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身の毛もよだつホラーツアー「都市伝説タクシー」ができるまで

ソニー広報部のSTです。皆さんは、タクシーアプリ「S.RIDE(エスライド)」をご存じでしょうか?都内であればS.RIDEのロゴがラッピングされたタクシーを見かけることも多いかもしれません。タクシーアプリ「S.RIDE」はソニーのAI/IT技術を活用して開発したアプリで、運営しているS.RIDE株式会社はソニーグループ株式会社とタクシー会社5社が共同出資して設立したジョイントベンチャーということで、ソニーのグループ会社なのです!

東京都内を走るタクシーの3台に1台はS.RIDE

そのS.RIDEが、訪日外客向け没入型移動体験 ホラーツアー「都市伝説タクシー」を、10月21日~11月17日まで期間限定で実施します。

ホラーツアー「都市伝説タクシー」の体験イメージ 

この企画、ツアーの全体運営をS.RIDEが行っているほかに、タクシー車内体験の全体ディレクションをソニー・ミュージックソリューションズ(以下、SMS)、ホラーイベント企画・制作協力を方南町お化け屋敷オバケン(以下、オバケン)、音響体験制作・ディレクションを株式会社おとぎ話、車両運行を大和自動車交通株式会社、チケット販売を読売旅行と、非常に多くの方々とのコラボレーションで実現しています。さらに、ソニーからの技術・機材協力として実在感のある立体映像を裸眼で見られる27型の空間再現ディスプレイ『ELF-SR2』、独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」により立体音響空間を創り出すポータブルシアターシステム『HT-AX7』、Sound AR™(現実世界に仮想世界の音が混ざり合う新感覚の音響体験)を楽しむためのサービス「Locatone™(ロケトーン)」の3つの製品・サービスを掛け合わせて、世界でも類をみない臨場感あふれるホラーツアーに仕上げています。

都内某所にある二つの都市伝説スポットを、タクシーと徒歩で巡るツアー

このプロジェクトをリードしたS.RIDEのお二人に、「都市伝説タクシー」ができるまでのお話を伺いました。

S.RIDE(株)事業開発部 脇坂さん(左)、松井さん(右)

「移動体験事業」~移動に新たな付加価値の提供を~

ー ホラーツアーを企画した背景を教えてください。

松井さん:
2023年春に新型コロナウイルスへの危機対応が5類に移行以降、世の中の人の動きが活発化して、アプリのダウンロード数やアプリからの配車件数が大きく数を伸ばし、タクシーアプリの普及が一気に進みました。S.RIDEは、タクシー事業者との共同運営で「タクシーのつかまりやすさ」「アプリの使いやすさ」「支払いの便利さ」などアプリの基本性能の向上に取り組むことはもちろん、将来の自動運転時代も見据えて、移動中の時間と空間を楽しめる新たな付加価値を提供する「移動体験事業」を2022年から展開しています。これまで、野球観戦やミュージカル・歌舞伎などの観劇など様々なエンタテインメントと組み合わせたタクシーを走らせてきました。今回の『都市伝説タクシー』は、タクシー車内や外装だけでなく、都市に点在するスポットをS.RIDEのモビリティで巡ることで、街全体を1つのエンタテインメント空間として活用する提案をしています。

これまで実施してきた移動体験事業の一例 (左から)
● 2022年8月~9月 球団初『ジャイアンツタクシー』期間限定で走行決定   
● 2022年12月~2023年2月 観劇応援! 『ミュージカルキングアーサータクシー』が登場
● 2023年7月~9月 観劇応援タクシー『ミュージカルスクールオブロックタクシー』が登場
● 2023年11月~12月 歌舞伎座初 「超歌舞伎 超スーパーライドパック」が登場
● 2024年2月~3月 「カムフロムアウェイ ウェルカムライドパック」で忘れられない移動体験を

ー なぜ、ホラーだったのでしょうか?

