緒方 硝子

百合小説を書いています。 消費されていく想い置き場。若しくは鎮魂歌。 LGBTの…

緒方 硝子

百合小説を書いています。 消費されていく想い置き場。若しくは鎮魂歌。 LGBTのL。のため、そういう記事も自然と多くなります。多分。

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語られなかった言葉たちへ

二人で行ったあの海辺の街  「こんな季節外れに来たって」と旅館の女将さんは口を尖らせたけれど 澄んだ風に煽られる松の林が青空に眩しかったね 「今度は夏にいらっし…

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巡っても巡っても

一緒に過ごした季節も来年は来ないと 君の方がちゃんと分かってたことを知って困った。 多分初めて私に本音を向けてくれた 淋しいと。 嬉しくて哀しくて淋しくてこそばゆ…

大人になると迂闊に涙を流さないことを思い知る。
誰にも言えない、だって、その言葉を発してしまうと誰かを傷つけるかもしれない。
私の葛藤を誰かに共有してしまえば、貴方も苦しむかもしれない。

だからこういう場所が必要なのだなあ。

そっと、ため息をつく場所。

1

星のない夜に

もう何ヶ月顔を見ていないだろう 一番星みたいに私の胸に輝く 君の笑顔が見たい

私を置いていかないで

想い草

思い返せば 君は君の好きなものを懸命に私に伝えてくれていた 思い返せば 遠い地で別れる時 君の瞳は曇っていた 思い返せば 私の好きなものをからかったりしなかった…

無題

同じ色の服着てきたり 同時に同じこと言っちゃったり そんな日々がくすぐったくて嬉しくて だからずっと ずっとこんな日が続けば良いのにって思ってしまったんだ

待宵時に

笑わなきゃ 笑っていなければ 正気に返ったら飲み込まれてしまう

君が

いつからだったろう 「君が、後輩じゃなかったら良かったのに」 軋む胸を押さえた。

曇天よりも

青空の方が なんだか泣きたくなる。

1

つぶやき

大人になるにつれて色んなものを見て色んなものを知るけれど 初めて見た時のあの心の震えをいつでも感じられる人でありたい 初めて知った時に心に何かを刻み付けられる人…

語られなかった言葉たちへ

二人で行ったあの海辺の街 

「こんな季節外れに来たって」と旅館の女将さんは口を尖らせたけれど

澄んだ風に煽られる松の林が青空に眩しかったね

「今度は夏にいらっしゃい」その言葉は遂に果たされることはなかったけれど

あの夏の花火大会

電車が遅れて結局私一人で見たあの大輪の花

たくさんの人で賑わったあの会場ではもう行われなくて

結局2人で花火 見られなかったね

2人で話した色んな夢 2人

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巡っても巡っても

一緒に過ごした季節も来年は来ないと
君の方がちゃんと分かってたことを知って困った。
多分初めて私に本音を向けてくれた 淋しいと。

嬉しくて哀しくて淋しくてこそばゆくて。

微笑むことしか出来なかった。

最近酔った次の日は何も覚えてないとぼやいてたのに
その日のことはちゃんと覚えてるって言ってくれて

私はまだ君の瞳に囚われ続けている。

大人になると迂闊に涙を流さないことを思い知る。
誰にも言えない、だって、その言葉を発してしまうと誰かを傷つけるかもしれない。
私の葛藤を誰かに共有してしまえば、貴方も苦しむかもしれない。

だからこういう場所が必要なのだなあ。

そっと、ため息をつく場所。

星のない夜に

もう何ヶ月顔を見ていないだろう

一番星みたいに私の胸に輝く

君の笑顔が見たい

想い草

思い返せば

君は君の好きなものを懸命に私に伝えてくれていた

思い返せば

遠い地で別れる時 君の瞳は曇っていた

思い返せば

私の好きなものをからかったりしなかった

思い返せば

思い返せば

あの日 君は何を言いかけていたのだろう

誰かに訊かれて

「年下も好きだよ」

と 背中に君の気配を感じながら言ったあの声は

震えていなかっただろうか

どんな顔をして君は聞いたのだろうか

無題

同じ色の服着てきたり

同時に同じこと言っちゃったり

そんな日々がくすぐったくて嬉しくて

だからずっと

ずっとこんな日が続けば良いのにって思ってしまったんだ

待宵時に

笑わなきゃ 笑っていなければ

正気に返ったら飲み込まれてしまう

君が

いつからだったろう

「君が、後輩じゃなかったら良かったのに」

軋む胸を押さえた。

曇天よりも

青空の方が なんだか泣きたくなる。

つぶやき

大人になるにつれて色んなものを見て色んなものを知るけれど

初めて見た時のあの心の震えをいつでも感じられる人でありたい

初めて知った時に心に何かを刻み付けられる人でありたい

それを言葉にできるのが大人なのでしょう