桜を見て泣いた日
平成31年3月下旬、朝の5時過ぎに父が亡くなりました。
身内が亡くなると、やらなくてはいけない事がたくさんあって、しばらくはゆっくり悲しんでいる暇はないという話はよく聞きますが本当にその通りでした。この日から忙しい日々が始まります。
看護師さん達は先生を呼び、死亡確認をした後に死後の処置をしてくれました。
母は、近い親戚や兄弟たちに電話で父が亡くなった事を知らせます。そして、葬儀屋さんにも病院に来て頂くように電話をかけます。
私は、病室の荷物を全てまとめて車の中へ運びます。半年間いたので、物はかなり多くなっていました。
しばらくして、葬儀屋さんが到着したので病院の霊安室へ移動してお線香をあげてから、父は車に乗りました。
今までお世話になった看護師さんにお礼を言って、病院を後にします。葬儀屋さんの車の後ろを私、そして母の車が続きます。
行き先は葬儀屋さんの霊安室。天気は快晴。道にはいつの間にか桜が咲いていました。
「ゆっくり花を見ることもできなかったな。いつの間にか咲いたんだ。」そんな事を考えながら運転しました。
ふと、看護師さんがいつか、「春になったらお父さんと皆で桜を見られるといいですね。」と言った言葉を思い出すと、突然涙が止まらなくなりました。
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