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「絵を描いちゃいけない」と思い込んでた本書きの私が物語付きの絵を描くまで

こんにちは。
作家ユニット ソラニエの尾崎レミです。
この書き出し、久しぶりだなあ。


自分の作るおはなしに、絵という表現を取り入れてみたいと考えるようになって数ヶ月。
先日、やっと作品ができてnoteにあげました!

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(Twitter用サイズで作ったので少しぼやけ…ごめんなさいー!)

今日はその振り返り。
今回はAdobe  frescoを使って描きました。
「絶対に絵だけは描かない」と決めていた私が楽しく絵を描けた、その記録を記そうと思います。


私は絵を描いちゃいけないと思い込んでいた


私は本書きで、普段は舞台の本を書いてます。
noteを始めてからはミニマム文体の短編も書くようになりまして。
お話を作って発表するということにおいて、もっと表現の幅を広げられないかとずっと考えてました。その結果辿り着いた結論が「おはなしにビジュアルをつける」ということだったんです。

でも私は「絶対に絵だけは描きたくない」と思っているぐらい絵を描くのが苦手で。学校の課題以来、全くと言っていいほど絵を描いてませんでした。
絵を見るのはものすごく好きなんです。
描けるようになりたい、そう思って選択科目を選んだり、色々したけど「絵が本当に好き」な人の絵を見たりして、話を考えるのに夢中だった私には描く資格がないんじゃないか…。
「絵かきは魔法使いだ。でもそれは憧れ。自分で描くのはあり得ない。」
どこかで、そういう想いが積もっていって。
私は絵を描くことを「禁止」していました。

しかし沢山のnoteの素敵な絵を見ていて、表現ってすごく自由なんだなと思いました。
「上手く描けない自分は描いてはいけないんだ」と思い込んでいたことに気付いたんです。
自分にとっては衝撃的な気づきでした。絵は現実を模写するものだと無意識に思い込んでいたのです。

何をするにも絵が必要になっていた私はついに、「こりゃ絵を描かないとダメだ」と腹を括りました。

絵を描くハードルを爆下げしてくれた「グラフィックレコーディング」

決めたものの、何からやろう…と暫く考えていたのですが、その時たまたまその少し前から、「グラフィックレコーディング」についての本を買って学んでいたんです。

グラフィックレコーディングとは、「会議の時に文字や絵、図を使ってリアルタイムで記録する手法」で、シンプルで記号的な絵を書いて考えをまとめたりする「ビジュアルシンキング」の中の一つ。

私は自分の意見を喋って伝えるのが苦手なのでとても興味があり、ちょっと勉強していたんです。
すごく簡単でシンプルな絵を書いてみて、「この絵なら私にも描ける!」って感動して。
それまで天のように高かった絵を描くハードルが、みるみる足元の、自分が飛び越えられる所まで下がってきたんです。
そこで自分が、「絵は上手い・味があるものを書けないと書いちゃいけない」って思い込んでることに気付いたし、シンプルな表現に触れることで、「表現ってどんな形でもいいんだ!」って気付きました。
全然関係ないことのようだったんだけど、少し前から全部繋がっていたんです。

そこから私は、「楽しく、作りたい作品を作ろう」と心に決めて毎日絵を見たり、描くことを始めました。


初めて絵から物語を考えた

お話を書く時、結構情景からイメージを膨らませたりしていくんですが、今回はまず「星を空にぶら下げてるたくさんのネコ」の絵がふと浮かんで、そこから「それはどんな話だろう?」とイメージを膨らませていきました。

絵を描く人にとっては当たり前かもしれませんが、私にとっては「すごい!!星を空にぶら下げてるって表現が文字以外でできるんだ!」という謎の感動がありました笑

ざっくり物語を考えたけど最終的な文字数がいまいち分からないため、
「下絵は楽しく何でも描く」
「その後、物語の文字を載せられる空間を空けつつ絵を配置していって、空間に入る文字数で言葉を作って物語を進行する。3枚で終わらせる」

というスタイルで作り始めました。
Adobe frescoというお絵かきツールを使って絵を書いて、Photoshopで配置を決めて文字を入れる…
最終的にそういう作業になりました。

デジタルで絵を描くのが初めてだったので、Adobe  Illustratorみたいな作り方のイメージ(自由に動かせて、配置も気軽にできる)でいたのでうわーってなりました。確かに自由に配置とかできるけど、きっとピクセルブラシを使って下絵を描く人は多いと思うから、考え方的に構図を決めてから絵を描くのが基本なんだろうなと。
でも初めてのことだらけだったので分からないことが多く、「もう絵もお話も同時に作っていってあとで調整するしかない!」ってなりました。
あらかじめ展開はざっくり決めてはいたけど、大体の文字数が全く不透明な状態で本を書いたことがなかったので、本の展開の進行度などは感覚を頼りに書きました。ピッタリ3枚に収まった時は心底「よく本書けたな…」って自分で自分を褒めました(常に自分を褒めてくスタイルです☺️)


全く参考書が出てなかったAdobe frescoとの戦い

そうなんですよ…
Adobeユーザーだったので、ソフトはfrescoにしよう!と決めたのはいいけど教科書的なものが全くなくて…。
アナログで描くのも10年ぶり(しかもその前はクロッキーとかやっていただけで、普段は本当にお絵かきとかするタイプじゃなかった)
iPadなんかほぼ触れたことないし、デジタルで絵を描いたこともないのにいきなりカンで始めるのか…
かなり絶望的な気持ちになりました笑
なのでまずブラシの違いやデジタル作品における解像度といった基本的な知識から勉強し始めました(IllustratorやPhotoshopをかじっていたので少しずつ分かってはいけました…よかった…)

描いては分からなくて調べ、を毎日繰り返し。
自分は「考え方」が分からないと物事を把握できないタチなので、いつもそこら辺を埋めたり、変化球の分からないことがやってくるとかなり調べるのに時間がかかったりする。
日々、分からないことを埋める…
調べ物をすると疲れるので、結構疲弊していきました…
この作品の締め切りは二月いっぱい。
どんどん日付が経っていく…
毎日本屋に通い、ヒントを求めて彷徨いました。
そんな中、救世主が現れたのです。

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サタケシュンスケさんのfresco使い方の動画はかじりつくように見てました。
動物たちが本当に可愛い、そしてわかりやすい。
そんなサタケシュンスケさんが本を出してくれている!!!!!

一昨日来たときはなかったぞ、と見ると、なんと3月1日発行の本。
それが2月の(確か)20日前後に書店に並んでいたんです。
速攻買って読んで、分からないことが全部理解できました。
心から感謝しました。
世の中にたくさんある「攻略本」にも。誰か書いてくれる人がいるから私たちはスムーズに学ぶことができるんだな。
何かを研究し、それをまとめてくれる人のことを心から尊敬しました。

それから、毎日アナログで絵を描いてはそれをデジタルにして。
大変だけどとても楽しく制作し、作品が完成しました。


まとめと感謝

絵を描くのをあんなに拒絶していたのに、とても楽しく絵を描けたのはnoteの人たちのおかげです。
今後も沢山の表現に触れて、自由にやりたいことをやっていきたいなって思います!
次は自分が見かけた花を日々描いてnoteに載せようかなって思ってます。
もちろんお話と絵の表現もまたやりたい。

絵描きは魔法使いだ!


長いのに、最後まで読んでくださってありがとうございました!

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