によって落ち着くなー、と感じたり、重苦しいと感じたりと、こちらに起きてくる反応は色々です。特別な街並みや建物の造りも、そこにいる人々があとから歪めてしまうこともあれば、以前よりもより良い空間に高めていくこともできるのかもしれません。

しばらくの間、街観察熱が続いていきそうですが、また機会がありましたら写真などご紹介していきたいと思います。

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ここまでお読みくださりありがとうございました。




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