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パラサイト 半地下の家族
あらすじ:半地下住宅に住むキム一家は全員失業中で、日々の暮らしに困窮していた。友人の紹介で、長男のギウはIT企業のCEOを務めるパク氏の長女の家庭教師を引き受ける。兄に続いて妹のギジョンもその家に足を踏み入れることになり・・・。
近年、是枝裕和監督の「万引き家族」やイ・チャンドン監督の「劇場版バーニング」、ジョーダン・ピール監督の「アス」、ケン・ローチ監督の「家族を想うとき」など社会情勢を切り取った作品が立て続けに上映されている。ポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」も然りである。
今作品は「階段」「水」「雨」「体臭」を貧困層と富裕層を分断するツールとして上手く使っている。特に「体臭」はラストの阿鼻叫喚シーンに繋がる重要な要素となる。この「体臭」とは、半地下に住んでいる者の体にこびりついた「生活臭」である。この臭いは富裕層にしか気づかない。
毎度のことながらポン・ジュノ監督の脚本力、演出力には脱帽である。台詞に間合いがあるのも印象的。一瞬沈黙の間があってからの何か感情を含んだ笑みや抑揚のある台詞回しなど映画全体にテンポとリズムがあるのだ。そして、ラストの阿鼻叫喚な事件に至るまでのプロセスが中だるみすることなく緊張感を保ったまま突き進むのである。この緊張感の中にコメディが散りばめられているのだから神がかっているとしか言いようがない。
印象的なシーンは多々あるが、一番好きなのは長女が豪邸に訪問するときのシーンである。
この長女を演じたパク・ソダムが愛嬌があって大変上手かった💛
そして、ポン・ジュノ監督の常連、ソン・ガンホの演技力で映画の質をもう一段階高めている。
今作品は米HBOのリミテッドシリーズとしてドラマ化予定。『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『バイス』などのアダム・マッケイ監督とポン・ジュノ監督がタッグを組むと「ハリウッド・レポーター」などが報じている。
そして、ポン・ジュノ監督が日本で撮影構想中の企画があるとのこと。ポンジュノ監督が浅野忠信さんと広瀬すずさんの名を挙げているので、この二人が出演する企画が実現するのなら、「パラサイト 半地下の家族」のような人間ドラマを撮ってほしいと切に願う。
日々観た映画の感想を綴っております。お勧めの作品のみ紹介していこうと思っております。