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【短編小説】黄泉の街

光の中を走る。

眩しくて目を細める。

太陽は限りなく地上に近く、今が朝なのか夕方なのか分からない。朝にしては陽の光がオレンジ色すぎる気がするし、夕方にしては陽の光が白すぎる気がする。

思い出せない事が多い。

なぜ自分は、今こんなところを走っているのかわからない。

街はいつも通りだ。

自分だけが異質な存在だと、誰にも言われていないし、

死の淵を行ったり来たりしているのを思い出すのは、しばらく経ってからだ。


おわり

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