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雨へ

そんなに泣いてどうしたの

なにかあったの

なんでそんなに泣いてるの

ポロポロと大粒の涙を流しては

悲しい顔をして

君の涙で少し髪がうねる

大粒の涙は私には抱えきれなくて

はね避けるしかなかった

ごめんね


泣き止んだと思ったら

君は消えて

君は君がいた証を至る所に残してく

君が泣き止んだ後は

なぜか花がいつもより火照っていて

新緑がまぶしくて笑ってる

君が泣き止んだ後は

なんだか上を見上げたくなる空で

音もなくともスキップをしたくなる


でもスキップをしようとすると

君の泣いた跡がいたるところに落ちていて

どうもスキップするのは日が経ってからにしようと思わせてくる

散々泣いて

しっかり泣いた跡を残していく君を許すことが私ができる君への慰めだ


君が完全に立ち直るまでは私も少し落ち着いてるよ

ゆっくりゆっくり歩いて

君が泣いた跡をたどりながらゆっくりゆっくり世界にある美しいものを見つけていきたい

ただ道端に咲いてた花が綺麗だったとか

空がきれいだったとか

息を吸ったら泣き腫らした後のすっきりした爽快感があったこと

空気がいつもより湿っていて
それでも美味しいと思えたこと

君には恥ずかしくて言えないけど

君が泣いてくれたおかげで少し感じられた幸せを

心の片隅に残して生きていくよ


元気になったらまた教えてね。


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