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【Vtuber】にじさんじ + ポケモンで英語学ぼうぜ part 1-2

はじめに

本記事は、にじさんじ所属のVtuber 安土桃 の以下の配信の 9:03 - 18:05 まで英語解説です。

安土桃:
Youtube チャンネルTwitter

シリーズコンセプト・学習方法・記事を読むための必須事項は part0 を御覧ください。


またこの記事は part1-1 の続きです。まだ読んでいない方は以下からどうぞ。

それでは早速勉強していきましょう!まあまあボリュームがあるので適宜休憩は取ってくださいね。


【例文1】(9:03) 口語表現(welcome, one and all)

Welcome, one and all!

単語:
Welcome(表現) ようこそ
one and all(表現) みなさん

直訳:
ようこそ、みなさん。

意訳:
ようこそ、みなさん。

キーワード:
口語表現

解説:
Welcome, one and all, Hello といった類は「決まりきった表現」なので文法をいちいち考える方が大変です。

そのため今回のように状況とセットで覚えるのが吉です。


【例文2】(9:04) 口語表現(welcome to ~)

Welcome to the wonderful world of Pokémon!

単語:
Welcome to 〜(口語表現) 〜へようこそ
wonderful(形容詞) 素晴らしい
Pokémon(名詞) ポケモン

直訳:
素晴らしいポケモンの世界へようこそ。

意訳:
素晴らしいポケモンの世界へようこそ。

キーワード:
口語表現

解説:
先程の文と大体被っていますが、恒例なので一応。「ポケモンの世界へようこそ」はシリーズおなじみのセリフです。

さきほど welcome は決まりきった表現で「ようこそ」だと説明しました。今回はここに 「to ...」 という塊がついています。ここの「to ...」は前置詞+名詞のセットで副詞的に welcome を修飾しています。(前置詞+名詞って何や!?の人はpart1-1へ)

そして welcome to ~ で「~へようこそ」の意味になっています。

Welcome to Nijisanji.
にじさんじへようこそ。

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余談ですが「ポケモン」はアルファベット表記で Pokémon と言います。

なぜ Pokemon ではなく Pokémon かというと、前者だと英語圏の人は「ポモン」と発音してしまうからです。

そこで海外展開するに際し Pokémon という「アキュートアクセント記号(←知らなくていいですよ)」をつけてなんとか「ポモン」と読んでもらおうとしましたが、ご存知の通り世界中では「ポモン」と発音されています笑

英語圏の人でもあまりéの記号を気にしないみたいですね!


【例文3】(9:17) 断絶を表すカンマ, 等位接続詞, 関係代名詞, 前置詞+関係代名詞

Our beloved Galar region is a wonderful place, with thriving nature, beautiful cities, and many Pokémon with which we share our lives!

単語:
beloved(形容詞) 最愛の, いとしの
region(名詞) 地方
Galar region(名詞) ガラル地方
place(名詞) 場所
thriving(形容詞) 繁栄する, 成長する, 豊かな
beautiful(形容詞) 美しい
city(名詞)街 ※複数形はcities
many(形容詞) 多くの
share(動詞) Oを共有する
life(名詞) 命, 生活 ※複数形はlives

直訳:
私達のいとしのガラル地方は素晴らしい場所です。というのも、豊かな自然、美しい街、多くの私達と生活を共有するポケモンを持っているからです!

意訳:
私達が住んでいる、いとしのガラル地方は素晴らしい場所です。なんてったって、豊かな自然や美しい街があり、生活をともにする沢山のポケモン達もいます!

キーワード:
断絶を表すカンマ(コンマ)

解説:
いろいろ盛りだくさんでとても勉強になる文です。テンションあげていきましょう⤴⤴

冒頭はもう大丈夫でしょう。第2文型SVCで「(Our) (beloved) Galar region = a wonderful place」です。

Our beloved Galar region is a wonderful place.
私達のいとしのガラル地方は素晴らしい場所です。


次がポイントです。place のうしろにカンマ(コンマ)と呼ばれる「,」があり、そのあとに with ~ が続きます。

カンマには色々な使い方がありますが、今回は前と断絶されている(切り離されている)ことを表しています。もしここにカンマがなければ

a wonderful place with ~
~を伴った(持った)素晴らしい場所

となり、with ~ が直接的に place を修飾します。

しかし今回はカンマがあることである種切り離されており、次のような、リズムとして一拍置いたニュアンスになります。そして「どのような点で a wonderful place なのか」の説明になっています。

Our beloved Galar region is a wonderful place, with ~
私達のいとしのガラル地方は素晴らしい場所ですというのも、〜を持っているからです。

(超上級者向け説明: 前置詞句ではありますが限定用法ではなく非制限用法的にplaceを修飾しているということです)

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そしてそのあと with thriving nature, beautiful cities, and many Pokemon と続きます。

このandは接続詞と呼ばれています。そのなかでも「語と語」や「文と文」などをつなげてくれる接続詞を等位接続詞と呼びます。(接続詞の中でも「色々つないでくれる便利なやつ」くらいの認識でok)

例:
Sukoya and Tomoe have a special connection..
健屋と巴は特別な関係をもっています。

Is Lize from the Helesta kingdom or Shizuoka?
リゼはヘルエスタ王国または静岡の出身ですか?
(リゼの出身はヘルエスタ王国ですか?または静岡ですか?)

Yashikizu humorously impersonated Shacho, so everyone laughed.
やしきずが面白おかしく社長のモノマネをし、それでみんなが笑った。

Shiina likes school swimsuits, but Sasaki hates them.
椎名やスク水が好きですが、笹木はそれらを嫌っています。

1文目では名詞の Sukoya と Tomoe を and がつなぎ、この2つがセットでSになっています。

and は「〜...」だったり、「文1そして文2」のようなニュートラルな意味となります。

2文目では名詞の the Helesta Kingdom と Shizuoka が or でつながっています。

orもandと同じく等位接続詞で「~または...」という意味です。

3文目では Yashikizu impersonated Shacho と everyone laughed という文章を so がつないでいます。

so も等位接続詞で、ここでは文と文をつないでいます。この so は「文1, それで(したがって)文2」といった因果関係を表すときによく使います。(面白おかしく真似をした(原因) → みんなが笑った(結果))

4文目も同じく文と文をつないでいます。ここで使われている but も等位接続詞で「〜しかし...」という意味です。

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さて本文では、with thriving nature, beautiful cities, and many Pokémon となっていました。これは「with A, B, and C」という構造です。

