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AppleやGoogleなどが積極導入する「デザイン思考」って一体何?

デザイン思考を身につければ、課題発見、課題解決の質が上がります。今日は、超一流グローバルカンパニーが導入する思考のフレームワーク「デザイン思考」について分かりやすく説明します。

導入事例

近年、ビジネスで頻繁に用いられるようになった「デザイン思考」。
AppleやGoogleなどの一流グローバルカンパニーをはじめ、多くの企業がこの思考フレームワークを活用しています。

また、国内の新卒採用プロセスにおいても、例えば、Panasonic、住友商事、電通などが「デザイン思考テスト」を導入しているそうです。

参考:https://design-thinking-test.com/


デザイン思考とは

デザイン思考(Design Thinking)とは、主に問題解決や革新的なアイディアの発展に焦点を当てたアプローチやプロセスの一種です。デザイン思考は元々、製品やサービスのデザインにおいて使われることが多かったようですが、現在ではビジネスや組織のさまざまな側面で広く応用されています。

主なメリットとして、以下が挙げられます。

・革新的なアイデアの創出やその活性化
・顧客中心のアプローチが可能


なぜここまで注目されているのか

その背景として、以下の3つが挙げられます。

1. VUCA時代の到来

今後、私たちはVUCA時代を迎える(既に迎えている)と言われています。
VUCAとはVolatility(変動性)Uncertainty(不確実性)Complexity(複雑性)Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった造語です。

簡単に言うと、先行きが不透明で将来の予測が困難な時代の現代社会のことを指します。

それに伴い、ビジネスにおいても、今までの成功法が通用しなくなってきています。IT革命、生成AIの普及、新興国の爆発的成長などなど、多種多様なニーズがスピーディに移り変わりゆく時代です。

このようなVUCA時代において、新たな価値を届けていくイノベーションが求められています。

2. 顧客視点の考えの高まり

戦後の古き良き日本は、製造業(メーカー)を中心に栄え、世界の時価総額ランキングを総なめしてましたが、今はというとアメリカや中国にすっかり逆転されています。

従来は通用した「良い商品」を追求すれば「売れる」だろうと言うプロダクトアウト的な思考が通用しなくなっています。

海外の人が言う「日本の製品は品質が良いよね」というのはもはや誉め言葉ではないという見方もできると思います。

結局のところ、「売れる商品」が「良い商品」なのです。顧客は自身のニーズを満たすor満たすと思わせてくれる商品を購入するわけなので、その点、アメリカとかは特にマーケティングが上手いですよね。GAFAの一角Amazonでは社内で「Customer Obsession(顧客起点)」という言葉を口酸っぱく言われるみたいです。

さらには、「商品価値」だけでなく「購買体験」そのものに重きを置く考えも主流になってきていますよね。

3. 課題発見の質>課題解決の質

近年多様化するニーズに伴い、課題解決の質よりも課題発見の質が重要視されています。

「そもそも本質的な課題ってAじゃなくてBじゃない?」ってことですね。

間違った課題Aにリソースを割いて、終盤に差し掛かって課題Bの存在が浮彫りになることもあるあるだと思います。もちろんそれで軌道修正できればいいのですが、期限も迫ってるし、今更、、なんて思いながらソリューションの質が下がってしまうって感じです。

どんなに課題解決(ソリューション)の質が高くても、そもそもの課題が検討違いであれば、無意味になってしまいます。


具体的な5つのプロセス

では、デザイン思考における5つの具体的プロセスについてご紹介します。

筆者作成

①共感

顧客が実際に商品を購入する体験や商品を使っている様子を観察したり、設定したペルソナになりきって、同じ体験をしてみるという感じですね。そこから、顧客が感じるであろう不満点を見つけていきます。
ここで大事なのは、「共感」するレベルまで顧客になりきって不満を見つけるということです。そのためには先入観を排除しなければいけません。

②定義

さて、ステップ1共感で見つけ出した顧客の不満をもとに課題を定義する段階です。顧客が本当に求めていることが何かを考え、本人自身も気づかないような課題を設定できるといいですね。

③概念化

ステップ2で定義した課題を解決するためのアイデア出しをする段階です。まずはブレストだと思って、質より量を意識するといいでしょう。ここでは心理的安全性が大事になります。

④試作

さて、ステップ3で出したアイデアをもとに、試作の段階に移ります。
あくまで試作なので、完璧に拘らなくてもいいのです。

⑤テスト

ステップ4の試作を分析し、ステップ2で定義した課題が解決できているかを確認します。改善点が見つかればブラッシュアップします。
ここで課題解決に結びついているかをっしっかり確認することがデザイン思考の重要なポイントとなります。
顧客ニーズと乖離した自己満足なソリューションになっていないか注意が必要ですね。

以上がデザイン思考における5つのプロセスになります。
全ての起点が顧客になっていることがご理解いただけたでしょうか。

実際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 共感の段階で先入観を排除すること

  • 概念化の段階で心理的安全性を確保すること

  • テストの段階でしっかり課題に即した解決策になっていること

まとめ

デザイン思考は、VUCA時代において組織やビジネスが直面する激しい変化と不確実性に対応するための重要なアプローチです。

この思考を活用できれば、課題発見と課題解決の質が高まり、ビジネスのスピードはグンと上がります。

是非活用してみてください。

ここまで読んでくださりありがとうございます。


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