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骨盤底筋群をしめる意味がない

産後にジェイのクラスを受けてから
私の中で何かが駆け抜けていく感覚と共に、「もう一度体を1から作り直そう」という気持ちになった。

というのも、サムに出会ってから私のピラティスに対する観念は変わった。
今までのフィットネス的なピラティスはもう出来ないという感覚だった。
もっともっと真髄を追求した先に、何かユートピアみたいなところに到達できる気がしていた。
今までの在り方とはもっと違う在り方に。

それが、第一子の出産を経た時
私の土台が全て崩れた気がした。

出産を終えた翌朝、私は立ち上がることが出来なかった。
すべての臓器も背骨も、一気に膣から抜け落ちる感覚。
そして、膣が壊れた観音扉のようにガバガバとしていることで足に力が入らなかった。トイレに行きたい衝動はある。でも、間に合わないことがなん度も起きた。

膣から、悪露が出続ける。
オムツをしながら過ごす生活となった。
産後の尿漏れも酷かった。「あ、トイレ」と思った数秒後には出てしまう。
キュッと締めるねじがバカになってしまったかのようだった。

産後はずっと寝ていた。体は十分に休めていたと思う。
おっぱいも、十分に出て、搾乳をする必要があるほどだった。
子供は順調に育ち、旦那は我が子を溺愛した。

助産師さんが我が家を訪れてくれるおかげで、外の出ることもほぼなかった産後の肥立ちだったと思う。

ピラティスを再開するために、アンドレアのところに通い始めた。
クラシカルピラティスを教える彼女のスタジオで少しずつ体を動かす。
徐々に体のエネルギーがまわり身体が元に戻っていくのを感じたある日
サムがアンドレアの開いたワークショップに登場した。

「最近、どう?」
そういう彼女に、「結構良く回復してきたけど、尿漏れがね」と伝えた。

「まさか、骨盤底筋を締めていないわよね?」
その言葉が私を驚かせた。

通常、どこに行ってもケーグルワークを勧められる。
ケーグルとは、膣のことで、膣を閉じる筋肉をトレーニングして
鍛えろということだ。

鍛え抜かれた膣。

なんか、一見、いや、一聞、いい感じがした。

でも、残念ながら、私はケーグル体操がなんだが違う気がしてやらなかった。

あの当時、サムのピラティスに出会って、7年が経とうとしていたが
その7年で筋肉は縮めて使うものではない、と理解をしていたからだ。

だから、骨盤底筋を縮めていないわよね?という彼女の言葉に
私は、私の感覚ってあっていたというのと、
じゃあ、どうするのがいいと彼女は感じているのだろう?と
不思議に思った。

そんな時、
ペアワークになって、
基本のダブルレッグストレッチをマットで行う流れになった。
サムが私とペアになる。
そして、私の骨盤を触って、介助をした。
その時に、気持ちがいい感覚が体を駆け抜けた。

「これが骨盤底筋をサポートするのよ。」

そう。そうだ。
骨盤底筋を締めなくては!と思わなくても、
ちゃんと骨盤底筋があるべき位置に君臨している。
締めているというよりも、しまっている。
最適なパフォーマンスが出来る状態にあるというのが一番近い表現だろうか。

やっぱり、カラダは一つの筋肉だけを閉めようと考えたところで
上手くはいかない。

体全体をワークしてくことで、
アライメントがずれていた筋肉や
眠っていた筋肉が元の位置にササササササーと戻っていく。
そして、カラダ全体がカチッとはまって動くと
とても気持ちがいい。

今、第二子を産んだ私の体は、ほぼ尿もれはない。
ただ、先日、トランポリンを子供たちと10分やった時
少しだけちょろりと尿漏れをしてしまった。

まだまだ私の体は回復の伸び代がありそうだ。



自分に感動をするピラティスへ



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