つまり and が2つではなく「A, B, C」という3つの要素をつないでいます。

このように等位接続詞が要素を3つ以上つなげるときは、「A, B, and C」のように最後の要素の前に等位接続詞をおきます。(等位接続詞の前のカンマはあってもなくてもいいです)

Iinchou likes Narutaru, Ztsubo Sensei, Himitsu no Chaiharo, and Delicious in Dungeon.
委員長は「なるたる」、「絶望先生」、「秘密のチャイハロ」、「ダンジョン飯」が好きです。

(A, B, C, and Dの構造)

よって本文では以下のような意味になっています。

with thriving nature, beautiful cities, and many Pokémon
豊かな自然、美しい街、多くのポケモンを伴って(持って)〜

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長くなってきましたね。まだ少し続くので勉強されてる方はここで一旦休憩をはさみましょう。休憩が済んだら再び読み進めてください。


もう一度、例文を再掲します。

Our beloved Galar region is a wonderful place, with thriving nature, beautiful cities, and many Pokémon with which we share our lives!

~ many Pokémon まで来ました。そしてその後 ~ many Pokémon with which we share our lives と続きます。

Pokémon に with which we share our lives というおまけがついていますね。

これこそ英語界有能くんの一角、関係代名詞です。名前がいかついので不人気ですが、ようは大きな塊を作って形容詞となり名詞を修飾しているのです。

つまり、ただの Pokémonではなく「with which we share our lives な Pokémon」と言っているのです。

例で説明しましょう。

That is the guy.
あれがその男性だ。

会話の流れがあれば別ですが、急に「the guy(その男性)」と言われてもよくわからないですよね。

そんなときは何かで修飾してあげて情報量を増やします。名詞 guy を修飾するので形容詞がいいですね。(形容詞って??の人はpart0へ)

たとえば「『人々がオタクくんと呼んでいる』男性」なんてどうでしょう?

That is the guy who people call Otaku-kun.
あれは人々がオタクくんと呼んでいる男性だ
(あそこにいるのは、みんなにオタクくんと呼ばれている男性です。)

who people call Otaku-kun という部分が形容詞として guy を修飾しています。(上級者向け: ちなみにこの guy に the がついているのは、「人々がオタクくんと呼んでいる」と言えば、「聞き手は『あーあの音ゲー上手い人ね』とピンとくるはずだ」と少なくとも私(話し手)が思っているからです。やはり共通認識の the ですね。もし「人々がオタクくんと呼んでいる男性」が複数いて、聞き手はその誰かかピンとこなさそうだと私が判断していれば a になります。参照: part0)

さて、関係代名詞を使った文のつくり方は簡単です。まず以下の2文があるとします。

That is the guy.
あれがその男性だ。

People call the guy Otaku-kun.
みんながその男性をオタクくんと呼んでいる。
(第5文型SVOCであることに注意。O=the guy, C=Otaku-kunで、「peopleはthe guy = Otaku-kunだとcallする」)

the guy が被っていますね。ここで2文目の the guy を who に変えて先頭に出します。(what の疑問文のときと似てますね!参考: part1-1)

そして2文をくっつけます

That is the guy who people call Otaku-kun.
あれは人々がオタクくんと呼んでいる男性だ。

はい、これで完成です。ややこしい?大丈夫です。積分の1万倍簡単です。

一旦状況を整理しましょう。the guy が who ~ に修飾されています。そしてwho 以下は、もともと the guy があった場所に何も入っていません。下図のように穴あきになっています。

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スピーキングするときの意識としては That is the guy とまず言って、そのthe guy を補足しようと穴あきの who people call ___ Otaku-kun を足してあげるイメージです。

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いくつか例を見てましょう。

1.
Yaguruma lost the iPhone which Ichikara gave her.
矢車はいちからが彼女に渡したiPhoneを失くした。

2.
I met the girl who watched The Human Centipede.
私はムカデ人間を見た女の子に会った。

3.
Is that the cat that Ichikara is afraid of?
あれがいちからが恐れている猫ですか?

1文目は iPhone に which Ichikara gave her がついています。あれ、 who じゃなくて which になっていますね?

実は修飾する名詞が人でないときは which を使います。厳密に言うとこんな感じです↓↓

who ~ → 人を修飾(超極稀に動物も)
which ~ → 人以外を修飾
that ~ → どっちも修飾

(後述しますが that も関係代名詞として使えます)

というわけで iPhone を修飾するときは which か that を使います。今回は the iPhone に Ichikara gave her the iPhone. という文章(第4文型SVO1O2)がつき、被っている後者の the iPhone が which になって前に出ています。

1.
Yaguruma lost the iPhone which Ichikara gave her.
矢車はいちからが彼女に渡したiPhoneを失くした。

(上級者向け: the iPhone になっているのは「関係代名詞部分の情報から聞き手は『ライバー用スマホが、ライバー1人につき1台支給されている』とわかる」と私(話し手)が思っているからです。もし an iPhone which Ichikara gave her なら、「いちからがライバーに何台か iPhone を渡していて、そのうちの1台を失くした」ということを聞き手に示唆させることになります。)

ここまでいいでしょうか?では2文目はどうでしょう。

2.
I met the girl who watched The Human Centipede.
私はムカデ人間を見た女の子に会った。

the girl に The girl watched The Human Centipedeという文がついて、2番目の The girl が who になっています。この時点で who は「つなげる文」の先頭にいるので前に移動を終えています。よって上のような語順になっています。

3文目はどうでしょう。

3.
Is that the cat that Ichikara is afraid of?
あれがいちからが恐れている猫ですか?

the cat に Ichikara is afraid of the cat (いちからはその猫を恐れている)という文がついています。(SVCの Ichikara = afraid に of ~「~に関して」がついている)

そして被っている the cat を that 変えて先頭にもっていけば上の文になります。ね、簡単でしょ?

もちろん3文目の that は which でもokです。

3(a).
Is that the cat which Ichikara is afraid of?
あれがいちからが恐れている猫ですか?

