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ジョニーは戦場へ行った

あらすじ:ジョーは今、野戦病院のベッドで静かに横たわっている。第一次大戦の中、彼はほとんどの器官を失う大怪我を負いここに運ばれてきたのだ。真の暗闇の中でジョーは想う。釣り好きだった父と過ごした日々や、出征前夜に恋人と交わした愛の営み……。やがてひとりの看護婦がジョーの胸に書き記した文字によって彼は外界との繋がりを持つのだが……。 

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視覚、嗅覚、聴覚、言葉、腕、足、全て失った青年による独白をどのように映像で表現しているのか鑑賞するまで想像できなかった。青年の家族や恋人との回想シーンと並行して神との対話を織り交ぜる演出は素晴らしいとしか言いようがない。今作品を監督したのは、ダルトン・トランボ。

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赤狩りで指導弾圧運動の最初の標的である、ハリウッド映画界の著名人10人(いわゆるハリウッド・テン)の中に数えられ、禁固刑の実刑判決後ハリウッドを一時追放された。そんなトランボだからこそ後世に残る名作を製作できたのであろう。反戦だけではなく『死の尊厳』までアプローチしているので、私の今まで観た戦争映画の中で10本の指に入る作品となった。


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