靴磨きトラベラー 佐原総将

1994年大阪府生まれ。「世界を足元から輝かせる」をモットーに、靴磨き世界一周の旅に挑…

靴磨きトラベラー 佐原総将

1994年大阪府生まれ。「世界を足元から輝かせる」をモットーに、靴磨き世界一周の旅に挑戦中。 フィリピンのスラム街で靴磨きをすることもあれば、ドイツの豪邸で大富豪の靴を磨くことも。基本的には靴磨きの報酬のみで生活(旅)し、野宿、あるいは高級ホテル等に宿泊。

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第1話「夢を諦めた大学時代」

野球一家の佐原家は男に生まれたからには 野球をするという宿命になっていた。 ⁡ ⁡ 家族や親戚の子ども達は学校でいい点数を取る ことよりも、野球の試合で活躍する方が褒めて もらえるような家庭環境だった。 ⁡ ⁡ 〔ちなみに私が初めて見たアニメは巨人の星〕 ⁡ ⁡ 親戚の兄ちゃんが野球推薦で強豪高に進学が 決まった時のお祝いのされ方を見て、当時小学校 高学年だった私は勉強に時間を割くのをやめて、 野球だけに打ち込むことにした。 ⁡ ⁡ 野球さえやっていれば、勉強の成績が悪くても

    • 「人口2000人の街に鳴り響く銃撃音」

      靴磨き世界一周アフリカ編156日目 ⁡ エチオピアでの目標は、部族の靴を磨くこと。 ⁡ 「こんな所で靴磨きできんのかよ!?」 ⁡ っていう場所で靴磨きするのって、 やっぱりロマンがある。 ⁡ ⁡ 私はエチオピアの南部の街「Key Afer」 という場所へ来た。 ⁡ ⁡ このアフリカ旅でいろんな場所に行ってきた けど、この辺りが最も辺鄙な場所かもしれない。 ⁡ ⁡ 街の人達は私が通り過ぎると物珍しい生き物 を見たかのように凝視している。 ⁡ ⁡ 観光客がほとんど来ない場所なのだ

      • 「ウザいととるか、面白いととるか」

        靴磨き世界一周アフリカ編155日目 ⁡ 昨日エチオピアの入国審査をしようと思ったら まさかのスタッフ全員がランチ休憩をしてとり、 2時間近く待機することになった。 ⁡ ⁡ そのタイムラグのおかげで中国人のリュウさん と出会い、リュウさんはエチオピアからケニアへ 向かう道中だったので、エチオピアのことを いろいろ教えていただいた。 ⁡ ⁡ 行って良かった街は、「コンソ」という エチオピアの国境からバスで7時間くらい かけて移動する街だった。 ⁡ ⁡ コンソからまた2時間かけて「

        • 「35ヶ国目エチオピアへ」

          靴磨き世界一周アフリカ編154日目 ⁡ エチオピアは気をつけろよ。 ⁡ ⁡ と、昨日ケニアとエチオピアの国境のモヤレ という街でケニア側の人達から言われた。 ⁡ ⁡ 昨日に限らず、これまで日本人の旅人とも アフリカでお会いしてきたが、エチオピアで 事件や危険な目にあった経験があったり、 そう言った噂を聞くことは何度かあった。 ⁡ ⁡ ちょっと緊張しながら入国審査へ向かった。 ⁡ ⁡ が、ケニア側にもエチオピア側にも スタッフがいない。 ⁡ ⁡ 通りがかりの警備員に、 ⁡ 「入

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        第1話「夢を諦めた大学時代」

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        • 靴磨き世界一周アフリカ編
          151本
        • 佐原総将物語
          42本
        • 大好きな人達
          27本
        • 靴磨き世界一周ヨーロッパ編
          215本
        • 靴磨き世界一周 アジア編
          239本
        • 靴磨き日本一周ママチャリ
          41本

        記事

          「喜ばせる合う」

          靴磨き世界一周アフリカ編153日目 ⁡ ケニアとエチオピアの国境の街である 「モヤレ」まで来た。 ⁡ ⁡ エチオピアのビザが降り次第入国しようと 思っていたが、お昼を過ぎてもビザが降り なかったので、今日はケニア側のモヤレで 一泊することにした。 ⁡ ⁡ 国境が陸路で繋がってる国は、違う国なのに 同じ地名の所があって、島国出身の私にとって は不思議に感じる。 ⁡ ⁡ モヤレもケニア側とエチオピア側に分かれている。 ⁡ ⁡ それぞれの国境に24時間体制で入国審査官や 警察を配置

