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ぼくのエリ 200歳の少女

あらすじ:ストックホルム郊外で母親と暮らす12歳のオスカーは、学校で同級生にいじめられていた。ある晩、彼はアパートの隣の部屋に引っ越して来たエリという少女と出会う。同じころ、近くの街では青年が逆さづりにされてノドを切り裂かれ、血を抜き取られるという残忍な殺人事件が起きる。 

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ヴァンパイアものが大好物なのですが、想定以上の残酷な童話でした。12歳のオスカーとエリを通して透けて見える日常の世界は残酷そのもの。その残酷な世界を二人の絆によって乗り越えていくという単純な話に終わることなく描かれているので、トーマス・アルフレッドソン監督は只者ではない。最後は、ハッピーエンドかアンハッピーエンドなのか観る側の解釈が分かれる演出なので観終わった後は頭を抱えてしまう。そして、エリに付きそう男がいるのだが、この男の末路がオスカーが辿る人生を投影しているように思われ、最後は悲しい気分に陥る。 

追記:日本の映画倫理委員会に一言。終盤のモザイクは、映画の内容を殺していると思わざるえない。映画の重要な場面であり、あのモザイクのせいで観る側の解釈をミスリードさせる大要因となっている。


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