さて、もう一度上の例文を見てください。

この文は先程言った通り the cat に Ichikara is afraid of the cat という文がくっついたものです。

そして the cat を「which または that」に変えて先頭に出しました。

the cat + Ichikara is afraid of the cat

the cat + Ichikara is afraid of which(that) ... (*)

the cat + which(that) Ichikara is afraid of

the cat which(that) Ichikara is afraid of
いちからが恐れた猫

ここで(*)のときにwhichを選択したとします。

先程は、Ichikara is afraid of which の which を前に出していたのですが、一旦待ってください。

ここに of whichという塊がありますよね?(つまり前置詞+名詞です)

実は英語ではこういった「関係代名詞which/whoを含んだ意味の塊」ごと前に出していいんです!(thatはNG。そして基本は前置詞+which/who)

どういうことかと言うと

the cat + Ichikara is afraid of the cat

the cat + Ichikara is afraid of which ... (*)

the cat + of which Ichikara is afraid

the cat of which Ichikara is afraid
いちからが恐れた猫

としていいのです。つまり以下の文はすべて同じ意味です。

3.
Is that the cat that Ichikara is afraid of?

3(a).
Is that the cat which Ichikara is afraid of?

3(b).
Is that the cat of which Ichikara is afraid?

ここまでくればもう次の英語が読めますね。

~ many Pokémon with which we share our lives

これは Pokémon に we share our lives with Pokémon (第3文型SVO, 私達はポケモンと生活を共有している) という文がついたものです。

2番目の Pokémon が which となり with which の塊ごと前に出ています。これにより、

~ many Pokémon with which we share our lives私達と生活を共有している多くのポケモン

となります。(超上級者向け: ここで many of the Pokémon with which ~ のように the が使われていないのは、「私たちと生活を共にしているポケモン」と言っても、そういったポケモンは複数いて、その全てに聞き手がピンとくるとはローズさん(話し手)も思っていないからです!もしこの関係代名詞の情報で「ああ、あのポケモンとあのポケモンと...」のように聞き手が漏れなくピックアップできるとローズさんが考えれば the になります)

ここではただ単に「ポケモンが多い」と言っているのではなく、「私達と生活を共有しているポケモン(他のポケモンじゃないよ)が多い」と言っています。つまり他の地方と比べて、ガラルでは産業が盛んな土地だけあり、野生ではなく、プライベートでも仕事でも人々の生活によりそったポケモンが多いと言っているです。

このように、名詞を直接修飾する関係代名詞は「同種の他のものと区別する」ために使われるので、頭の片隅に入れましょう。


お疲れさまでした!ヒトツヒトツ丁寧に見てきたので、もうあなたは次の文章が読めます。そしていつの間にか高校英語の難しいところもクリアしてしまいました。

Our beloved Galar region is a wonderful place, with thriving nature, beautiful cities, and many Pokémon with which we share our lives!
私達のいとしのガラル地方は素晴らしい場所です。というのも、豊かな自然、美しい街、多くの私達と生活を共有するポケモンを持っているからです!

意訳すると「私達が住んでいる、いとしのガラル地方は素晴らしい場所です。なんてったって、豊かな自然や美しい街があり、生活をともにする沢山のポケモン達もいます!」といった感じでしょうか?

初見だとなかなか大変ですが、ローズさんになりきって音読してみましょう。そのとき部分部分はどんな意味であるかを意識しましょう。あなたの英語力はすぐプレデター帯になりますよ。


【例文4】(11:11) 従属接続詞, 節, 副詞節, canとbe able to Vの違い, 特殊な前置詞

As you know, our society is able to thrive thanks to help from these mysterious creatures that we call Pokémon.

単語:
as(接続詞) ~ のとおり
As you know(表現) ご存知のとおり
society(名詞) 社会
able(形容詞) 能力がある
be able to V(表現) Vすることができる
thrive(動詞) Sが栄える
thanks to(前置詞) ~ のおかげで
help(名詞) 助け
these(形容詞) これらの
mysterious(形容詞) 不思議な
creature(名詞) 生き物
call(動詞) OをCと呼ぶ

直訳:
ご存知のとおり、私達がポケモンと呼ぶこれらの不思議な生き物からの助けのおかげで、私達の社会は栄えることができる。

意訳:
ご存知のとおり、私達がポケモンと呼んでいるこういった不思議な生きもののおかげで、私達の社会は繁栄することができているのです。

キーワード:
従属接続詞, 節, 副詞節, canとbe able to Vの違い, 特殊な前置詞

解説:
As you know と 単語の意味さえわかればこれまでの知識でこの文は読めると思います。

まず As you know の部分ですが、ここの as は接続詞のなかでも従属接続詞と呼ばれるものです。前の文では等位接続詞を見ましたね!

従属接続詞は接続詞なのでやはり何かをつなぐのですが、こいつは文と文をつなぎます。そして「従属接続詞+文章」でひとつの品詞になります

もう文法用語だらけでやめてくれ〜となりそうですが、あと少しの辛抱です。本当は「英語界の遠北千南」とか言いたいんですけど、最低限の用語を知っていると他の部分が本当に楽になるのです。

実は今までも従属接続詞と呼べるものを見てきました。

Confirm that your information is correct.
あなたの情報が正しいことを確かめてください。
(part1-1【例文4】8:24)

~ Pokémon with which we share lives
私達と生活を共にしているポケモン
(part1-2【例文3】10:15)

1文目は「that+文章」で名詞になると説明しました。この塊の名詞が第3文型SVOをとる confirm のOになっています。

Confirm [that your information is correct].
[あなたの情報が正しいこと]を確かめてください。

2文目は with which の形ですが、with は後ろに置いててもいいので ~ Pokémon which we share lives with としても同じ意味です。そしてここでも「which+文章」で形容詞になっています。この塊の形容詞が名詞のPokémon を修飾しています。

~ Pokémon <which we share lives with>
<私達と生活を共にしている>ポケモン

そうです。じつはこのthat や which も従属接続詞と見ることができます。

もう一度言うと「従属接続詞+文章」でひとつの品詞になっているのです。この「従属接続詞+文章」の塊をと言います。part1-1で that節とか名詞節とか言っていたのはこのことです。

この「従属接続詞 + 文章」は、名詞節・形容詞節・副詞節のどれかになります。

ギル様のツイッター名の月が満月近づけば配信も近い証拠です。椎名がゲボになるときはおりコウがいちゃつくときです。節にもパターンがあります。

「that + 文章」→ ほぼ名詞節、まれに副詞節になる(関係代名詞のthatを除く)
「関係代名詞 + 文章」→ 形容詞節になる
「ふつうの従属接続詞 + 文章」→ 副詞節になる

実は他にも種類はあるのですが一旦ここで止めておきましょう。

既に「that+文章」が名詞節になる例と「関係代名詞+文章」が形容詞節になる例は見てるのでOKですね?「that+文章」が副詞節になる例とそれ以外は今後どこかで出てくると思うのでその時確認しましょう。

