【呼吸を整える】:自己啓発とヨガ

私が人に何かを伝えられるとしたら、自分が経験したことしかない。私は社会人になって5年間ヨガのインストラクターとして働いていたこと、店舗の責任者を任せてもらったり、店舗内のインストラクターの育成をしていた経験は、きっと何かに役立つはずだ。学生時代に学んだことや、海外生活での経験も踏まえながら自分の経験を通して、”知る、学ぶ、変わる”きっかけになれたらと思う。

まず、一番はじめにやるべきことは、『自分の呼吸を整えること』である

みなさん、呼吸をしていますか?

この文章を読んでいるあなたは、呼吸ができているはずだ。一時的に自分で呼吸を止めていない限り。その呼吸は自分でコントロールしているものだろうか?

呼吸は自分でコントロールすることもできるし、勝手に働いてくれているとても便利なシステムだ。その呼吸に着目してみるといろいろなことがわかってくる。

怒っている時、興奮している時、人は呼吸が短くなり荒くなる。穏やかでいる時、自分を落ち着かせたい時は呼吸は長く深くなる。お風呂で身体が緩んでいる時は呼吸は長く深い。ジョギングなどで全身の筋肉を使っている時は呼吸は短く荒い。どちらが良いとか、悪いということではない。感情や身体の状態と呼吸は常にリンクしている

その呼吸を観察することで自分の状態を観察することができる。そして、自分をコントロールすることができる。肉体的にも、精神的にも。

例えば、何かすごく怒っていることがあるとする。その感情のまま行動していれば、冷静な判断よりは感情の方が先に働いてしまう。その時に自分の呼吸をよく観察して欲しい。もし、自分が怒っていると感じていても呼吸が荒くなっていなかったら、そこまで自分の感情には引っ張られていないということだ。もし、ものすごく短く速く呼吸をしているのであれば、自分でその呼吸を変えてみる必要がある。

★やり方はとても簡単だ。息を吐き切ることから始める。吐ききったら、ゆっくり吸う。吸いきったら同じ時間をかけて吸った空気を吐く。それだけ。

これは決して怒りを抑えるための呼吸法ではない。自分の呼吸に意識を向けて、自分の感情に素直に気づくことができる方法だ。

大切なことは、怒りを持たないことではなく、怒りという感情が自分の中に存在していることを認めて、そこから自分が本当にしたい行動を選択をすることだ。その呼吸をしても目の前の相手を殴りたいのであれば、殴ればいい。


なんだかやる気が出ない。そんな時もある。それでも、やる気を出したいときは?呼吸を短くすればいい。

★まずは息を吐き切る。吐いたら、大きく息を吸う。吸いきったら、お腹をペコペコさせながら短く息を吐く。リズミカルに30回。終わったら深呼吸をする。


呼吸は自分の状態を教えてくれるもの。呼吸を知ることができれば自分を知ることができる。そこから自分の意思で呼吸をコントロールする。呼吸を自分自身で整えていくことで、自分の状態をいつでもニュートラルな状態へと導く。

つまり、呼吸を通して自分をよく知る。ニュートラルな状態へと導くことが、自分を変えるはじめの段階として必要なことなのだ。

自分の状態をよく知らないままでは、どんなに自分を変えようと思っても変わらない。もしも、今の自分から何かを変えたい!もっと成長したい!と思うのであれば、呼吸を整えることを習慣にすることをお勧めする。


ここからは、私の体験談だが、ヨガで呼吸法を学んでから人間関係をうまく築く事ができるようになった。自分の呼吸を観察すれば自分の状態もわかる。そのこととと同じように、相手の呼吸の状態を観察すれば相手の状態に気づく事ができるのだ。これは、部下との面談の時に大いに役に立つ。話し始めに呼吸を観察する。呼吸が早ければ緊張しているか、何か話したいネタを持っているということだ。どちらにせよ、私は穏やかな状態から始めたいので”考えさせる話を振る”例えば、今日の朝ごはんや、昨晩の食べたものなど、なんでもいい。相手が少し考えて答えの出る簡単な会話を少しする。考えている間に呼吸は落ち着いてくる。

もう一つポイントがある。相手の呼吸が速く荒ければ、自分の呼吸をいつも以上に長く深くして話すことだ。この方法はとても良い。自分の呼吸を落ち着かせることにまだ気づいてなくても、近くの人の呼吸に連れられて呼吸が自然と変化していくことがある。呼吸は同調する性質も持っているらしい。(私が考えるに、波動の法則だ。いつかこの内容にも触れていきたい。)

もし相手にやる気を出させたいのであれば、相手が楽しいと思うネタを盛り込んで話すことをお勧めする。話す量も相手が8割くらいになるようにする。話す量が多ければ、呼吸も早くなるからだ。

呼吸は自分を知るだけでなく、相手のことを教えてくれるツールでもある。もちろん、これは私の経験から得たもので、どの相手にも響くものかはわからない。ただ、この方法を私は知っていたおかげで一緒に働くチーム力は結果として上がった。

ヨガのインストラクターとしての経験でも、呼吸の観察はとても役に立つ。強く大きく身体を使ってもらいたいときは、短く早く自分が呼吸する。相手にリラックスしてほしいとき、ゆるやかに筋肉を使って欲しいときは、自分の呼吸も深く長くする。私はよく自分の声を録音してなんども聞いた。その言葉と呼吸で同じように感じて動けるのかを試す方法としてはとても良い。

呼吸一つで、私は自分の行動が大きく変化した。その変化は今でも貴重な経験だ。何かこのヒントがみなさんの役に立てたらと思う。呼吸に興味を持ったら、ヨガの呼吸法について深く学んでみるのもいい。でも、大切なことは、知識ではなく実践から得た自分の経験であることは忘れずにいて欲しい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?