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【瑠壱は智を呼ぶ】連載開始当日/西園寺瑠壱・山科沙智・佐藤智花【カウントダウンSS】

※本稿は『瑠壱は智を呼ぶ』が連載開始するまで毎日更新されるカウントダウンSSです。
※メタ空間となっております。作中の出来事とは一切関係がございませんのであらかじめご了承ください。


本文

西園寺瑠壱(さいおんじ・るい)「『瑠壱は智を呼ぶ』カウントダウンSSも最終日。本日6月15日より、正式に連載がスタートしました!」

山科沙智(やましな・さち)「わ、わー……パチパチパチパチ」

佐藤智花(さとう・ともか)「…………」

瑠壱「あの、佐藤?佐藤智花さん?」

智花「……なに?」

瑠壱「いや、連載開始当日なんですけど」

智花「そう。おめでと。……これでいい?」

瑠壱「ええー…………」

智花「…………(ぷいっ)」

瑠壱「えーっと……なにやら約一名が沈黙を貫いてしまったけど……まあいいだろう。なにせ連載開始だ。これほどめでたいことはない。なあ、山科?」

沙智「う、うえええ!?」

瑠壱「そこで驚かないでくれ……」

沙智「す、すみません……あ、でも連載開始当日ってことはあれですか。作品の魅力とか、そういうものを語ったりする、のかな?」

瑠壱「いいところに気が付いたな山科。そう。なにせ今日は連載開始当日だ。なんなら『瑠壱は智を呼ぶ』に触れること自体、今日が初めてなんて人もいるかもしれない。だからこそ、このタイミングで、自己紹介を含め、アピールをしておくのは大切なんだ」

沙智「な、なるほど」

瑠壱「ってなわけで……まあ、俺からかな。名前は今更として、一応、主人公っていう位置づけになっている。つまり、一番俺と顔を合せることになると思うから、まあよろしく頼む。あ、別に友達になってほしいとか、そういうことはないぞ。つかず離れずくらいで全然いい。それくらいが気軽だからな」

沙智「わー……パチパチパチパチ」

瑠壱「なんか傍観者と化してるけど、次、山科の番だぞ」

沙智「え!?あ、そ、そうですね。私の名前は山科沙智、です。えっと、一応、声優なんかもやってます。あとは……えっと……何を話したらいいですかね?」

瑠壱「と言われてもな……普通に特技とか好きなこととk」

沙智「好きなこと!それなら、はい。大丈夫です!好きなのはですね、『間違いだらけのハーレムエンド』っていう作品です。あ、正式名称よりも『まちハレ』の方が伝わりやすいですかね?その方が耳なじみがあるっていうか。で、その『まちハレ』なんですけど、元々はインディーズというか、わりとアングラなところから出てきた作品なんですけど、徐々に人気になっていきまして去年アニメ化もされたっていう作品なんですね。これがまた凄く出来が良くって、当然円盤も全部コンプしたんですけど、なんとですね、それのメインヒロイン役として私が出演してるんです。ありえないでしょ?私もそう思うんです。今でも見直すと恥ずかしいですもん。うわー、このころの私演技下手だなぁって。正直撮り直したいっていうか、そもそも声優変わること自体おかしいっていうか」

瑠壱「ストップ!山科、ストップ」

沙智「あ、はい。なんでしょうか。演技ですか?やっぱり演技におかしいところがありましたか?」

瑠壱「いや、今ほら、自己紹介中だから」

沙智「あっ…………」

瑠壱「…………はい。と、いう訳で、恥ずかしさで当社比で10分の1くらいのサイズになってしまった山科の自己紹介でした。さて、残るは佐藤なんだけど……」

智花「…………」

瑠壱「なあ、佐藤」

智花「…………」

瑠壱「ほら、自己紹介を」

智花「佐藤智花。ヒロイン。よろしく(ペコリ)」

瑠壱「そんな某情報統合思念体と意思疎通を図れる宇宙人じゃないんだから……」

智花「…………」

瑠壱「(なるほど……要するに素がバレるのを恐れてるってことか。そんなもん気にしたって意味ないんだがな。そうとなれば話は早い)」

瑠壱「仕方ない、代わりに俺が補足をするぞ。佐藤智花。俺と同じ高校三年生。クラスも同じ。幸か不幸か席の位置は離れてる。成績は悪くないし、運動神経もまずまずだったはずだ。それに加えてこいつは絵が美味い。ネットで漫画なんかも描いている。俺も見たけど、まあ良く描けてる。そして、こいつがなんで漫画なんか描いてるかって話なんだが、それがまた面白いんだ。何を隠そう俺とこいつは幼馴染で、小学校まで通ってる学校も同じだったんだ。仲も、まあ悪くはなかったとおもう。んで、その当時だな。俺とこいつはある約束を」

智花「…………」(ガシッ)

瑠壱「………あの、なんでしょうか。無言で首根っこを掴まれると大変怖いのですが」

智花「それ以上喋ったら、折る」

瑠壱「分かった、喋らん。喋らんから自分で自己紹介くらいしてくれ」

智花「(はぁああああああ~~~~…………)分かった。分かったっての」

智花「って言っても大体のことはいまこいつが言った通り。幼馴染ってのもそのとおり。漫画を描いてる理由はただの趣味よ。それ以外に特に理由なんかない。それから、さっきなんか口走りかけてたけど、私とこいつの間に約束事なんてないから。それだけは覚えておいてちょうだい」

瑠壱「みたまえ、山科くん。あれが世にも珍しい「ツンデレヒロイン」というやつだ。よく観察しておきたまえ」

沙智「は、はい。よーく目に焼き付けておきます」

智花「……後で覚えとけよこのクソ陰キャ幼馴染が(ボソッ)」

瑠壱「と、まあ、負け犬の遠吠えと本性をほんのちょっと引きずり出したところで、今回jのカウントダウンSSは終わりにしたいと思う。どうだろうか。ほんのちょっとでも作品の雰囲気が伝わってくれたら幸いです……とまあ、台本はここまでだけど、どうかな。山科。雰囲気は伝わったと思うか?」

沙智「そ、それなりに伝わったのではないかと思います」

瑠壱「それなりか……ま、伝わらんよりいいだろ。佐藤はどうだ?」

智花「ぶつぶつぶつぶつ…………」

瑠壱「はい。無事に使い物にならなくなりましたっと。んじゃ、まあ。本編でまた会おうじゃないか。なあに、大丈夫だ。こんなやつでもしっかりヒロインはする……はずだから。それじゃ、またな」

沙智「し、しーゆーです」

瑠壱「……なんかキャラが混線してないか?」

沙智「そ、そうですかね?」


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