今回の「as + 文章」は「ふつうの従属接続詞 + 文章」に属します。よって副詞節を作っています。「as + 文章」は色々な意味になるのですが、今回は「~のとおり」の意味です。

例:
As you know ご存知のとおり
As you can see 見えるとおり(ご覧のとおり)

今回の As you know は副詞節で、そのうしろの文を修飾しています。(副詞は動詞・形容詞・副詞・文を修飾するのでした!参考: part0)

例:
As you know, Ange has a chopping board.
ご存知のとおり、アンジュはまな板を持ってます。


さて、As you know の次は our society is able to thrive ~ と続きます。ここは第2文型SVCで「our society = able」という関係になっています。

しかしこの able は 「be able to V」で「Vすることができる」とまとめて覚えると楽です。be は be動詞のことで、Vは動詞の原形が入ります。原形は助動詞 can や will の後ろについていた動詞の標準形でしたね(参考: part1-1)。

例:
Hajiki is able to do 1000 sit-ups.
ハジキは1000回の腹筋をすることができる

I am able to understand morse code.
私はモールス信号を理解することができます。

この例を見ると、「あれ? be able to V って can と意味も使い方も同じじゃね?」となりそうですが若干違います。

be able to V は「実際にできる」といったニュアンスです。can はどちらかというと「ポテンシャルがある」と言った感じです。「実際できること」にも使えますし、「やろうと思えばできる」ことにも使えます。

本文では our society is able to thrive と言っているので、「実際に栄えることができる」という意味になります。(* thrive(動詞) 栄える, 繁栄する)

ただ口語では両者の細かい違いは置いておいて can が優先されることが多いです。

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本文はその後「thanks to ~」が続きます。thanks to はこれがセットで前置詞と考えて大丈夫です。thanks to ~ で「~のおかげで」の意味です。


以上の話とこれまでの知識でもうこの文は読めます。

As you know, our society is able to thrive thanks to help from these mysterious creatures that we call Pokémon.
ご存知のとおり、私達がポケモンと呼ぶこれらの不思議な生き物からの助けのおかげで、私達の社会は栄えることができる。

(※ help from ~ は 「~ からの助け」。that we call Pokémon は関係代名詞の形容詞節で creature を修飾しています)

意訳すれば、「ご存知のとおり、私達がポケモンと呼んでいるこういった不思議な生きもののおかげで、私達の社会は繁栄することができているのです。」といった具合です。


【例文5】(12:59) be動詞の文型, 副詞のall, ダッシュによる言い換え

Yes, Pokémon are all around us - in the sea, in the sky, and even with us in our towns!

単語:
all(副詞) すっかり(* 修飾する語句を強調するような訳にする)
around(前置詞) ~の周りに
sea(名詞) 海
sky(名詞) 空
even(副詞) ~でさえ
town(名詞) 街(* イギリス英語では田舎countryの対義語)

直訳:
そうです。ポケモンは私達の周り中にいます。
─── 海にも、空にも、街の中の私達と共にでさえも。

意訳:
そうです。ポケモンは私達の周り中にいます。
─── 海にも、空にも、街の中の私達のそばでさえも。

キーワード:
be動詞の文型, 副詞のall, ダッシュによる言い換え

解説:
シンプルですが読解ポイントを含んだ文。

Yes は 「はい、そうです」といった感じ。

そのあと Pokémon are all around us と来ます。一旦 all は忘れて、Pokémon are around us を考えましょう。この文は第1文型SVと見ても第2文型SVCと見ても訳は変わりません。

第1文型SVとみるときは be動詞 are を「存在する」という意味の動詞だと見ます。

例:
God is.
神は存在する。

そのあと around us が続くので Pokémon are around us で「ポケモンは私達の周りに存在する」、つまり「ポケモンは私達の周りにいる」の意味です。

第2文型SVCと見るときは今までどおりS=Cとみて、「Pokémon = around us」つまり「ポケモンは私達の周りにいる」になります。同じ訳ですね。

I am happpy. のようにbe動詞の後ろが形容詞なら第2文型SVCとみるのですが、今回のように「前置詞+名詞」がくるときは、正直どっちの解釈でもいいです。(個人的には「『前置詞+名詞』は形容詞になっても名詞修飾しかしない」と覚えてたい派なので前者で考えています)

さて今回はこの around us の前に all がついています。all はいろいろな働きがありますが、今回の all は副詞で around us を修飾しています。副詞の all は修飾する語句を強調します。なので all 自体の訳は毎回修飾するものを強調するように選択します。

例:
Elu-san danced all through the night.
えるさんは夜通しずっと踊った。
(all が though the night「夜を通して」を強調している)

Utako was all excited.
詩子はひどく興奮していた。
(all が excited を強調している)

今回は all around us を「私達の周り中に」とするといいでしょう。

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本文はその後、ダッシュ記号「―」が続きます。これは前の内容の言い換えを表しています。つまり「ポケモンが私達の周り中にいること」を別の表現で言うことを予告します。もっというと具体例が来る可能性が高いと予想して続きを読みます。

- in the sea, in the sky, and even with us in our towns

構造に注意しましょう。ここは「in the sea」と「in the sky」と「with us in our towns」が等位接続詞の and でつながっています。これら全ては around us の言い換えです。

in the sea は「海の中に」、in the sky は「空の中に」で良いでしょう。

with us in our towns は「私達の街の中の私達たちと共に」です。少し分かりづらいので「街中の私達のそばに」などとすると自然です。

今回はこの with us in our towns の前に副詞の even がついています。この even も先程の all と同じで修飾先を「〜でさえ」と強調します。

例:
Suzuhara can live even in hell.
鈴原は地獄でさえも生きることができる。

Even Ojou can do it.
お嬢でさえもそれができる。
(evenは副詞だが、「お嬢でさえも」のようにあたかも名詞を修飾するように使うこともできる)

よって今回の even with us in our towns は「街中の私達のそばにさえも」となります。

以上により、

Yes, Pokémon are all around us - in the sea, in the sky, and even with us in our towns!
そうです。ポケモンは私達の周り中にいます。
─── 海にも、空にも、街の中の私達のそばでさえも。

となります。具体的に言い換える部分により、情景が浮かびますね。

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【例文6】(13:43) to不定詞, SVOCの倒置

And those of us who choose to raise and train Pokémon to do battle and compete we call Pokémon Trainers!

