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ピープルウェアに思うこと

自宅を会社として一ヶ月。机に差し込むひかりをレイトレーシングしても太陽にたどり着かない秋田のゴールデンウィークです。毒のなかでも桜は咲いております。

SE時代、上司から秋田の専門学校生になにか講義をしてくれと言われたので選んだのがこの本。ピープルウェア。転職回数の多さや客先常駐の経験も交え、良い仕事環境とはなにかというテーマで。

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レドモンドのマイクロソフト本社はキャンパスと呼ばれていました。それぞれに個室が与えられていて、集中できる環境としては格別でした。二ヶ月ほど滞在しましたが、気になったのはお世話になった中国人のかたが無遠慮に屁をこくことくらい。誰でもウェルカムという意思表示として扉をあけておくのが会社の文化だったから、窒息死せずにすみました。

それに対して日本は大きな部屋に椅子と机と熱と雑音とコロナウイルスを詰め込んで、そうでなければ仕事ができないみたいな顔をしています。まったくのうそ。アドラー心理学によればストレスの100%は人間関係によるものなのだから、適度に距離をおくことこそが重要なことなのです。それが仕事の効率にも関わってきます。仕事とはストレスの許容であるみたいなかたとは話が合いません。

講義のあと、専門学校生からフィードバックをいただいたのですが、「東京は恐ろしいところだと思いました」というトンやチンやカンみたいな感想もあり、目がグレースケールになったことを思い出します。ポンチーカンだったら、鳴いたら点数下がりますよくらいには言いますが。

いま、日本は社会体制の変革を迫られています。ピープルウェアは意識集中と業務効率化のためにリピータハブのようなメディア共有型のオフィスを批判しましたが、今後はおたがいの安全のために仕事環境を設計していくことになるでしょうね。顔をつきあわせないとという仮定が成り立たなくなっていくでしょう。

もともとわたしはやらざるをえないからリモートワークをやってきたのですが、時代がようやくこちらに追いつき、許容しようとしつつあります。最先端という立場を失った気もするので複雑な感慨をいだきすぎてもいます。しかし、いままでは接近戦でやらなければならなかった仕事が、どんどん遠隔地に分散されはじめるでしょうから新たなビジネスチャンスである気もしています。

集中から分散というのはなにもコンピュータアーキテクチャだけの話ではありません。

ということはまたいずれ、集中しなければダメというパラダイムに回帰することもあるのかもしれませんが、そのときにはコロナもインフルエンザも解決済みになっていなければならないでしょうね。

性病に関しては別の話です。予定はありません。

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