サッカーの試合をスタジアムで観ていたら、感動で気づいたら泣いていた話
3月に入ってから全部の試合を現地やDAZNで観てきたけど、試合観戦中に気づいたら泣いていた試合は今節がはじめてだった。
試合がおわった後は、ほぼ放心状態で呆然としながら帰った(笑)
6月3日(土)味の素スタジアムでのFC東京戦。
今回は、応援しているJリーグチーム”横浜F・マリノス”のアウェイ戦に生まれてはじめて行った日のことを書いておきたい。
ゴール裏への畏怖とあこがれ
わたしは3月からマリノスとオフィシャルパートナー契約締結した企業、ランスタッドに勤めている。
そして、このパートナー契約を盛り上げていく一環としても、普段は会社の複数人で日産スタジアムに試合観戦へ行くことが多い。
会社のメンバーで行くと、中にはスタジアム観戦がはじめての人も多いので、初心者でも入りやすいサイド席やメイン席に座る確率が高くなる。
だけど、わたしはひそかにゴール裏にあこがれている。
1度だけ、ホームの日産スタジアムで1階ゴール裏のはしっこの席で観たこともあったけど、まだまだ遠いなと感じたゴール裏。
私がゴール裏にあこがれているのは、チームのファン・サポーターの応援する気持ちを一手に受けてコントロールしつつ、選手たちと一心同体になって戦っている感じが伝わるから。
ゴール裏は、試合開始前から試合終了後まで、ずっとずっとチャント(応援歌)の声出しをしている。
立っている人も多くて、さらには試合中を通してずっと飛び跳ねている人もたくさんいる。
大きな旗や横断幕、バンデーラも、ゴール裏の人たちが有志で試合開始の何時間も前に持ってきて、準備している。
皆さんの体力と気力に畏怖の念を感じつつ、いつかは私も‥‥!と思うあこがれの場所。それが、私にとってのゴール裏。
味の素スタジアムで、ゴール裏の一体感を感じる
今節はアウェイ戦。ビジターたちが座れる位置は限られていた。
とはいえ、人生初のアウェイ戦でゴール裏の中心地に行く勇気はなかったので、今回は2階ゴール裏に座った。
スタジアムへの到着がギリギリになってしまったこともあって、着席してすぐに応援がはじまったのだけど、なんだかもう、その瞬間から、いつもと違うファン・サポーターの熱気を感じた。
試合終了後に知ったけど、この日にマリノスの応援に来ていた人は6,000人程度らしい。
いつものホーム試合と比べたら、たぶん半分くらいの人数だ。
6,000人でもマリノス。いつもと変わらないか、それ以上に大きいんじゃないかってくらい大きな応援。
いつも以上に、たくさんの声と熱と音に包まれている感覚があって『ああ、今日はわたしも声が枯れるくらい応援しよう!』と思った。よっしゃいこ!って、ギアが入ったのが自分でもわかった気がした。
改めて振り返ってみると、前にもゴール裏に座ったことはあったけれど、気持ちの上でのゴール裏デビューは、この味スタでのアウェイ戦だったのかもしれない。
幸先の良いスタートだったけれど
試合開始40秒くらいでロペス選手が先制ゴールを決めて、1-0に。
『今日、マリノスに波がきてるな!』って、みんな謎の確信があったと思う(え、わたしだけ?笑)
でも確信とは裏腹に、そのあとは攻められ気味のターンが続くことに。
そして、去年までマリノスにいて、今はFC東京で活躍中の仲川選手。
どんなプレイをするのか楽しみだな〜と思っていたのも束の間で、ライバルになると、スピードは早いわ、果敢に攻め込んでくるわで、怖い相手だった。
(仲川選手がマリノス側に近づいてくるたびに、マリノスには珍しくブーイングの嵐が起きて、昨日の友は今日の敵なの‥‥?って思ったけど、あれは愛ゆえだったのかな‥‥?)
攻め込まれたところをエドゥアルド選手や畠中選手が間一髪で止めたり、セットプレーでGKの一森選手チャントが続いたり、こちらの思い通りにできる時間が少なかった、前半33分。
FC東京の仲川選手からのクロスで、相手のゴールが決まり、1-1の同点に。
(このゴールがオフサイドだったかどうかの判定が長すぎて、西村選手のチャントが無限リピートされたの、最後の方はもう、なんだかおかしくなっちゃって笑ってしまったw)
西村選手に若干なごみつつ、とはいえ点を決められてしまったのは事実。
得点は並んだけど、まだ取り返せるから!と気持ちを仕切り直して応援していた前半43分、またしても相手にゴールを決められ、1-2と逆転されてしまう。
あれ?今日、マリノスに波がきてるんじゃなかったの?
期待と裏腹に、アディショナルタイム5分でも、一森選手が大活躍。完全に攻め込まれているようにみえる構図が続いたまま、前半終了。
まだ大丈夫。後半がある。
もちろんそう信じているけれど、あれ?って気持ちにもなる。
前半終了の笛が鳴った直後、真っ先に裏に帰っていく喜田選手がみえて、『どうか、ハーフタイムで調整してきて‥‥!』と祈らずにはいられなかった。
後半、決めた同点ゴール
後半が始まって、少しマリノスが攻めるような場面も出てきたように見えるものの、決定打がなかなか決まらず、苦しい時間が続いた、後半17分。
エドゥアルド選手からのクロスで、ロペス選手がゴール!!!!!!!