単語:
those(名詞) 人々
of(前置詞) ~ の中で
raise(動詞) Oを育てる
do(動詞) Oをする
battle(名詞) バトル
compete(動詞) Sは競う
Pokémon Trainers(名詞) ポケモントレーナー

直訳: (2番目のto不定詞を副詞用法で解釈した場合)
そして私達のなかで、バトルさせ競わせるためにポケモンをと育て鍛えることを選ぶ人たちを、私達はポケモントレーナーと呼びます。

意訳:
そして、私達のなかで、ポケモンを育て鍛え、そしてバトルし競い合うこと選んだ人たちを、私達はポケモントレーナーと呼んでいます。

キーワード:
to不定詞, to不定詞名詞用法, to不定詞副詞用法, SVOCの倒置

解説:
知らないと??となってしまう文です。

まず those は普通、名詞で「あれら」だったり形容詞で「あれらの」と使います。しかし those who ~ のように、関係代名詞の who で修飾されるときは「人たち」という意味で使われます。

今回は those who ~ ではなく、those of us who ~ となっていますが基本は同じです。ここの前置詞 of は「〜の中で」の意味です。よって those of us who ~ は「私達の中で ~ な人たち」となります。このように関係代名詞による節がほんの少し離れた位置にある名詞を修飾することはたまにあります。

those <of us> <who ~>
私達の中で ~ な人たち


続いて choose to raise and train Pokémon ときます。

chooseは part1-1 でも見ましたが「Oを選択する」という動詞です。よって後ろに名詞が必要です。今回は to raise and train Pokémon の塊が名詞になっています。

これは to不定詞 と呼ばれるものです。to不定詞は「to+動詞の原形」で名詞・形容詞・副詞のどれかになるものです。さっき見た節に似てますね。

例:
Noraneko decided to make naan.
野良猫はナンを作ることを決めた。
(to make naan が名詞になって、動詞decided のOになっている)

Debi-chan needed something to drink.
でびちゃんは飲む何かが必要だった。(でびるは何か飲むもの[=飲み物]が必要だった)
(to drink が形容詞になって、名詞somethingを修飾している)

Chihiro practiced to win the competition.
ちひろは大会で勝つために練習した。
(to win the competition が副詞になって、動詞のpracticedを修飾している)

今回は choose のOにあたる部分なので名詞になっています。このようにto不定詞が名詞として働くことを、to不定詞名詞用法なんて呼んだりします。訳し方は動名詞とほぼ同じです。(動名詞!?の人は part1-1 例文4 へ)

choose to raise Pokémonポケモンを育てることを選ぶ

choose to train Pokémonポケモンを鍛えることを選ぶ

今回はこのふたつを and でまとめて以下のようになっています。

those of us who choose to raise and train Pokémon
私達のなかで、ポケモンを育て、鍛えることを選ぶ人たち

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そしてこのあと those of us who choose to raise and train Pokémon to do battle and compete と続きます。

またto不定詞が来ましたね。さてここは何用法でしょう?

まず名詞用法はおかしいです。その前の「to raise and train Pokémon」は choose の後ろにあったので choose のOになっているとわかります。つまりこの時点で必要な名詞は完結しています。そのあとにまた名詞が来ても「おめーの席ねーから」状態です。よってこの後ろのto不定詞は名詞用法ではありません。

今回の to do batle and compete は副詞用法とも形容詞用法とも見ることができます。(強いて言うならその中間)

to不定詞副詞用法の場合、基本的には「目的」を表していて「〜のために」と訳します。よって、

those of us who choose to raise and train Pokémon to do battle and compete
私達のなかで、バトルをして競わせるために、ポケモンを育てて鍛えることを選ぶ人たち

となります。

もしto不定詞形容詞用法はどうなるでしょうか? 形容詞はCになるか名詞を修飾するでしたね。(くどいようですが、??の人は part0 へ)

今回は第2文型SVCや第5文型SVOCのCの位置にないので、後者の「名詞を修飾する」です。

名詞を修飾する形容詞用法の例を少し見ましょう。

Debi-chan needed something to drink. (再掲)
でびちゃんは飲むための何かが必要だった。(でびちゃんは飲み物が必要だった)

Kanda looked for someone to make a thumbnail.
神田はサムネイルを作ってくれる誰かを探した。
(* look for ~ 「~を探す」)

このように形容詞用法で名詞を修飾するときは「〜するための」とか「(未来に)〜する」と言った意味になります。

そのため形容詞用法で訳すと次のような訳になります。

Pokémon <to do battle and compete>
<バトルをして競うための>ポケモン
or
<(この先)バトルをして競う>ポケモン

さあいろいろな解釈がでてしまいましたが、こういった場合は文脈判断になります。(上級者向け: 意味上の主語、コロケーション、英語の情報伝達・論理構成の仕組みなどから決められなくもないです)

ただし今回はどれも解釈に大差はないので、その中間領域くらいで捉えておくのが健全です。もともと第2言語として英語を捉えるために、◯◯用法などを使い解剖していますが、言語というものはそれによって100%区分けできるものでもないので、こういったことは多々あります(さっきの Pokémon are all around us の文型判断がまさにそうでしたね!)

そこで軽く意訳を加えて、次の解釈にします。(やや副詞用法の「目的」寄りにしています)

those of us who choose to raise and train Pokémon to do battle and compete
私達のなかで、ポケモンを育て鍛え、そしてバトルし競い合うことを選んだ人たち

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(※ 日本語版のポケモン訳を確認したところ「ポケモンを 育て 戦わせ 競いあう 人たち」となっていました。(参考: 下動画 35:03)

of us や train の訳が抜けているので、日英で訳が完全対応しているわけではないようです。ただこの日本語から英語版にローカライズしたと思われるので、やはり◯◯用法とひとくくりにできるようなものではなさそうです)
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さて、この文も大詰めです。このあとに唐突に we call Pokémon Trainers! と来ます。

ここは知らないと??となる箇所なのですが、この文はいわゆる倒置している構造です。

倒置というのは文の中のある部分の位置がひっくりかえっているものです。じつは過去にも見ています。

Her name is Momo.
彼女の名前は桃です。

Is your name Momo?
彼女の名前は桃ですか?

