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【保存版】贈り物ワイン、失敗しないポイントをソムリエが徹底解説

自分にとって大切な人のお祝いや記念日にワインを贈ったことはありますか?
贈り物としてはオシャレなアイテムであるワイン。普段のお酒とは違った特別感を届けることができる素敵なギフトですよね。
でもこんな声をよく聞くんです。
『ワインを贈りたいけど種類が多すぎて何を選んでいいのかよく分からない』
『ワインが好きな人に贈りたいけど好みに合うか不安』
『どのくらいの値段から選べばいいのか分からない』

この記事では相手に喜ばれる素晴らしいギフトとしてのワイン選びを、ソムリエが解説しようと思います。

note ノート 記事見出し画像 アイキャッチ (5)

【★大前提★】
ひとまず贈りたい相手がお酒が飲めることを確認しましょう!
いくらオシャレなギフトでも流石にお酒そのものを召し上がらない方では喜んで頂くには難しいです。それに加えて、お酒が飲める方でもワインが好きではない、苦手だ、と分かっている方へお贈りするのは避けましょう!
そういった方へ敢えて【これだったらきっとワインが好きになるよ!】というチャレンジをしてみるのもいいかもしれませんが、相当な自信と経験が必要となります(笑)

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●抑えておきたい基本

贈り物としてのワイン選びの基本はまずコレです。

【尖った特徴を持つワインを選ばないこと!】

ここで言う尖った特徴というのは、そのワインの味わいそのもののことではなく、味わい以前にそのワインを構成する特徴を指します。
ちょっと例を出してみますね。

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×極端に値段の安いor高いワイン

ご存知のようにワインの値段幅は非常に広く、ボトル1本でもワンコインで買えるものもあれば数十万~数百万、極端ですと家が買えるような値段のものまであります。
言わずもがな極端に安かったり高かったりするというのはここでいう【尖った特徴】に該当します。
安いワインでも美味しいものがもちろんありますが、確率的にそういった銘柄に当たることは少ないでしょう。自分が飲んだことが無い銘柄なら尚更です。失敗する可能性が味わい以前にそのワインを構成する特徴としてありますので、結果的に味わいが良かったとしても避けるほうが無難です。
逆に高いワインの場合。高ければ旨い!は残念ながらワインの世界では通用しません。ある程度の値段を払えば美味しいワインに辿り着きやすくなりますが、それでも【高い値段=味わいとしての最低保証レベルが底上げされる】位の認識の方が正しいです。
それに、あまりに高いワインを贈って値段が相手にも分かってしまった場合(今はネットで簡単に値段が分かってしまいますよね)、逆に相手に気を遣わせてしまう可能性があります。これはワインの好み云々より、相手に喜んでもらいたいという贈り物の観点から避けた方が良いでしょう。

×種類として既に特徴が現れているワイン

これはいわゆる古酒(ヴィンテージワイン)であったり最近流行りのオーガニックワイン、それから赤白ロゼに続く第4のワインとして台頭してきたオレンジワインなどが該当します。
これらのワインは独特の香味がしたり、クセのある味わいがしたりする可能性が非常に高いです。その特徴が好きだと予め分かっている場合はその限りではありませんが、好みの情報が少ない相手に対してはギャンブルになってしまうかもしれません。

×珍しい、もしくはワイン産地としてはあまり知られていない国のワイン

これについては誤解が無いように先に申し上げますが、いわゆるマイナー国のワインでも素晴らしい銘柄が山程あります。しかしながらこれらもやはりマイナー国であるという要素自体が尖った特徴であり、実際の味わいも特徴的なものが多かったりします。ですが、自分で飲んでみた上でこれはイケる!と確信したものでしたらチャレンジしてみるのも面白いと思います。


●ワイン選びのポイント!

【予算を決める】

まず大切なことですが贈るワインを購入する予算を考えましょう。お金のことは無粋なようですが自分にも相手にもとても大切な要素となります。
大体ワインを良く飲む方が日々嗜むデイリーワインは2,000円位までのところだと言われています。
贈り物として特別感をということですと、日頃飲むワインと同じくらいでは難しいかもしれませんね。なので価格帯としては以下のように分類してみます。

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3,000円~5,000円
日頃のワインよりちょっと贅沢、贈り物としてもらったら飲むのが楽しみになるワイン!

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6,000円~9,000円
ソムリエ的におすすめの価格帯はこちら!普段自分で飲むために買うにはちょっと躊躇する贈り物ですね。この位のお値段ですと基本的なワインのレベルがしっかりと保障されていると言えます。つまり、いわゆる【ハズレ】の確率がグッと低くなる価格帯です!

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10,000円~
特別な人への特別な時のために…
この価格帯にふさわしいシチュエーション、然るべき時のための価格帯です。

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【種類で決める】


ここで言うワインの種類とは、
白ワイン
赤ワイン
発泡性ワイン

の3種を基本とし、それに加えて
ロゼワイン
発泡性ロゼワイン

の2種を加えた計5種類とします。それぞれザックリとした味わいの特徴を解説したいと思います。

白ワイン
白ワインは酸味を主体とする味わいのワインです。そこから、スッキリとしてフルーティな酸味を愉しめるタイプと、しっかりと樽香が効いてコクがある複雑なタイプという2つの方向性に大きく分かれます。白ワインは傾向として割とどんな方でも飲みやすいワインですが、前者はカジュアルで更に万人受けしやすく、後者は特に白ワイン好きな方に喜ばれるエレガントなタイプが多いです。

