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古道具を楽しむ #4 氷コップ
氷コップとは、読んで字の如く
かき"氷"を食べるための"コップ"
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古物ファンの間ではわりとポピュラーなコレクタブルアイテムだ。
1.氷コップとは
氷コップ(こおりこっぷ)とは、戦前の日本でよく用いられた、かき氷を主とする氷菓専用のガラス器である。
当店でも数点の取扱のある氷コップ。
明治の発生当初は宙吹き技法で造られていたものが主流。
その後型ガラス(プレスガラス)と大量生産の行いやすいよう機械化、工業的に発展していく。
発展の中「あれ?昔の氷コップって制作技術って凄くね?」と古き氷コップが再評価され、今に至る。
発生 → 発展とともに工業化 → 発生時の技術の再評価 → コレクタブルアイテム化
※古物はこのような経緯で評価される流れが多い
流通網が未発達であった当時下にありながら、日本全国で見受けられるのも特徴だ。
特筆して面白いのは発生の時点では雑器だった部分。
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もちろん当初より高級品として製造されたモノも存在はするがそれも含め使い捨て且つ回し使いする器。
それゆえ発生当初よりマニュファクチャ化されていたわけではないため、製造主や作られた地域・工場、使用される区域が全国区となった経緯などがいまいちはっきりしない。
僕の知るコレクターさんや業者さんはそこに関して各々自分の見解を述べる。
それら意見をぶつけ合うのも古いモノの楽しみ方のひとつだ。
wikiにも記述があるが、骨董業界では戦前の吹きガラスによって製造されたモノしか高額売買対象としての美術的評価がなされない。
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比較的安価
氷コップは、主に3つのポイントで美術的価値(販売価格)が決まる。
形・色づかい・文様
2.形
形は
主に4種類 なつめ ベル 碗 ラッパ
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手持ちの画像にはラッパが存在しなかったため描いてみました
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また、碗形やなつめ形の派生で輪花というものも存在する。
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フリルと表現する場合も
どの形だから珍しいということではないが、ラッパは高級な造りを施されることがおおい、なつめと碗も複数色を使うことが多い。
単色であることが多いベル形が一番ポピュラー。
3.色づかい
縁には赤、青、緑などの色が入る。
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また、赤や色の下に白が入る(白暈し)こともあり、ものによっては脚部(ステム)が異なる色で形成されているものも。
また、発色のためにウランが使用されている場合もある。
縁の白暈し、ステムが異なる色の特徴を持った場合が以下のようになる。
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と呼称されることも
ぱっと見無色でもウラン発光する場合もある。
また、同じ色、例えば赤色でも手法によってキレイに発色している・していないという場合もあるため、そこを加味して価格設定する業者さんも多い。
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色が多いほど手が込んでいる、そのため美術的価値も高くなる。
4.文様
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主に乳白で表現される胴の部分。
この表現や希少性によって大分評価がわかれる。
最高級種であると象嵌の技法を用いられることがある。
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(鱗と称されることも)
商品タイトルをつけるなら
"赤縁 乳白桜文様 青脚 なつめ形 氷コップ"
といったところか
乳白による七宝、輪線や水玉、千鳥文様や象嵌によるマーブル、花の図など様々。
おそらく未だ確認されていない文様もある。
未知の発見は骨董商とコレクターの見果てぬ夢…
ここまで紹介した部分のほか、足の太さがどうとか、ベル形なら反り方がどうだとか…
この辺りは倒錯的すぎるので割愛しよう。
5.つかって楽しもう
残念ながら骨董ブームがすぎた令和の世の中。
年々氷コップの売価は安くなっている。
戦前の吹きガラスの氷コップも"フチのみの単色"であれば10,000円を切る売価のものも多い。
戦前〜戦後の型ガラス(プレスガラス)で作成されたものなら数千円で手に入る。
↓当店では型ガラス(プレスガラス)による氷コップも取扱中↓
かつて雑器だったものを、現代にもまた雑につかってあげる、というのはモノにとっても本望ではないだろうか。
ガラス製品ゆえの壊れやすさを除けば特段使用に際して注意する点もない。
本日7月25日は誰が決めたか"かき氷の日"
当時の日本は今ほど暑くはないだろうが、冷房のなかった頃に食む氷は格別であったろう。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/83344541/picture_pc_68753a6176f358b2724d9602307ff454.jpg?width=1200)
↓氷コップの取り扱いもございます、道具屋ホリデイズに関して↓
↓この記事を書いたのは僕です↓
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