もともとSVCという文章ですが、be動詞が前にきています。このような疑問文では強制的に倒置が起きます。

さて今回はどこで倒置が起きているのでしょうか?修飾部分を抜いた元の構造は以下です。

We call those Pokémon Trainers.
私達は人たちをポケモントレーナーと呼びます。
(S=We, V=call, O=those, C=Pokémon Trainers)

しかし実際の文では O の those にいろいろな修飾がついて次のようになっています。

We call those of us who choose to raise and train Pokémon to do battle and compete Pokémon Trainers.

太字部分がOですがめちゃめちゃ長いです。このままだとSVOC構造が見えづらく、聞いている人も??となってしまいます。

そんなときは倒置です。長いOを前にもってきちゃいましょう。

Those of us who choose to raise and train Pokémon to do battle and compete we call Pokémon Trainers.

これで聞きやすくなりました。つまり「〜という人たちを、私達はポケモントレーナーと呼んでいます!」という流れになっています。

あとはこの冒頭にAndがついて本文と同じになります。ちなみにこのandは冒頭にあっても等位接続詞なので、前文からの繋がりを表しています。

よく「文頭にandやbutなど等位接続詞を使ってはいけません!」という人がいますが、文法的には大丈夫です。以下はアメリカの老舗辞書会社の記事ですが、どうもandなどを文頭におくと冗長な文章を作る生徒がでるので、抑制するために「このルール」が広まったようです。ちゃんと論理を守って使っていれば問題ありません。(子供っぽい表現と言われますが、英字新聞や論文でも何度もお目にかかります。有名な「日本人の英語」を書いたマーク・ピーターセンの作品にも文頭Butが出てきます)


ではここまでの訳を書いてこの文を終えましょう。

And those of us who choose to raise and train Pokémon to do battle and compete we call Pokémon Trainers!
そして、私達のなかで、ポケモンを育て鍛え、そしてバトルし競い合うことを選んだ人たちを、私達はポケモントレーナーと呼んでいます。

ここまでぶっ続けで来たき人はここで休憩しましょう。まだこの記事は続きますよ笑


【例文6】(15:26)be動詞の短縮形, butの意外な意味, Cの位置にある過去分詞, Cの位置にあるto不定詞形容詞用法

Oh! But I'm getting carried away. Please allow me to introduce myself.

単語:
Oh(表現) おっと
but(表現) それにしても
get(動詞) Cになる
carriy O away(表現) Oを夢中にさせる (* ふつうは受け身で使う)
please(副詞) ~してください
allow(動詞) OがCすることを許す
introduce(動詞) Oを紹介する

直訳:
おっと、それにしても夢中になっていました。私が私自身を紹介するのを許してください。

意訳:
おっと、それにしても夢中になっておりました。私の紹介をさせてください。

キーワード:
be動詞の短縮形, butの意外な意味, 進行形の受け身, to不定詞形容詞用法をCで使う

解説:
短いので3文まとめて説明します。

Oh はよく聞きますね。ここでは「おっと」くらいの意味です。

次が But で始まっています。ここは日本人の感覚だと「しかし」の訳がおかしいと感じます。このあと「夢中になっておりました」と続くのですが、前文から合わせて「〜をポケモントレーナーと呼んでいます。しかし夢中になっておりました」はどこか不自然です。

じつは but には「しかし」以外の使い方がいくつかあり、今回はそのひとつで「それにしても」という意味です。これは Oh とか Wow のような、会話でポロッとつぶやくような表現を強調するように使われます。

例:
Wow, but is Shiina late?
うわあ、それにしても椎名遅くね?

今回もこの解釈にすると、「〜をポケモントレーナーと呼んでいます。おっと、それにしても夢中になっておりました」となり自然です。

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さて、先に意味を説明してしまいましたが I'm getting carried away を確認しましょう。

まず I'm は I am をまとめた表現です。よく短縮形と言われます。be動詞は会話ではよく短縮されます。

例: I'm = I am, You're = You are, He's = He is, She's = She is
(He's と She's はそれぞれ He has, She has の可能性もあり。詳しくはいづれ)

そしてそのあとに gettingが来ています。be動詞のあとに ing が来ているので進行形です。am は現在の時制なので厳密には現在進行系です。(進行形解説は part1-1 へ)

そしてこのgetは第2文型で使われています。S get C で「S=Cになる」です。

Gwel got married.
グウェルは結婚した。
(marriedは形容詞で「結婚している(状態)」)

Deron got angry.
でろーんは怒った。

さて今回はCの部分に carried away が入っています。この carried は過去分詞です。受け身のときにやりましたね。(受け身は part1-1 へ)

過去分詞は分詞というものの一種なのですが、この分詞は基本的に形容詞になります。つまり、Cになるか名詞を修飾します。

受け身のときに登場した過去分詞は、実はCになっていました。

Shiban-chan were eaten.
しばちゃんは食べらた。
(S=Shiba-chan, V=were, C=eaten)

今回も一緒です。もともとcarry O away で「Oを夢中にさせる」なのですが、これが過去分詞で受け身っぽくなると carried away で「夢中にさせられる」です。これは分詞なので形容詞として働き、get C の C に配置すると以下になります。

I get carried away.
私は夢中になる
(第2文型SVC: I = carried away)

そしてこれが進行形になると以下です。

I'm getting carried away.
私は夢中になっている。


さて、その後ろは Please allow me to introduce myself です。これは Allow me to introduce myself という命令文に please がついています。

命令文だけでも「〜してください」の意味になれますが、pleaseが命令文の前や一番最後にくるともっと丁寧になります。ただ日本語は「してください」のままで大丈夫です。

please のうしろは 「allow + O + to不定詞」の形になっています。これは第5文型SVOCです。そして先程見たとおり、to不定詞は形容詞になれるのでした!よって C に置くことができます。よってここのSVOCは「『O = to不定詞』を allow する」と言っています。allow は「許す」という意味なので、ここでは「Oがto不定詞することを許す」になります。

Please allow me to introduce myself.
私が私自身を紹介することを許してください。

自然に意訳すれば「私の紹介をさせてください」となります。

以上、今回の文全体は次のようになります。

Oh! But I'm getting carried away. Please allow me to introduce myself.
おっと、それにしても夢中になっておりました。私の紹介をさせてください。


【例文7】(16:35) to不定詞による仮主語・真主語

My name is Rose, and it is a pleasure to be here.

