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ワタシは宇宙人 「封印した記憶①」 #39

あの日、カラスが訪れて来た日を境目に、わたしは不思議な出来事が度々起きるようになっていた。

その日は仕事で、とある場所に訪れた帰り道だった。いつもと変わらない見慣れた光景を眺めながら運転をしていた。

お昼の12時を過ぎていたので、途中で車を止めて田んぼと山の景色を眺めながら、持ってきたおにぎりを食べた。

あの時もこんな山が見えていたな…


不意にわたしは封印していた記憶に意識を向けた。

わたし、たくさんの人を殺してしまったんだ。


その瞬間、閉めていた蓋がパカッと外れたようだった。と言うよりは、前から空いていたのかも知れない。


わたしが誰にも話せずに、ずっと閉まっていた記憶だ。


時代の名前など知らない。

当時のわたしはある国を治めるひとりの女だった。当時はこの日本には他にもそれぞれの国を収める者がいた。

わたしが生まれる以前からこの国は、北の方角にある国と長いこと争いが続いていた。


わたしが住んでいた場所からみえた景色はこのような感じだった。

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階段が続く木造の建物にくらし、そこからの眺めはとても良かったが、わたしはいつも引きこもっていた。


わたしはいつも天と対話をしては、それを人々に伝えていた。わたしは女だったが、結婚をすることが許されず、子どもはいなかった。でも、その国の人々皆がわたしの大切な家族だった。

どこかで赤ん坊が生まれると、必ずわたしのもとへ連れて来て、天へ挨拶をして健やかに育つよう祈りを捧げる。

病があるときはわたしのもとへ訪ねてきて、わたしは薬草を調合し持たせてやった。

年に2回、太陽の始まりと終わりの時を告げると、その日は朝まで国をあげて宴を行う。

嵐の日は前もって風を読んでは知らせ、日照りの日は雨雲を呼んだ。いつも天と対話をしていた自分がいた。

小さい頃から、天からいつも言われていた事があった。

裏切りがあるぞ。建て直しには必要な定め。辛抱し、必ず堪えよ。後に新しい世が来る。


ざっくり言えば、こんな内容だったと思う。わたしはいつそれが来るのかなんて、とんと検討もつかなかった。

わたしは、それを乗り越える自信がどこかにあった。

ハズだった…


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