コミュニケーションの取り方はオンラインゲームから学んだ
中学生の頃の私はネトゲ廃人だった。
学校や体育会系の部活を3年間続けられたのは、おそらくオンラインゲームという避難場所があったからである。
人は1つのことに1万時間費やすと一定のプロになると言われている。
私は多分オンラインゲームのプロだった。
とはいっても、私がハマっていたのは
辛うじてレベルという概念が存在するだけの、戦闘系要素ほぼゼロのコミュニケーションを楽しむゲームだった。
私はオンラインゲームから、コミュニケーションの取り方とリアルの大切さを学んだ。
コミュニケーションは、タイミングと距離感
仲良くなりたいなら、自分から近づく。
これはオンラインゲームの鉄則。
なぜなら、誰に話しかけているのかわからない人には誰も反応しようがないからである。
ゲーム上で自分の分身は、画面に広がるマップの1座標上に表示されている。
そして、マップには他にもたくさんの人がいる。
空に向かって「こんにちは」と言っても、誰に話しかけているのかわからない。
仲良くなりたい人がいるなら、近づいていって名前を呼んで話しかけるほうが良い。
もう一つ注意したいのは、初対面からズケズケ切り込んでいかないこと。
これは体育会系の部活で学んだことでもあるけど、当時の私にとって、オンラインでの会話はそれくらいシビアだった。
相手がグループで楽しく会話しているときは、いきなり新参者が入っていくタイミングではなかったし。
相手のことを質問攻めに聞きたてるのは、テキストベースだからこそ尋問っぽくなってしまう。
だからといって自分のことをいきなり語るのは不自然だから、まずは相手の話を聞くことに徹する。
そして、みんなに会話が見えてしまうマップ上では込み入った話は持ち掛けない。
コミュニケーションには、「絶妙なタイミングと距離感が大事」ということはオンラインゲームで学んだ。
お金よりも大切なのは、人との接点
中学3年間と高校の初期の間、ほとんど途絶えずオンラインゲームをしていた。
そのおかげで、ゲーム上の通貨を有り余るほどに持っていた。
そして、滅多なことで課金しない私が遊べる無料の範囲では、その通貨で買いたいものは既に全て持っているような状態だった。
長いことやってお金が貯まっていくのに反比例するように、初期に仲の良かった人たちは退会していたりログインしなくなっていたりした。
コミュニケーションゲームなのに友達が居ないのは、あまり面白くない。
その度に新しい仲良しを見つけたり、たまに新規で始めたような人とも仲良くなったりした。
個人で開催できる賞金をかけたゲームを開催して、主催者として人と接するようにもなった。
でも、その中のどれも何かが違うような感じだった。
それはおそらく、「対等」じゃなかったからだった。
私のほうが長くいて、知識があって、お金があって。
私が気にしないで接していても、相手は敬ってくれる。
でもそれは私自身というより、そこにあるスペックと仲良くしてくれている気分だった。
もちろん、対等な関係を築けた人もいたし、私が勝手に対等じゃないと思っていただけかもしれないけど。
友だちの作り方ってどんなんだったっけ?って気持ちになった。
初期に同じ気持ちで仲良くなってくれた人や、ちょっとした先輩たちとの時間は、よっぽどかけがえのないものだったと気付いた。
他の何にも不足が無かったとしても、対等な同じ気持ちを持った人との接点がないことは、私にとっては悲しく・面白くないことなのだとわかった。
オンラインはリアルを超えられない
私が永遠とオンラインゲームをやっていられたのは、その繋がりに満足できなかったからだと思う。
なぜなら、オンラインでのやりとりは所詮仮想でしかなく、画面の向こう側にある本心は量れないしリアルじゃないから。
当時はその矛盾に気付かなかったから、永遠とオンラインで人との接点を作っていた。
そうすればいつか満足できると思っていた。
本当はネカマかもしれないし、同世代だと言い張るおっさんかもしれない。
そんなのは100も承知だけど、確かめようがない。
嘘かもしれないあやふやなものを不安定に信じるしかない。
画面が映し出すものが真実かどうかなんて、私にはわからない。
だから気楽な分、心の底から満足することは無い。
その証拠に、リアルでも積極的に人と関わるようになってから、私のオンラインゲーム熱はぱたりと止んだ。
私が「本当のこと」や「リアル」に拘るのは、たくさんの「真実かわからないもの」に触れてきたからだと思う。
画面に広がる景色や、向こう側にいる人が本当に実在するのか。
私はどうしても確かめたくなってしまう。
オンラインは、リアルを超えられない。
仮想世界が広がる、これから先のこと
この数年で、VRやARが世の中に広がっている。
とある人たちの会話によれば、あと少しすると
「アフリカに行きたい」と窓に話しかければ、本物に見間違うくらいにリアルな景色を窓に映し出すことができるような世の中になるらしい。
でも、どんなにリアルな仮想世界ができても私は満足できないと思う。
そればかりか、リアルな仮想世界が増えれば増えるほど本物の世界を見たくなると思う。
手触りのある真実に触れられることは幸せだ。
それは多少大変でも、面倒でも、
直ぐに途切れたり消えてしまったりしない真実だから。
それも、ゲームから学んだ。
自分の選択はどんなことでも糧になる
オンラインゲームなんてやっても、将来のために何の役にも立たないと思っていた。
けど、時間を費やして没入した経験はどんなことであれ絶対に無駄にならない。
自分が選んだことなら、人生にとって無駄なことなんて何一つ無いんだなあと今になって思えて良かった。
私がこういう人格になったのには、案外オンラインゲームが影響していたし、大切なことはオンラインゲームから教わった気がする。
そう思うと、ゲームは悪影響だなんて一概に言えないね。
ご清聴、ありがとうございました。
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