松井さん:インバウンドも含めた国内の観光需要が非常に活発化しているなか、旅行消費額アップや観光客の満足度をさらに高めるため、夜間・早朝の時間帯の活用(ナイトタイムエコノミー)が注目されています。都内には公園などの”夜間遊休資産”があり、タクシー業界には夜間の空車率が高くなるハイヤー車両がある。これらを掛け合わせることで新しい市場創出/課題解決につながるのではと考えました。全世界のお客様が楽しめるコンテンツとは何か。社内で検討した際に、「恐怖」は全世界共通言語であること、国内では比較的実施は少ないけれども、「ジャパニーズホラー」は海外では知名度があると気づき、ホラーツアーを企画することにしました。

立体映像×立体音響で、車内で臨場感がありすぎる恐怖体験を

ー ホラータクシーとは、どんなタクシーですか?

松井:今回、ゆったり座れるミニバン車種のハイヤーを大和自動車交通様に用意いただきました。赤い照明で演出した特別車両です。さらに、今までにないホラー体験をしていただくために、特殊なメガネをかけずに立体映像が見られる空間再現ディスプレイ『ELF-SR2』2台と、ソニー独自の立体音響技術で3つのスピーカーを後部座席に置くだけで車内を立体音響空間にできるポータブルシアターシステム『HT-AX7』を特別に設置しています。後部座席に設置した27型の空間再現ディスプレイによって視界いっぱいに立体映像が広がり、さらに立体音響にも包まれます。これが、走行するタクシー車内だとなおさら没入感が高まるのです。

(左)ホラータクシーの外観 赤い照明で演出された車内が不気味に光っています
(中)車内に設置した空間再現ディスプレイ、一人一台のディスプレイで没入できます
(右)足元にフロントスピーカー、後部座席後列にリアスピーカーを設置、車内全体を立体音響空間に仕上げています

ー ソニー製品以外にもソニー・ミュージックソリューションズ、方南町お化け屋敷オバケン、株式会社おとぎ話などとても幅広い企業とコラボしていますね。

脇坂さん:サービス体験全体のディレクションはSMSにご協力いただいています。2022年に実施した『ジャイアンツタクシー』でお世話になったご縁があり、都市伝説タクシー用にオリジナルで撮り下ろした3Dを含む映像コンテンツの制作もSMSさんにお願いしました。SMSさんから、ツアー中に乗客がタクシーから降車し、見知らぬ夜の街を歩く恐怖体験を、Sound ARサービス「Locatone」を活用して実現するプランを提案いただいたことから、Locatoneのチームがプロジェクトに参加し、それをきっかけに、ホラー体験全体の監修をしてくれたオバケンさんや音響制作のおとぎ話さんとのご縁もいただくことになり、、、と、いつのまにか様々な人たちが集まって、<タクシーを使った没入型移動体験>という新しいエンタテインメントを 皆で作り上げることができました。

方南町お化け屋敷オバケン様より
タクシーの運転手の方は、街を走り、さまざまな方のお話を聞くことが最も多い職業の一つではないでしょうか?誰も知らないような情報を見たり聞いたりしていると思います。タクシーで複数のスポットを巡るツアーにふさわしく、また、外国から来た方に日本らしいホラー体験をしていただくことを考えて、都市伝説を題材に選びました。立体映像と立体音響をつかって、この世に存在しないものをいかにリアルに再現できるかがポイントです。また、タクシーを降車して歩いてスポットをめぐる際に、「Locatone™(ロケトーン)」のモーション機能を活用しています。体験者の歩行にあわせて音がでたり止まったりする演出で都市伝説タクシーのホラー体験を盛り上げています。タクシー×立体映像×立体音響×Sound AR™の組み合わせで、世界のどこにもないホラーツアーを楽しんでいただきたいです。

方南町お化け屋敷オバケンのオバケンさん

「没入型移動体験サービス」から「モビリティエンタテインメントサービス」へ

没入型移動体験 ホラーツアー「都市伝説タクシー」は、東京以外の地域でも展開可能です。さらに、立体映像×立体音響×Sound AR™を組み合わせてホラー以外のコンテンツとも連携できます。S.RIDEとSMSとで、企画構想からIP獲得・旅行商品化・実施・効果測定までワンストップ提供しますので、企業のプロモーションや自治体の町おこしなどでの活用を検討されている方はお気軽にS.RIDEにご相談ください!

Sound AR™サービスの「Locatone™(ロケトーン)」で聞こえてくる音声は、文字通り、現実世界と仮想世界の音が混ざり合う体験でした。あまりのリアルさに不気味さが倍増します。
怖いのが苦手な方はご注意くださいね(笑)

執筆者:広報部ST