ピュリニー・モンラッシェ

赤ワイン
赤ワインは酸味と渋みを主体とする味わいのワインです。こちらも果実味が溢れるフルーティで華やかなタイプと、深い酸味と渋味が複雑に絡みった重厚感溢れるタイプに大きく分かれます。共にある一定の価格帯以上のものは格調高く、贈り物としては非常に特別感を醸し出すことができますが、前者は割と渋みが控えめで飲みやすく、後者は渋みが効いてしっかりとしているので、ワインが好きな方を唸らせることもできるでしょう。

シャンボール・ミュジニー

発泡性ワイン
発泡性ワインとはシャンパーニュを代表とするスパークリングワインのことです。味わいの特徴は白ワインの特徴に近いものがありますが、やはり特筆すべきはシュワッと爽やかな泡の存在で、これにより誰にでも飲みやすくかつ、本格的なワインラヴァーの方へも喜ばれるような幅を持つ懐の広さが発泡性ワインの嬉しいポイントです。何を贈ろうか迷ったら泡!と言っても過言ではないくらい色々な方に愉しんで頂けるワインです。

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ロゼワイン
白ワインと赤ワインの間、見た目も美しいピンク色のワインです。白ワインや赤ワインに比べてより一層カジュアルな場面で愉しめる味わいで、価格帯的にもそれほど高額な銘柄も少なく、どちらかというと気軽に飲めるワインです。

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発泡性ロゼワイン
カジュアルなロゼワインとは対象的に、発泡性のロゼワインは通常の発泡性ワインよりも格式が高くなる傾向があります。同じ銘柄でもロゼの方が高級なものになるケースが多いです。味わいは通常の発泡性ワインのような飲みやすさに複雑性を加え、深い味わいを愉しめるものです。高額なものは、格式高い赤ワインと同じく特別な瞬間を彩る贈り物に相応しいものとなるでしょう。

ドゥラモット ロゼ

【イメージと産地で決める】


やっぱりワイン選びはよく分からない!という場合はイメージと産地で決めてしまうのはいかがでしょう?ここで言うイメージとはボトルの形のことで、その形によってザックリとした味わいの方向性がなんとなく分かったりするんです。

普段何気なくワインのボトルをご覧頂いていると思いますが、よく見るとボトルの形も様々あるんです。
代表的なところをご紹介すると、ボトルの肩がなだらかななで肩のような形のワインボトル。このようなやわらかいイメージを持つ形のボトルは自ずと味わいもどちらかというと優しく華やかで女性的なイメージのワインだったりします。

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対してボトルの肩が直線的で肩をいからせたような形のボトルがあります。こちらは力強い男性的なイメージがあり、味わいもしっかりとした芯と骨格を感じられるワインが多い傾向です。

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産地についてはやはり伝統的に古くからワインの生産地として知られている場所を選ぶ方が無難です。具体的にはフランスイタリアに加え、スペインドイツあたりも宜しいかと思います。やはり産地による安心感というのは送る側も貰う側も間違いなくあると思います。

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ここで例外的なおすすめですが、もし旅行先からのお土産としてワインを贈りたいというのであれば、是非その土地で造られているワインを選択肢に入れてみて下さい!日本でも海外でもワインを生産している土地はかなり多いです!旅行中に試して気に入った地元のワイン、自分用だけでなく大切な方への贈り物としてもとてもオススメです!現地でなければ購入できない貴重な銘柄など見付けられたら最高ですよね。

シャルドネ樽

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★最後の決め手!★

ここまで贈り物のワインの選び方をご紹介してきましたが、やはり決め手となる要素は欲しいところですよね。
そういう時は、是非ご自身で飲んでみて下さい!!
気に入ったと思ったワインを贈ればモヤモヤすることはありません。きっと一生懸命選んだあなたの気持ちは贈ったワインと共に相手に伝わることでしょう。

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実際にソムリエが贈り物として利用した銘柄23選

赤ワイン
シャトー・カロン・セギュール 1982
シャトー・モンローズ 2003
ニュイ・サン・ジョルジュ 2011 ダヴィド・デュバン
シャトー・コス・デストゥルネル 2004

白ワイン
シャサーニュ・モンラッシェ プルミエ・クリュ レ・ヴェルジェ 2011
ピュリニー・モンラッシェ ポール・ガローデ 2012
シャトー・タルボ カイユ ブラン 2015
フォリウム ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2012
キスヴィン 甲州 レゼルヴ 2016
ブルゴーニュ ブラン キュヴェ ファミーユ 2018 ル デュモン

スパークリングワイン(シャンパーニュ、ゼクト、フランチャコルタ等)
サロン ブラン・ド・ブラン 2002
ルイ・ロデレール ブリュット
グロンニェ ブラン・ド・ノワール
ペリエ・ジュエ グラン ブリュット
ドゥラモット ブリュット
ルイ ヌヴロ ブリュット
クリュッグ グランド キュヴェ ブリュット
ゼクト バッハラッヒャー リースリング 2012 ラッツェンベルガー
マム コルドンルージュ
ペリエ・ジュエ ブラン・ド・ブラン
フランチャコルタ ドサージュ ゼロ ヴェッツォーリ

スパークリングワイン ロゼ(シャンパーニュ)
パイパー・エドシック ブリュット ロゼ
アンリオ ブリュット ロゼ

ソムリエの好みがふんだんに盛り込まれているので、改めて見るとかなり偏りのあるセレクトだったりしますが…参考になれば幸いでございます。

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さて、贈り物のワイン選びにお悩みの皆様、いかがでしたでしょうか。ワインを選ぶというのは実際に難しい部分もあったり、深く理解するにはそれなりの専門的な知識が必要だったりします。ですが悩みに悩んで選び抜いたその1本、きっと素敵な場面に花を添える贈り物になるでしょう!この記事が皆様の大切な方々に喜んで頂ける一助になれば幸いです。それでは素敵なワインライフを!

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