【小説】クズだらけのプロット|目録
当記事について
作品概要
1.あらすじ
陽山宇宙は、物語が好きだ。愛していると言ってもいいかもしれない。ともかくそれくらい好きだ。
寝ても覚めても、面白い物語を探し、吟味し、読みふける。そんな暮らしをしていたいと心から願っていた。
だけど、現実はどうだろうか。「これは本当にプロのレベルに達しているのだろうか」と疑問に思う作品が増えていくじゃないか。
こんなことではいけない。何とかしなければ。焦燥感を覚える。
しかし、現実として、宇宙に出来ることなんて大して無い。結果として「なんとかしたい」という思いだけが残ったまま、日々を怠惰に過ごしていくのだった。
そんな宇宙にも、誇れる作家がいる。
コハル先生だ。
彼か彼女か分からないその作家が書いた作品は、久しぶりに宇宙を楽しませた。可能性を感じさせた。端的に言えばワクワクさせてくれたのだ。そんな気持ちになったのは久しぶりだった。
こうして宇宙はコハル先生の大ファン──狂信者と化したのだった。
ある日。一つの疑惑が生じる。コハル先生の正体はあのカースト最上位女・如月春菜ではないか?というものだ。
そんなことあってはいけない。崇高な存在のコハル先生が、俺を敵視し、事あるごとに「あ、陰キャオタクだ」とレッテルを貼り付けてくるクソ女であってはいけない。
疑惑の真偽を確かめ、安心したい。そう考えた宇宙は、春菜に一つのトラップを仕掛ける。これでいい。
きっと、何かの間違いだ。コハル先生にかかった濡れ衣を取り払うことが出来る。今日の夜はきっと良く眠れることだろう。
「はぁーーーーーーーー!!!!????冗談でしょーーーーーーーー!!!!????」
そんなことはない。現実は非常である。
かくして俺がこの世で一番尊敬する作家は、一番忌み嫌っている女だったという事実が発覚したのだった。
だった。じゃないんだよ。冗談じゃないんだな。これが。はぁ…………
2.連載情報
目次
0.プロローグ
Ⅰ.いつもどおりの日常を踏み外して
幕間Ⅰ
Ⅱ.どうしても許せないもの
幕間Ⅱ
Ⅲ.作品をよくするための会議をしよう
Ⅳ.恋人体験β
Ⅴ.気が付いたこと、気が付けなかったこと
Ⅵ.加賀加奈子は最初から
幕間Ⅲ
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