単語:
pleasure(名詞) 喜び
here(副詞) ここに

直訳:
私の名前はローズです。ここにいることは幸せです。

意訳:
私の名前はローズです。この場所にいられることを大変光栄に思います。

キーワード:
to不定詞による仮主語・真主語

解説:
前半はいいでしょう。My name is Rose で「私の名前はローズです」となります。

後半は新しい概念です。and のうしろが、it is a pleasure to be here となっています。唐突に it がきましたがこれは「それ」という代名詞ではありません。(代名詞は part0 へ)

これはいわゆる仮主語というもので、うしろに出てくる「本物のS(主語)」の代わりになってます。まず以下の文を見ましょう。

To beat Christopher Robin is hard.
クリストファー・ロビンを倒すことは難しい。

Sがto不定詞になっています。(to不定詞名詞用法)

これでも文法的には正しいですが、Sが長いので少し読みづらいです。そこでこのSを一旦 it にして、to不定詞部分を後ろにまわします。

It is hard to beat Christopher Robin.
クリストファー・ロビンを倒すことは難しい。

訳は変わらないことに注意してください。あくまで読みやすい構造に変えただけです。このような一旦仮置きする it によるSを仮主語または形式主語といい、うしろにある本物のS(=to beatChristopher Robin)を真主語といいます。

よって、本文は次のようになります。

My name is Rose, and it is a pleasure to be here.
私の名前はローズです。ここにいることは幸せです。

後半を意訳すれば「この場所にいられることを大変光栄に思います。」といった感じです。


【例文8】(17:22) 最上級, カンマによる同格

Now turn your gaze to the Galar regioin's greatest Pokemon Trainer, your undefeated Champion.

単語:
now(副詞) さて
turn O(動詞) Oを向ける
gaze(名詞) 凝視
great(形容詞) 素晴らしい
undefeated(形容詞) 無敗の

直訳:
さて、あなたの凝視をガラル地方の最高のポケモントレーナー、あなたの無敗のチャンピオンに向けてください。

意訳:
さて、ここでガラル最強のボケモントレーナー、我らが無敗のチャンピオンのお目見えです。ご覧ください!

キーワード:
仮主語・真主語

解説:
この文はSがないので命令文です。

nowは「今」というより、ここでは話題を転換する「さて」という意味で使われています。

また「to ~」は方向や到達点を示す前置詞なので「turn O to ~」で「~にOを向ける」という意味です。

Now turn your gaze to ~
さて、あなたの凝視を~に向けてください
(さて~をご注目ください)

to以下は the Galar regioin's greatest Pokemon Trainer です。

greatest は形容詞 great の最上級です。なんと英語は形容詞や副詞を進化させることができるのです。「ちーかざちー」が大人ver.なるようなものです(?)

進化には2段階あるのですが、今回は最上級だけ説明します。最上級はその名の通り「最も〜な」という意味になります。「最も」と言っているので、文字通りNo.1です。よってただ一つに決まり、相手も共通認識としてピンとくるので基本的に the が付きます(参考: part0)。あるいは the の代わりに my とか our といった語で範囲を限定されます。

形容詞や副詞を最上級にするには、基本的に単語の終わりにestをつけるだけです。ただし母音を3つ以上持っている単語は most をつけます。(上級者向け: 厳密には3音節以上です)

例: beautiful → most beautiful, famous → most famous

ここでは great「素晴らしい」が最上級の greatest になっています。訳は「最も素晴らしい」とか「最高な」でOKです。

ここまでで以下のような訳になります。

Now turn your gaze to the Galar regioin's greatest Pokemon Trainer
さて、あなたの凝視をガラル地方の最高のポケモントレーナーに向けてください

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さて Pokemon Trainer のうしろにカンマ「,」があり、your undefeated Champion がきています。

これは「名詞, 名詞」の同格の表現です。簡単にいえば、「言い換え」をしています。基本的には後半の名詞が前半の名詞の具体的な説明になっています。

例:
Nijisanji, one of the most famous VTuber groups, is 〜
最も有名なVTuberグループのひとつ、にじさんじは〜

ここでは Nijisanji という名詞が one <of the most famous VTuber groups> 「<最も有名なVTuberグループの>ひとつ」という名詞に言い換えられています。

ややこしかったら、カンマで囲まれている部分をかっこにすると読みやすいです。

Nijisanji, (one of the most famous VTuber groups), is 〜
最も有名なVTuberグループのひとつ、にじさんじは〜

SVが見やすくなりましたね。訳す時は前から読んで「にじさんじは、最も有名なVTuberグループのひとつですが、それは〜」としてもOKです。

本文では

~ Pokemon Trainer, your undefeated Champion.
あなたの無敗のチャンピオンであるポケモントレーナー

となっています。

「あなたの」という日本語が分かりづらいですが、「みんなのヒーロー」の「みんなの」のようなものです。英語では you, your が一般をあらわすことによく使われます。ここでは「我らが無敗のチャンピオン」としてもいいです。

よって全体は次のとおりです。

Now turn your gaze to the Galar regioin's greatest Pokemon Trainer, your undefeated Champion.
さて、我らが無敗のチャンピオンである、ガラル地方最高のポケモントレーナーに注目してください。(同格を後ろから読む場合)
or
さて、ガラル地方最高のボケモントレーナー、我らが無敗のチャンピオンに注目してください。(同格を前から読む場合)

英語では文末に「伝えたいこと」を置く傾向があるので、後者の訳のほうが若干自然だと思われます。意訳するときは、このトレーナー(ダンデ、英名はLeon)の初登場シーンなので「登場です、ご覧ください」のようにしてもいいです。

Now turn your gaze to the Galar regioin's greatest Pokemon Trainer, your undefeated Champion.
さて、ここでガラル最強のボケモントレーナー、我らが無敗のチャンピオンのお目見えです。ご覧ください!


【例文9】(17:59) 副詞節のwhether, whetherの省略, be about to V, 時条件の副詞節中の未来のwill

Exhibition or not, Leon, your pristine record is about to end ― when I beat you here today!