          「靴磨きはコミュニケーションの道具にもなる」

          靴磨き世界一周アフリカ編152日目 ⁡ インターネットの普及により世界は大きく変わった。 ⁡ それにより新たな仕事ができたり、 古くからあった仕事がなくなったり、 以前あった仕事が進化したりしている。 ⁡ ⁡ こんなに時代が進んだのに、「靴磨き」という 仕事って意外とどこにでもあるよなぁと感じる。 ⁡ ⁡ ナイロビやヨハネスブルクなどのアフリカの都会 にも靴磨き職人はあらゆるところで見かけたが、 ケニア中央部の伝統的な部族であるサンブル族 がいるような街にも、靴修理や磨きを生

          「靴磨きはコミュニケーションの道具にもなる」

          「伝統的な部族から学ぶことは多い」

          靴磨き世界一周アフリカ編151日目 ⁡ 昨日から滞在しているケニア、サンブルエリア のある街は人口が1000人くらいだと街の人に 教えてもらった。 ⁡   Googleマップで調べても街にはホテルが 一つしかなく、他所から来た人はだいたい そこに泊まることになるようだ。 ⁡ ⁡ 街を歩いてたら、 ⁡ 「お前が日本から来た靴磨き職人か」 ⁡ といろんな人に話しかけられて、街に到着 してから3足ほど磨いたので、一夜にして噂 が広がったのだろう。 ⁡ ⁡ 歩いてるだけでいろんな人か

          「伝統的な部族から学ぶことは多い」

          「サンブル族の靴磨き」

          靴磨き世界一周アフリカ編150日 ⁡ ナイロビで出てからミニバスで少しづつ エチオピア方面に移動してきている。 ⁡ ⁡ 現在ケニアのど真ん中であるサンブル地域 にやってきた。 ⁡ ⁡ 実はサンブル行きのミニバスに乗車し、 出発を待っていたら、ガタイのいい男達 複数人に、 ⁡ 「車から降りろ」 ⁡ と言われた。 ⁡ ⁡ 指示に従って車から降りると、 ⁡ 「警察だ!」 ⁡ と言って、警察手帳的なやつを見せてきた。 ⁡ ⁡ パスポートを見せていろいろ質問に答えていたら、 ⁡ ⁡ 「

          「サンブル族の靴磨き」

          「バックパック授かりました」

          靴磨き世界一周アフリカ編149日目 ⁡ ウガンダとルワンダの国境でバックパックを 盗まれてから1ヶ月が経過した。 ⁡ ⁡ バックパッカーから手提げパッカーになって この1ヶ月旅をしていたわけだが、意外と荷物 はこんなに少なくていけるんだと驚いている。 ⁡ ⁡ パンツとシャツと靴下はそれぞれ予備1着 づつしか持ってないのだが、毎日手洗いし ながらなんとかやっていけてる。 #移動日は2日連続同じの着てる時もある ⁡ ⁡ ただ、手提げパッカーは先日引退し、 再びバックパッカーに戻る

          「バックパック授かりました」

          第42話「世界一の靴磨き職人」

          靴磨きをしながら世界一周するという夢は、 このまま終わってしまうのかもしれない。 ⁡ ⁡ 2020年の春頃の私は完全に迷走していた。 ⁡ ⁡ 世間ではオンライン化に急展開し、 革靴を履く機会も激減していた。 ⁡ ⁡ その頃は靴磨き専門店も廃業する お店がいくつかでてきていた。 ⁡ ⁡ 私が目指した靴磨き職人という仕事が、 時代によって食べていけなくなっている 現実を目の当たりにしていた。 ⁡ ⁡ 当時の私は26歳。 ⁡ ⁡ まだ靴磨きを始めて8ヶ月くらいで、 今ならまだまだ方

