まずは先入観をなくそう。~身近に息づく“ものづくり企業”に気づいた話~

「EMC……とは……???」

それが、入社後の正直な感想だった(感想にすらなっていない)。

前職では6年ほど、フリーペーパーで紹介する街ネタの取材や広告営業に奔走。その後、紙からWEBへと仕事の場を移した私は、転職早々出合ったこの「EMC」という未知の言葉に、ポカンとしてしまった。

■不安しかないスタート

ざっくり説明すると、「EMC」とは、機械や電気などの機電系メーカーを始め、化学系メーカーや建設会社、メディカル系企業などの領域を指す。いわゆる「ものづくり企業」も含まれ、転職サイト内の分類でも見かけることがあるかもしれない。私がライターとして取材を担当することになったのが、このEMC領域。「専門知識ゼロ、文系人間の自分にはハードルが高すぎる…。EMCって言葉がまず難しそうだし、ほんとに大丈夫?」。そんな不安しかないスタートだった。

■気づきが重なって

ところが、当初の不安やモヤモヤは思わぬかたちで解消され、興味へと変わっていくこととなる。
ある日、自宅マンションのエレベーターに乗り、ふと顔を上げると、見たことのある名前が。それは偶然にも、取材を担当した企業の製品だったのだ。「まさか、こんなところに…!?」思わずニヤリとした自分の顔が、防犯カメラに写ってなかったかだけが心配だが、仕事と生活が結びついたうれしい瞬間だった。

町工場への取材も、良い刺激となった。ものづくり企業といえば、ドラマ「下町ロケット」のモデルとなったような小さな町工場を連想するだろう。実際、そうした工場に足を運ぶことも多く、製造現場を目の当たりにしながら「この部品は…」などと説明を受けると、それらがいかに暮らしと密接しているかを実感した。何より、仕事や会社に誇りを持っている社員の姿が、「ドラマだけの話ではない」と感じられ、ワクワクした。

■一歩、踏み出すためのコツ

最初こそ、「自分には縁もないし、きっと向いていない」と思い込んでいたEMCの世界。だがそれは、単なる先入観でしかなかった。周りを見渡せば、思った以上に身近なものだと知った。私は今、これらの業界にライターとして関わっているが、もし、興味があっても一歩踏み出せないという人がいれば、「あなたの周りにも、ものづくり企業の仕事がたくさん息づいているんだよ」と伝えたい。

転職活動に不安はつきもの。「自分には無理」「挑戦しても失敗する」そんな思いが渦巻くことも、一度や二度ではないだろう。ただ、凝り固まった先入観を取り払うことで、意外な気づきを得たり、可能性を広げたりするきっかけになるはず。まずは、先入観をなくすことから。これはずっと、自分にも言い聞かせている。


■この記事を書いた人
NAME:柿のタネ
泥臭い飛び込み営業と街ネタ取材という、「足で稼ぐ」タイプの仕事を新卒から6年経験。現在はWEBライターとして、クリエイティブ脳を必死に鍛え中。最近、ミニベロを買いました。



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