単語:
exhibition(名詞) エキシビション
Leon(名詞, 人名) レオン(日本版ではダンデ)
paristine(形容詞) まったく汚れていない
record(名詞) 記録
be about to V(表現) まもなくVする, まさにVするところである
end(動詞) Sが終わる
beat(動詞) Oを倒す
today(副詞) 今日

直訳:
エキシビションであろうがなかろうが、レオン、あなたのまったく汚れていない記録は終わろうとしている、俺があなたをここで倒すときに。

意訳:
エキシビションだろうがなんだろうが関係ねえ。レオン、お前のきれいな無敗記録に泥をつけてやるよ。今日ここでお前を倒してな。

キーワード:
副詞節のwhether, whetherの省略, be about to V, 時条件の副詞節中の未来のwill

解説:
しょっぱは知っていないと難しいです。まず従属接続詞のwhetherなるものは以下のような副詞節を作ります。

Whether Hima-chan is plump or slim, she is loved by everyone.
ひまちゃんがぽちゃだろうが痩せていようが、彼女はみんなに愛されている。

Whether Iincho is an idol or not, I like her.
委員長がアイドルであろうがなかろうが、彼女のことが好きだ。

「Whether ~ or ...」の形で副詞節になって、「~ だろうが ...だろうが」という意味になります。

2文目の「Wheter ~ or not」のように否定の not をつけて「~ であろうがなかろうが」とすることも出来ます。

Whether this is an exhibition or not, ~
これがエキシビションだろうがなかろうが、~

この文もやはり副詞節ですね。さて英語は口語になると部分的に省略されることがあります。

(Whether this is an) exhibition or not, ~

上のようにかっこ部分を省略すると ~ or not の部分だけが残ります。これだけで「~ だろうがなかろうが」の意味になるのです。

よって本文は Exhibition or not, だけで「エキシビションだろうがなかろうが」の意味です。

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このあと、文に挟まる形で Leon ときます。Leon はチャンピオンであるダンデの英語名です。(* レオンまたはリオンですが、記事ではレオンと記します)

そして your pristine record is about to end と続きます。

この「be about to V」は「もうすぐ~する/まさに~するところである」という意味です。

本記事【例文5】のto不定詞の形容詞用法のところでto不定詞に「(未来に)〜する」の意味があると言いました。これは形容詞用法に限らず、常に潜在的にこのイメージがあるのですが、今回はそれにabout「約・だいたい」という語がついています。

なので「ほぼほぼVするところにいる」→「まさにVするところである」の意味になります。これは未来表現のひとつです

Your pristine record is about to end.
あなたの汚れていない記録はまさに終わろうとしている


そして最後にダッシュ記号があり、when I beat you here today ときます。

whenはふつうの従属接続詞で「when + 文章」で、「〜のとき」という副詞節を作ります。よってここでは「私が今日ここであなたを倒すとき」という意味です。ここでは「to end する瞬間」の言い換えになっています(言い換えのダッシュ記号!!)。

しかしここで奇妙なことが起きています。さっきの is about to end は未来表現でした。そしてその後の when I beat you here today は「私が今日ここであなたを倒すとき」ですが、「あなたを倒す」も未来に起こる話ですよね?それなのに I beat you というふつうの現在形になっています。I will beat you にしたほうが良さそうですよね?

実は英語には「時・条件表す副詞節中に未来を表すwillは使えない」というルールがあります。

「未来のwill」なので実は他のwillは使えたり、超例外パターンで未来のwillも使える状況はあるのですが、一旦は上のような文言で理解しましょう。

では一体どうやって未来のことを表せばいいかというと、別の未来表現を使うか、単純に現在形で書くかです。ただこういった状況では簡単に、現在形が使われます

今回は「私が今日ここであなたを倒すとき」という「時を表す副詞節」で、さらに「これから倒す」というい未来の話です。そのためここの英文は単純な現在形である when I beat you here today となっています。

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以上まとめると

Exhibition or not, Leon, your pristine record is about to end ― when I beat you here today!
エキシビションであろうがなかろうが、レオン、あなたのまったく汚れていない記録は終わろうとしている、俺があなたをここで倒すときに。

となります。意訳すれば「エキシビションだろうがなんだろうが関係ねえ。レオン、お前のきれいな無敗記録に泥をつけてやるよ。今日ここでお前を倒してな。」といった具合です。


【例文10】(18:00) that節のthatの省略, 否定形

You know I don't lose battles, Raihan!

単語:
know(動詞) Oを知っている(*「知る」ではないことに注意)
lose(名詞) Oに負ける
Raihan(名詞, 人名) ライハン(日本版ではキバナ)

直訳:
私は試合で負けないことをあなたは知っています、ライハン。

意訳:
俺は負けないってこと知ってるだろ、ライハン!

解説:
いよいよ本記事ラストの文です。(長かったー笑)

knowは第3文型SVOをとることができる動詞で、この場合うしろにOになる名詞を置きます。

しかし今回は I don't lose battles が来ています。実は know の後ろに従属接続詞のthatが省略されているのです。すなわち know のうしろに「that+文章」の名詞節がきています。

You know that I don't lose battles.
私が試合に負けないことをあなたは知っている。

このようにOの位置にあるthat節は that が省略されることがあります。(口語で特に多いです)


また今更ですが、一応 I don't の don't も確認しておきましょう。don't は現在形のVを否定するときに使います。厳密に言えば、3単現のsをつける動詞前では doesn't で、それ意外は don't で否定します。

例:
I like Shota.
私はショタが好きです。

I don't like Shota.
私はショタが好きではありません。

They like Shota.
彼らはショタが好きです。

They don't like Shota.
彼らはショタが好きではありません。

Utako likes Shota.
詩子はショタが好きです。

Utako doesn't like Shota.
詩子はショタが好きではありません。

ちなみに don't も doesn't も短縮形で、本当は don't = do not, doesn't = does not です。硬い文では短縮形を使わず I do not like Shota. と言います。

また普通の過去形動詞を否定するときは didn't (= did not)とつけます。

例:
Nijisanji members didn't go to Mayuzumi's call-in stream.
にじさんじメンバーは黛の凸待ち配信に行かなかった。

be動詞も次のように否定できます。
am → am not, are → aren't(= are not), is → isn't(=is not), was → wan't(was not), were → weren't(= were not) (* am notは短縮形なし!)

さらに助動詞も否定できます。
will → won't(= will not), can → can't(= cannot) ...
canの否定形は、can not ではなく cannot であることに注意しましょう。


以上、最後の呼びかけのRaihanをつければ、この文は終わりです。

You know I don't lose battles, Raihan!
私は試合で負けないことをあなたは知っています、ライハン。

いい感じに訳せば、「俺は負けないってこと知ってるだろ、ライハン!」とった具合です。


おわりに

お疲れ様でした!特に英語初心者の人はかなり大変だったと思います!ここまでで、ほぼ英語の主要知識は出てきているので安心してください。

そしてやっと次回から主人公が登場します笑

ポケモンの旅もようやく始まるのでお楽しみに。

次の記事:


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