          第42話「世界一の靴磨き職人」

          「ナイロビCBDエリア」

          靴磨き世界一周アフリカ編148日目 ⁡ 朝6時30分、目覚ましではなく 銃声⁇爆撃音⁇で目覚める。 ⁡ ⁡ この音は聞いたことがあるぞ。 ⁡ ⁡ 宿泊していたCBDエリア〔中心地〕のホテルの 窓から外を見てみるとデモが行われていた。 ⁡ ⁡ ホテルの前の道路が燃やされていて、 通行止めになっている。 ⁡ ⁡ 2ヶ月前にナイロビのCBDエリアに宿泊した 時にもデモが行われて危険な状態であったが、 もうデモは終息したと聞いてた。 ⁡ ⁡ なので安価でアクセスの良いCBDエリアの

          「ナイロビCBDエリア」

          「後5年しか生きられないと言われていたら」

          靴磨き世界一周アフリカ編146日目 ⁡ ナイロビに来てから4度目のキベラスラムへ 行かせていただいた。 ⁡ ⁡ キベラスラムは行きたくても、行っては いけないと言われてる人達もいる。 ⁡ ⁡ 例えば日本の商社マンや駐在員の方々は、 キベラスラムのエリアには立ち寄らないよう 忠告を受けたりしているそうだ。 ⁡ ⁡ そういう背景がある中で、私は4度も訪れる ことができて幸運だなぁと思う。 ⁡ ⁡ 私は「初めまして」を広げていくよりは、 2度目まして、3度目まして、4度目ましてと

          「後5年しか生きられないと言われていたら」

          第41話「迷走する日々」

          2020年4月18日、世界一周を中断して、 日本に帰ってきた。 ⁡ ⁡ 関空に到着すると、マスクとゴーグルをつけて、 手術をする時に着るようなエプロンに手袋、帽子 を装着したウイルス完全防御のスタッフにPCR検査場 まで案内され、鼻の奥に綿棒でグリグリかき回され てPCR検査を受けた。 ⁡ ⁡ 10分ほど待機すると検査結果が出て、 陰性だったので解放された。 ⁡ ⁡ もしここで陽性反応なんて出ていたら、 ⁡ 「世界一周から帰ってきた25歳の男が 陽性でした」 ⁡ とニュースで

          第41話「迷走する日々」

          「ゴミを拾ってるんじゃない、宝広いをしてるんだ」

          靴磨き世界一周アフリカ編145日目 ⁡ 前回ナイロビに来た時に出会った 明るいホームレスのおじさんに再会した。 ⁡ ⁡ 彼は自分のことを「アーティスト」だと言い、 いつも拾ってきた物で何かを作っている。 ⁡ ⁡ 服は汚れているし周りにいる人達も同じ ような外見なので、ホームレスではあるの だが、彼はいつも楽しそうに生きている。 ⁡ ⁡ ⁡ 先日、1ヶ月ぶりに彼に再会したら、 拾ってきた物でキラキラの王冠を作っていた。 ⁡ ⁡ ⁡ 骨董品屋さんでこの王冠が売ってたら かなり高く

          「ゴミを拾ってるんじゃない、宝広いをしてるんだ」

          「子ども料金で靴磨き」

          靴磨き世界一周アフリカ編144日目 ⁡ 昨日ナイロビで路上靴磨きをしていた時に、 ⁡ 「How much?」 ⁡ と、見た目小学5年生くらいの男の子 が聞いてきた。 ⁡ 「子ども料金でええよ」 ⁡ と伝えると、 ⁡ 「How much?」 ⁡ と再び聞いてきた。 ⁡ 「子どもは無料や」 ⁡ と言った。 ⁡ 「後から請求してくるパターンじゃないよね?」 ⁡ と疑心暗鬼に聞いてきた。 ⁡ ⁡ な、なんて世界になっちまったんだ! ⁡ ⁡ ケニアの小学生の男の子にこんなことを 言わせ

          「子ども料金で靴磨き」

          「ストリートのボス」

          靴磨き世界一周アフリカ編143日目 ⁡ 1ヶ月ぶりにナイロビで路上靴磨きをした。 ⁡ ⁡ 前回ナイロビにいた時に、どこか靴磨きできる 場所はないかと模索していたら路上でコーン を販売してるおばちゃんと出会い、自己紹介を すると ⁡ ⁡ 「ここで靴磨きしたらええよ」 ⁡ ⁡ と言ってもらい、おばちゃんの横で 2週間ほど路上靴磨きをさけてもらった。 ⁡ ⁡ ⁡ コーンおばちゃんはこの辺りのストリートの ボス的存在で、おばちゃんが「OK」を出したら 誰もはむかえないのである。 ⁡