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九話 保健室の先生

「先生、私どうしたらいいんだろう?」
私は涙を一雫流し、先生を見た。
今の涙完璧だったと思う。
「少女よ!大志を抱け!!」
先生は私を、がっしりと抱きしめ言った。
???どう言う意味だ?
「真島、お前はあれだろ?魔界に居たんだから悪魔に会いたいんだろう?」
会いたいのかな?記憶が曖昧で悪魔の姿もあんまり覚えてないが。
「保険医が言うのもなんだが、家出して会いに行けばいいじゃないか!」
会いに行く!?会いに行ける悪魔…!?アイドルじゃないんだから…。
「学校も嫌で、勉強も嫌。家族に無理やり精神病院に入れられそうになっている…」
先生はタバコを揉み消し難しい顔で言う。確かにそうだけど…。
「だったら家出だ!外に羽ばたいて知らない世界を見聞するのも青春だぞ!!」
青春かぁ。大人が言う青春って何故か心に響かないよね…。
でも、家出はいいかもしれない。早ければ明日には精神病院に入れられてしまうかもしれないし。

「青い春!青春!真島いいなぁ若いって!!」
先生はかなり熱くなっている。どんどん顔が近くなってくるんだけど。
「先生は若くて可愛い女の子が大好きだぞ!」
トンデモ発言しちゃったぞ先生。
そのまま目を閉じ、私にキスしようとする先生。
「先生!キスはダメ!だって私まだ恋も知らないんだもん!」
私は慌てて、先生を押しとどめた。

「恋も知らないうら若き乙女よ!好きだ!好き好き!」
ヒートアップした先生は私を抱きしめ、私の身体を弄り始めた。
「あぁっ!ダメ!先生ダメ!私生徒だよ!?」
「生徒なのも今日までだろ?いいだろう?いいじゃないか?」
なんか先生、迫り方がおっさん臭いんだけど。
息もタバコくさいし。
「だめぇ先生!本当にだめですぅ…」
私は一応、拒絶のポーズをとった…。
「真島!好きだ好きだ!」
「先生名前で呼んで…!名前で!」
「乃亜!乃亜!好きだ!」
先生は名前で呼んでくれて、私を保健室のベッドに押し倒した。
今度は私の足を丹念に撫で回す。
「綺麗だ。乃亜の足すごく綺麗だ」
「先生、綺麗なのは足だけ?」
意地悪く私は先生に問いかける。
「乃亜の顔、乃亜の腕、乃亜のお腹、乃亜の背中全て綺麗だ!」
そう!私はあまりの美しさに天界を追放された美の堕天使ノア!
と叫びたかったけれど、流石にやめた…。

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