エドゥアルド選手、今節大活躍すぎ!ロングパス、鮮やかすぎたよね。
ロペス選手のタイミングも完璧な1点だった。そして、2-2の同点に。
全アウェイ席が沸いて、みんなの心が一つになった気がした。
ここから応援のボルテージが、一気に3段階くらいあがった。
この時点で、わたしは既に感極まっていた。
長く続いた苦しい時間帯を超えて、逆転されてしまった点数を、やっとの思いで同点まで持っていった選手たち。もう感激。
少しずつ、戦況がマリノスに傾いてきている感覚を感じた。
途中、オフサイド判定だったけど、エウベル選手がゴールを決めた瞬間もあって。マルコス選手がシュートを打ったり、マリノスが攻める時間がどんどん増えていった。
マリノス、いけるよ!!!!!
会場に来ているみんなが、100%の力でそう信じていることも感じた。
欲しいのは、引き分けじゃない
流れがきたとばかりに、どんどん応援が加速していく。
その応援に呼応するように、選手たちも攻めの姿勢を取っていく。
戦っているのは選手たちで、ファン・サポーターはただ観ているだけだと言われたら、それはそうなのかもしれない。でも。
今、わたしたちは一緒に試合をつくっている
この試合ではじめて、”本当の意味で”そう思う気持ちがわかった気がした。
同点に並んだ。でも同点。まだ同点。
わたしたちが欲しいのは、引き分けじゃない。
現在J1リーグ内で1位のヴィッセル神戸と首位争いをしていて、2位が固定化されつつあるマリノス。ここで勝って、ヴィッセル神戸との差を少しでも縮めたい。
そのためには今節の試合に勝って、勝ち点3を積み重ねるしかない。
わたしが正真正銘のマリノスファミリーになった日
同点ゴール以降、マリノスが攻めてはいるけれど、なかなかゴールが決まらない、もどかしい時間が続いた。勝ちたい思いが強まる中で、焦る気持ちもどんどん膨らんでいく。
後半42分頃。応援の声が一度途切れて、すこしのあいだ訪れた静寂。
私は脳内で、あるチャントを歌い出していた。
今こそ、この曲を歌いたいと思ったからだった。
みせつけろ横浜を この胸の誇りを
その次の瞬間、コールリーダーさんが拡声器で、わたしが思い浮かべたチャントと全く同じチャントを歌い始めた。
今まで、見よう見まねで周りの人たちに合わせて声出ししていたチャントが、いつの間にか自分の中に刻まれていたことを知った瞬間だった。
マジか!?!?と思うのと同時に、やっと自分がほんとうのマリノスファミリーになれたような気がした。
(もちろん、今までもわたしはマリノスの一員だ!って思ってたけども)
わたしの中で、そしてきっと会場にいる全マリノスサポーターの中で、応援が最高潮に達した。
そして、このチャントを歌い始めて2分。
後半44分、マルコス選手のゴール!!!!!!
90分の試合の中、先制点を決めたマリノスが、前半のあいだに逆転されてしまい、それを後半でさらにマリノスが逆転し返すというとんでもないドラマ展開。得点は、3-2になった。
なんかもういろんな感情が溢れてきて、気づいたら泣いていた。
まだ試合中で、これから長めのアディショナルタイムがあることもわかっているだろうに、もう試合が終わったんじゃないかってくらいにゴール裏の方に選手たちが集まってきて、めっちゃ喜んでるのも泣けた。
そりゃあもう、嬉しいよね。わたしも嬉しいもん。
そのあとのアディショナルタイム、8分長すぎだろと思ったし、危ない場面もあってひやひやしたけど、正直なところ、マルコス選手の逆転ゴールからの記憶がほぼない(笑)
一人ひとりがマリノスをつくっているという意識
家に帰ってDAZNも見返したけど、今節は見返すたびに涙腺がゆるむ、記憶に残る試合になってしまった(笑)
それは試合を観ていて『わたしは今、マリノスの一部なんだ。一緒に試合をつくってるんだ。』ってことを、今回、特につよく感じられたことが大きいと思う。
いろんな要因が集まって『私たちがマリノスなんだ』って、つよくつよく感じられた日になった。
そしておそらく、ゴール裏の人たちは毎試合こういう気持ちで応援してるんだなってことも、すこしわかった気がする。
毎試合、ヒリヒリする気持ちを抱えながら、選手とマリノスを信じて進んでいく。
今回、そんなゴール裏の中心の人たちの気持ちがすこしわかったことで、また一歩、わたしとゴール裏との距離が縮まった気がする。
きっと、もっと中心に近いゴール裏に行く日も近いな!(何)
とはいえ、観ている場所がゴール裏でも、ゴール裏じゃなくても、今回感じたこの気持ちは大切に持っていたいなと思った。
ご清聴、ありがとうございました。
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