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君はもっと才能を伸ばせるのにもったいない。
去年の11月。小雨が降って寒い日。小学校の吹奏楽部の先生に約10年ぶりに再会した。
最後に会ったのは中学1年生だったような気もするが、少なくともそれ以来は会っていない。約10年も経ってしまったなんて信じられない。あっという間だ。
小学校5年生の僕は、野球部に入りたかった。阪神ファンだし、週末になれば父親とキャッチボールをする少年だったし、とにかく野球が好きだった。
でも他の小学校で吹奏楽部を日本一にし、数々と偉業を達成しているその先生にまんまと乗せられて吹奏楽部に入部してしまった。小5になりたての春である。結局野球はやらない人生だった。
野球はやれなかったが、代わりに貴重な経験もたくさんできた。1年のうちに全国優勝成し遂げたし、ディズニーシーのステージで演奏する機会もあったし、同学年のもう1人と一緒にソロっぽい曲もやる機会があった。すごく素敵な経験だった。
その先生の何が凄いかと言うと、練習時間はそこまで多くないのにかかわらず、全国優勝まで持っていった点だ。編曲スキルが半端ない。その先生が北海道の小学校に教えに行くと、その小学校も全国に出てしまうようなレベルだ。
だから10年ぶりに会うと言うことが決まった時本当に楽しみだった。話したいことがたくさんあった。
再会の場所は先生が行きつけだと言う居酒屋。吹奏楽部だった男友達2人も一緒だった。
小学校の頃は真面目だった先生もお酒を飲むと、ちょっと印象も変わってくる。裏側も知ったりする。全国優勝するなんて思わなかったよなんて言われるし、小学校時代のしがらみとか、「僕のその編曲スキルに気づいてないのなんてヤバイよ。今更気づいたの?」とか笑いながら言ってくる。
その時に先生にさりげなく言われた言葉を僕は忘れられない。
「中村君。君はもっとできるのに昔から自分でこれくらいでいいやと決めつけて8割のところでやめてしまう。君はもっと才能を伸ばせるのにもったいない。」
そうやって言われた。痛いところをつかれたような気がして、頭の中で言葉が堂々巡りしていた。
確かに僕はいつもそうだ。
ブログもそれなりのPV取れればなんだか満足しちゃうし、サッカーもチームでレギュラーになれば満足しちゃったし、Twitterも3000人ぐらいになってなんだか飽きた。ギターも作曲はできなくても弾きたい曲を弾けるようになったら良かったし、センター試験も8割でいいみたいな人だ。
さすが小学生を何人も見てきただけの事はある確信をつかれた気がした。
それからと言うもの正直、その言葉を覆すほどの行動はしてないし反論の余地もない。現時点でもそう。
まさに器用貧乏という言葉が当てはまる。
いろいろなことをできるからこそ組み合わせて新しいものを見出せることもあるが、やっぱりこの人は〇〇だよねみたいな誰かに紹介できるような特徴を持たなければなと思う。
少なくとも自分の力を最大限に発揮せず、これでいいやと思うのはもう卒業しようと思う。自分は自分の才能を決めつけで途中で止める事はもうしない。
いつか、先生に「僕は以前と違います。自分の才能をいけるところまで伸ばしますよ!」と笑顔で言える日が来るように、やっていこうと思う。
おわり。
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