インウェイとスオイ

63歳、元日本語講師、元司書。脚の骨を切った元ランナー。ワードローブの基本はすぐに走り…

インウェイとスオイ

63歳、元日本語講師、元司書。脚の骨を切った元ランナー。ワードローブの基本はすぐに走り出せること。 いつまでものんびりゆったり波間を漕いでいたいけれど、老母の事も心配。毎日朗らかに過ごして、楽しいことをnoteに綴りたい。 インウェイとスオイは、昔飼っていた金魚の名前。

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コスパ、タイパ、スペパ、あらパ

スーパーで子持ちししゃもが安かったので、迷わずカゴに。 ご馳走感は薄いけれど、プチプチの卵は歯応えいいし頭から尻尾まで全部食べられるし、食卓に上がるとちょっととうれしいししゃも。 今住んでいる古い戸建ての仮住まい、台所の設備も古くてガス台についている魚焼きグリルは中のトレーに水を張るタイプ。 この方式のは30年ぶりくらいに使うので、どのくらい水を張ればいいのかすっかり忘れていた。 少なすぎで空焼きになるのを恐れてちょっと多めに水を入れた。 ししゃも自体はおいしく焼けたのだ

    • 坂の途中の小さなパン屋

      今月のおはなし会で読んだ絵本の中の一冊、『ネコノテパンヤ』。 属しているおはなし会ボランティア、開催場所が区立図書館の時はその区の図書館所蔵の資料を使うという制限がある。 自分が読み聞かせしたいと思った本が区内の図書館に蔵書がなければ読めない。 それで選書は図書館で毎回やるのだが、なじみのある本の他に読んだことがない本からも何かないかなーと見つけるのも、悩むけれど楽しいひととき。 手に取ったこの本、まず表紙の絵を見て「あれっ!」と思った。 6年前に瀬戸内海のしまなみ海道を

      • 二つの音楽ドキュメンタリー : 三月の水とモンタレー・ポップ

        3月に聞きたくなるのはアントニオ・カルロス・ジョビンの「三月の水」”Águas de Março”。 ジョビンとエリス・レジーナのアルバム "Elis & Tom" 制作過程のドキュメンタリー、タイトルそのまま『エリス&トム』がブラジル映画祭in 東京で公開された。 1週間という短い期間、上映はたったの3回で観に行った日は満席。観客年齢かなり高め。 アルバムレコーディングの様子を、当時の彼らをよく知る関係者のインタビューを挿入しながらじっくり描いている。 時は1974年、

        • るきさんみたいな人 - 『すべての夜を思いだす』

          アカデミー賞、『哀れなるものたち』がいくつかの部門で受賞した。作品賞は逃したが、エマ・ストーンの主演女優賞と、あと美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ・ヘアスタイリング賞獲得はやっぱりそうだよね!と納得。 美術が本当にすばらしかったし、どういう構造になってるの?なファッションも楽しかったし、フォントからセットに至るまで細部まで手を抜かずお金をたっぷりかけて作り込まれた贅沢な映画だった。 劇場に見に行く前は、ミュージカルでもないのにドルビーアトモスでなくてもいいんでないの?と

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        記事

          占い師の身の上話

          母は占いや迷信をすぐに信じるタイプ。子どものころそれにさんざん振り回されたので、反動で私はそういうものを信じなくなった。 手相をみてもらうとか、占ってもらうとかも親元を離れてからはしたことがない。 例外はNHK0655のたなくじと、こども用おみくじのたぬくじ。毎週月曜日朝にiPhoneで引いている。 おみくじと占いはちょっと違う? 前回のnoteにも書いたが、2月後半から我が家では不運が続き、な〜んか最近シケている。 ひげ太夫のお陰で気分的には一旦盛り返したが、全ての問題が

          占い師の身の上話

          めくるめく組体操に救われた - ひげ太夫

          2月後半の我が家、悪いことが立て続けに起きている。 帰省すれば母が緊急搬送され、自宅に戻れば夫、義母、娘が次々に発熱。 夫のインフルエンザは1週間以上長引いて、唯一元気だった私はランニング中に足首を疲労骨折。 お天気も暖かくなったと思ったら冷たい雨と北風で冬に逆戻り。 仮住まい中の古い借家は結露でカビ臭い。 リフォーム工事もトラブル発生で滞っている。 いいことなんて一つもないよ! そんな澱んだ空気を一気に吹き飛ばしてくれたのは、劇団「ひげ太夫」。 コロナ禍を経て4年ぶりの公

          めくるめく組体操に救われた - ひげ太夫

          親の老いに向き合う - 母の緊急搬送と『ボーはおそれている』

          帰省中の先週土曜日、母が夜中に大量に鼻血が出て止まらなくなり救急車で救命センターに搬送された。 母は普段は血圧は正常で、血流をサラサラにする薬も服用しておらず、本人曰く「鼻血が出たのは子どもの時以来」。 宵っぱりの母、その日も12時前に入浴。先に入った私はもう寝ようとしていた。浴室から呼ばれて行ってみると母も辺りも血まみれで、転んでどこかを切ったのかと思った。 鼻からはほんとに「ドクドク」という感じで尋常ではない量の血が吹き出している。 でもその割にはしっかり意識はあり、「

