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設定と物語、どちらを優先させるべきか?(ノベルゲーム制作講座17)

判断基準は企画のテーマや主旨による。ケースバイケースである。
美少女ゲームの場合、キャラや物語を重視する場合が多い。


■企画を練る際に、必ずぶち当たる壁とは?

前回は設定を決める手順として、
「世界設定などの地盤を固めてから、物語を掘り下げていく考え方」
「物語を先に決めてから、設定の矛盾や問題点を穴埋めしていく考え方」
があると説明しました。


上記はあくまで、アプローチの方法を説明しただけです。

どちらの方法でも、企画を練るうちに設定の矛盾や物語の不備が生じます。

「男女の恋愛物語なのに、女の子しか存在しない世界を作ってしまった!」
とかですね。


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そこで必要になってくるのが
「物語を活かすために設定を変えるか」
「設定を守って物語の流れを変えるか」の判断基準です。

物語と設定のさじ加減に悩んで、筆が進まない人も多いでしょう。

小説や漫画、ゲームでは環境や状況が異なります。
そこで今回は『美少女ゲーム』における
物語と設定のさじ加減について
語っていきます。


■物語と設定のどちらを優先すべきか?

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結論から言うと、ケースバイケースです。
答えは、企画のテーマ、コンセプト、ターゲットによって異なります。


例えば、
「男女の恋愛ものなのに女の子しかいない世界観」で考えた場合、
テーマが「男女の恋愛における悲喜こもごもを描くこと」なら、
やはり「女の子しか存在しない世界」(設定)を変更すべきでしょう。

逆に「女の子しか存在しない世界での恋愛」をコンセプトにするなら、
物語を女性同士の恋愛ものに変えて、百合作品として発表します。
女性同士の恋愛を尊いと思うターゲット層に売り込むわけです。

特定の層にターゲットを絞っても、その層には厚みがあります。
「中高生向け」「女性向け「男性向け」「大人向け」でも
世界観や物語のアレンジの仕方が変わると思います。

上記のように、設定と物語、どちらを重視すべきかは
テーマ、コンセプト、ターゲットによるわけです。



■美少女ゲームは、ターゲットの好みを意識している

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内勤ライターとして、美少女ゲーム業界で15年以上働いてきた経験と、そこで得たノウハウを文章にまとめています。ゲーム業界特有の謎規則や技術解説、仕事に取り組む際の心構えなどもご紹介。応援してくださると定期的に記事が更新されます(人間だもの)