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20240712 CDってこんなに音が良かったんだ・・・90年代以降の音楽の聞き方の個人的変遷

先月、仕事部屋を片づけていたときに、ポータブルCDプレーヤーが出てきた。
昨日、久しぶりに電池を入れて、これでCDを聴いたら、音が良くてビックリしたのだ。

自分が持っていたのは、松下のもの。
表面上のブランドはパナソニックってなっていたけれど、説明書などには「松下電器」って書いてあったし。
おそらく購入したのは、1998年くらいだったかな。
当時、兵庫県に住んでいたので、ダイエーか星電社(今はどこの電気販売店のグループになったのだろう?)で購入したかと思う。

当時の音楽環境は、SONYのCDラジカセを使っていた。
これが、光出力の出来るタイプだったので、型落ちの初期の頃のSONYのMDウォークマンも購入して使っていた。

バブル後のCDラジカセなので、機能はかなりそぎ落とされたものではあったが、光出力など当時の他の機器との連携がとれるものにはなっていた。

音楽は部屋でも聴いていたが、一番音環境を改善したかったのはクルマの中だった。
当時乗っていたクルマは、カセットデッキしかなかった。
そこで、MDウォークマンを購入した事をきっかけに、LINE出力から疑似カセットテープへと変換するアダプター(そんなのもあったよね)をジャパン(さわやかおやじのさわやかジャパン♪)で購入して、クルマで聞くようにしたのだ。
これで、カセットテープよりもダビングが短くなり、そして音もよくなった。
何せ、CDからカセットテープにダビングするとなると、再生する曲の長さだけ時間がかかる。
それから、カセットテープとMDでは体積がかなり小さくなった。
そんなこともあって、遅まきながらMDを購入したのだ。

丁度その頃、手伝っていた演劇部でもMDプレーヤーやデジタルサンプラーを使って音響を流すようになったから、そんなことも重なっていたと思う。

ところが、MDで音楽を聴いた後に、頭の中に「?」がいっぱいになった。
音は確かにいい。
でも、何だか音がスカスカ。
CDで購入したアルバムとMDでも売られていたアルバムをたまたま両方購入したことがあったのだけど、これがぜんぜん違ったのだ。
メディアの大きさがCDよりもMDになったことで小さくなるが、その分デジタル信号が圧縮されていて、音がスカスカになっていたということには後々気がついた。
もっと圧縮する技術が、MD-LPだったと思う。
当時のことを振り返ってみれば、MDが出始めの頃は、ミュージシャンのアルバムはCDとカセットテープ両方が売られていた。
その流れで、カセットテープからMDへとメディアが代わったのだろう。
今は、CDさえ売れない時代なのに。

そんなことがあって、わざわざアルバムをダビングしなくてもそのままCDを持ち出した方が、音がきれいで幸せなんじゃないだろうか?
そう考えて、ポータブルCDプレーヤーを購入したのだ。
MDウォークマンなどは2〜3万円したと思うが、これは1万円しなかった。
ちなみに、「CDウォークマン」というのは、SONYの登録標章なので松下の製品ではそのように呼ぶことが出来ない。
でも、持ち歩きのプレーヤー自体はどこのメーカーのものでも、「ウォークマン』って言っていたような気がする。
それくらい、ウォークマンのインパクトってでかかったんだろうな。

そうした環境が2000年くらいまで続いた。
さらに時代が進んだのは、PCでWindows98を使うようになってから。
このPCを買ったのが2000年。
このころのPCには、CD-RやCD-RWに記録することが出来るようになり始めていた。
パソコンのHDDもようやくGBの単位に代わってきたくらいで、大きな容量のファイルはMOに保存していた。
MOは読み書きが出来るメディアではあるが、機械が高かった。
これが、普通のCDスロットに書き込む機能が追加されたことで、MOは必要なくなったのだ。
で、これが出来るようになったことから、CDをリッピングしてCD-Rに焼くことが出来るようになったのだ。
これが出来るようになったことで、リッピングしたテープを並べ替えることで、昔のカセットテープやMDの様に曲順を自分の好みにしたディスクを作ることが出来るようにもなった。
そうすると、ますますMDの出番がなくなる。
新しいMDの機械を購入する気はなくなり、通勤のかばんの中にはこのCDプレーヤーがずっと入っている状態になった。
クルマも買い替えたことで、CDプレーヤーがついているものになったので、CDプレーヤはクルマと通勤という両方の場でいつも使っていた状態から、電車で出掛けるときの持ち物へと変化した。

しかしながらこうした状態も、数年で終わりを迎える。
iPodの登場だ。

iPod開封の儀

2004年の5月、使っていたWindows98が壊れた。
壊れたと同時に、Windowsに見切りをつけてマックへと乗り換えた。
iBookG4という白色のポリカーボネート筐体のノートパソコン。
これに、今のMacからは消えてしまったiTunesが入っていた。
これを使うようになったことで、さらに音楽の管理が出来やすくなった。
そうすると、発売されてウォークマンから携帯音楽市場がガラッと移っていくきっかけとなったiPodが欲しくなる。
2004年の8月にiPodを購入したのだ。
20年前のこと。
ここから、それまで持ち歩きに使っていたポータブルCDプレーヤは使わなくなってしまった。
家の中で音楽を聴くときは、CDラジカセを中心に使っていたが、持ち運ぶ音楽はCDからiPodへと代わったのだ。

iPodを3台買い替え、そしてiPhoneの容量が増えたり、iCloud、Apple Musicとサービスが充実されるにつれ、ますますCDは使わなくなった。

メディアとしては、CDもデジタルだし、iPodから始まるリッピングしたデータやApple Musicの楽曲もデジタルではある。
しかし、圧縮された音になれてしまっていたのだろう。
だからこそ、CDの音の良さにビックリしたのだ。

何年か前から、CDをリッピングしてデータ化し、CDは場所を取るからと処分するというような話をよく聞くようになった。
しかも、質の悪いCDの場合やCD初期の頃のディスクだと、保存が悪ければCDのポリカーボネートが劣化してしまって聴くことさえ出来なくなるなんていう話も出てきている。
自分の場合、CDは今まで一度も処分したことがないから、購入したディスクは全部手元にある。
また、一応ディスクを見ても劣化している状態にはなっていないので、聴けなくなったCDは今のところ見つかっていない。

とにもかくにも、ちょっと嬉しい発見でもあった。
20年以上前のプレーヤがまだまだ大丈夫なのだ。
CDで音楽を聴くことを復活させようと思っている。
それはそれで、自分にとって豊かな時間になることは間違いない。

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