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映画の話354 太陽を盗んだ男

 原子力発電所からプルトニウムを盗み出し、原爆を製造して政府を脅迫するという、当時にあって、原子力のリスクや、テロの可能性を、映画という形だったとしても上映したのはすごいことだと思いました。
 主人公の動機が曖昧な点や、表の顔である高校の理科の教員としての授業の様子、また、菅原文太扮する刑事との格闘シーンや、追跡シーンなど、どこかシュールなところに70年代の停滞感や物質的に豊かになって精神的にうつろになった社会の空気がにじみ出ているように思いました。
 沢田研二がとにかくかっこよく、狂気じみた犯人像と、高校の理科の教員という2面性をうまく演じていると思いました。


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