広げて焼いて切って炒めるコトゥの話 《夫婦世界一周紀36日目》

「豆腐百珍」というベストセラーがある。1700年代に発刊された古典料理本だ。なにがすごいって100種類すべて豆腐料理なのだ。豆腐縛りでレシピを考案しようとするから、だいぶ無茶している。豆腐を揚げてから揚げ衣を剥がして中身を茹でて食べるとか、焼いて煮詰めて揚げて田楽にするとか。それってありなの？と思うようなものが散見されるが、考えたことがすごい。きっとどれも美味しいんでしょう。

コトゥを初めて見た時、まず思い浮かんだのが豆腐百珍だった。そもそも僕はコトゥなんて頼んだつもりはなかった。いつものようにロティと言ったつもりが、身に覚えのない炒め物みたいなのが出てきて、あれって顔をしていたら「コトゥって言っただろ」と。紛らわしいです。