4.大学職員とアルコール
タケシにはもう一つ、苦しいことがあった。
同期の田中 拓也の存在だ。
拓也はタケシより仕事ができた。
3年間、民間企業で働いた上で転職したタケシと違い、拓也は新卒で入職した3歳年下の同期だ。
にもかかわらず、伝票処理もタケシより抜けなくスムーズだった。
またタケシは困ったらすぐに人に聞く方だったが、まずは拓也は自分で解決しようという姿勢があった。
当然、上司の評価も拓也の方が高かった。
タケシは辛かった。自分が情けなかった。
上司からの執拗ないじめに加えて、自分より仕事ができる年下の同期。
実はいじめられているのではなく、ただ単に自分が仕事ができないだけではないのかとさえ感じた。
夜、ベッドに入ると、明日がくるのが怖かった。
本当に明日またあの職場に行くのが怖いのだ。
明日なんて来てほしくない。本当にそう思った。
だんだんと夜に眠れないことが増えていった。
そしてある時期から、気分を良くするための最も簡単な方法に気づき始める。
酒を飲むことだった・・・。
【反省】
・”準公務員”という肩書ばかりに囚われて、自分と相性が合う職種選ぼうとしなかった。
・合わない職種を続けてもつらいし市場価値も上がらない。いずれ限界が来て辞めるときがくる。
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