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茶道はもてなしの心。この「もてなし」とは何か?

茶道とは、「もてなし」の美学ともいわれます。
この「もてなし」とは何でしょう。
何気なく使っている語ですが、茶道とともに意味を深堀してみました。

「おもてなし」ではない「もてなし」

2020東京オリンピックの招致のプレゼンテーションで、「お・も・て・な・し おもてなし」の言葉がはやりました。
ただ、そのプレゼンテーションでも、おもてなしの意味を解説はしておらず、日本では、財布を落としたとしてもそのまま落とし主の手に戻ってくる、そういう国であるというような説明がつづいていました。

茶道の世界では、「“おもてなし”ではない、“もてなし”です」と注意をうけるほど、もてなしという語を大事にしています。
それを説明するために、「もてなし」を新明解国語辞典でしらべてみました。(三省堂の新明解国語辞典は日本で一番売れている国語辞書だそうです。帯に書いてありました。)

もてなす【持て成す】:心をこめて客に応対する。狭義では、客に心を込めた茶菓・酒食を供することを言う。名詞:もてなし

念のため「おもてなし」を調べましたが、載っていませんでした。

自分が“持て成す”のですから、それに丁寧語の「お」を付けるのは、日本語として好ましくないのです。

茶道は「もてなし」の心が大事にされています。
それは多くの方が知っていることと思います。
ところが「もてなし」の意味が不明なまま「おもてなし」が流行してしまいました。

日本の昔からある純粋なホスピタリティーの心が「もてなし」にもかかわらず「お・も・て・な・し」が流行してから、もてなしの心が親切心と同程度にすりかえられ、茶道が誤解されていそうでとても気がかりです。

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「心をこめる」とは

それでは、心をこめて対応する事がもてなしでしたら、この「心をこめる」とはどういうことでしょうか。「心をこめる」の私の解釈を説明します。

お客様に対して、心をこめるので、お客様のことをよく知ることが第一段階です。
お茶をお出しするにも、お疲れを癒したいのか、のどの渇きをいやしたいのか、ゆったりとした時間を楽しみたいのかなど、お客様の様子からニーズを探ることが大切になります。

お客様ご自身も気づいていないことかもしれません。
一服を差し上げることも、かたい表現をすれば、顧客の潜在ニーズ調査とそれに伴う茶の提供と言い換えることができましょう。

茶道の一面はデザイン思考

近年ビジネス用語で、デザイン思考(デザインシンキング)というのがあります。デザイナーの行うデザインプロセスの手法を活用して、解決策を生み出すアプローチのことです。
ユーザー視点に立ってサービスやプロダクトの本質的な課題・ニーズを発見し、ビジネス上の課題を解決するための思考法として、注目されています。

茶道は、たいへん間口の広い文化で、知的好奇心を揺るがす多彩面があります。
「もてなし」「心をこめる」で、お抹茶一服で癒して差し上げるという一面を、ユーザー視点に立った本質的な課題・ニーズを発見するデザイン思考と捉えてみました。

さいごに

また更に、この”本質的な”という部分も難しい点と感じています。
茶道の真のすがたを、いろいろな側面から学び、まだまだ修行してまいろうと、思った次第です。
「もてなし」の意味調べからの気づきを記させていただきました。

多くの方に茶道の面白さ、可能性に触れていただきたいと思ってオンラインセミナーを作りました。(礼儀作法も点前もお伝えしない茶道セミナーです)URLをご紹介させていただきます。

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