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テン・イヤーズ・アフター
何年前のことだったか、いつかの春の日に鎌倉まで出掛け、海岸を歩いたことがあります。
正午をすこし過ぎた頃の江ノ島電鉄はやたらにひとが多くて、それなのに怖いくらいにおだやかで。待ち合わせた駅で電車を降りると、薄手のコートを脱いでも歩けるくらいにあたたかく陽が照っていました。
程なくして、海を見に行こう、とぼくを誘ったそのひとは現れました。俯きがちな横顔が春の風に吹かれると、まるで絵画の
続きのない夢のはなし
夢のなかで、憂鬱は姿形をもって眼前に現れた。某RPGに出てくるスライムみたいな、パッと見では害があるように思えない感じのフォルムでふわふわしている。
こいつのせいで毎日眠れないしバッド入っちゃうし、もうたまったもんじゃねーくたばれや、とえらく造りの雑な(しょうがない、夢だし)鈍器を振り翳すとそいつはビビって泣き始めた。なんだかかわいそうだしおまけに結構かわいい見てくれをしているので、仕方なく
転がる犬、君に朝は降る?
昼過ぎに起きて、窓を開けてぼけーっとしていたらふと昔のことが頭を過った。どこかのライブハウスでみんながお酒を片手に語らっていた風景、そしてそこに集まっていたひとたちのこと。1年前や2年前の夏ってどうしていたっけ?とか、そんな他愛もないことを考えながら、メンソールの煙草を2本吸った。
それから思い返した、大切なこと。
髪の毛がそれなりに伸びて、パーマもかけたらなんだか大きな犬みたいな見てく