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          恋のかたち -小学生への恋愛論 -

          バレンタインですね。 と言っても私は何もせず。 巷のバレンタイン商戦も、ひところよりは下火になってきているように思うけれど、気のせい? 夫の会社や取引先関連でも義理チョコは数年前からほぼ廃止になり、夫が貰ったのは親からのおかんチョコのみ。 大人しかいない我が家で愛読している毎日小学生新聞、日曜日の一面は週替わりで各界の著名人がコラムを書いている。 私が好きなのは第一週の辻村深月と第五週の村木厚子。 バレンタインがある月ということで、2月4日は辻村深月が人を好きになることにつ

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          ありがとう、柚木沙弥郎さん

          昨日の新聞で、柚木沙弥郎氏が1月31日に亡くなられたと知った。 101歳。 noteには何度も柚木沙弥郎展について書いているが、自分の中ではなんとなく仙人のような存在になっていて、この先もまだ現役で作品を生み出していかれるのだろうなと思っていた。 でも考えてみれば101歳。 101歳! 作品はもちろん好きなのだけれど、生きていることそのものを楽しんでいる姿に惹かれていたのだと思う。 それがそのまま作品に反映されていたから、展覧会ではいつも幸せな気持ちになった。 ブランド物

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          ちょっと手紙を書いてみたくなった - 『少女たちのお手紙文化 1890-1940』展

          郵便料金、今年の秋にまた値上げするらしい。 年賀状書くのをやめて久しいし、事務的な送付以外に日常の通信手段で郵便を使うことは殆どなくなっているので「また値上げか〜」と嘆くのもおこがましいが。 昔、パソコンもスマートフォンもなかった頃は、それなりに手紙書いていたなあ。どの切手を貼ろうか迷うのも、レターセットやシールを集めては友だちと交換するのも楽しかった。 町田市民文学館ことばらんどで「少女たちのお手紙文化 1890 - 1940」展。 初めて行った町田市民文学館ことばら

          ちょっと手紙を書いてみたくなった - 『少女たちのお手紙文化 1890-1940』展

          次に親になる時は小林先生みたいに - 『窓ぎわのトットちゃん』を観て

          やっと観てきた『窓ぎわのトットちゃん』。 実は前に予告で観た時、アニメの絵と声優に「あ、これは私はちょっと苦手かも」と思った。 昨年12月に友だちと自由が丘を散歩した時も、駅前再開発工事の仮囲いにプリントされた映画の数場面を見ながら、「いい映画みたいだけど私は観に行くかわからないな〜」と話していた。 原作は読んだし、アニメの方はもういいかなと。 でもこの時はまだ観に行く予定はナシ。 今年に入ってすぐ、「なんか『窓ぎわのトットちゃん』、いいって言ってる人多いんだよ」と夫が

          次に親になる時は小林先生みたいに - 『窓ぎわのトットちゃん』を観て

          親の老いに向き合う - 母の変化とクルミッ子の因縁

          新年最初の投稿なので、何かおめでたいことを書きたかったのだが、特にめでたくもないお話し。 年末年始は91歳一人暮らしの母の元に帰って一緒に過ごした。 noteには母とのことを何回か書き、「親の老いに向き合う」というマガジンにしている。 老いに伴う母の困った言動に、その時はイライラしたりあきれたりしてもnoteに吐き出せば自分の気持ちも収まり、キー!となる自分を半ば面白がる心の余裕もあった。 だけど今回はそんなのんきな気分ではもういられないと痛感。 去年までは一人暮らしでも

          親の老いに向き合う - 母の変化とクルミッ子の因縁

          赤羽末吉が見た内蒙古

          noteをやっててよかったなと思うのは、他の人から教えてもらって自分が知らない世界が開けること。 先日のmakilinさんの映画に続いて、今度は内田Sさんの記事である写真展を知り、ギリギリすべり込み。 半蔵門のJCII Photo Salonでの『写された外地』という写真展。 このサロンがある日本カメラ博物館、初めて知った。すぐ近くの半蔵門ギャラリーには行ったことがあるのに、こちらは全然気づいていなかった。 20代の頃、イギリス大使館裏の会社にアルバイトに行くのに前を通った

          赤羽末吉が見た内蒙古

          犬も役者 - カウリスマキ映画 『枯れ葉』

          引退したはずだったアキ・カウリスマキが復活するという話をmakilinさんの「アキ・カウリスマキいっき観」という記事で知った。makilinさん、ありがとうございます! 復帰後最新作の『枯れ葉』を観に行った。 カウリスマキはやっぱりカウリスマキだった。 すごくよかったー! 安定のいつもの人たち。いや、以前の作品とは設定も登場人物も違うんだけど、あの世界にまた浸れて幸せ。 『希望のかなた』に出てた2人もいたし。 と、ざっくりあらすじ書いてみたが、これだけだと何の華やぎも無

          犬も役者 - カウリスマキ映画 『枯れ葉』

          磯野家に倣って掃除用具を - 長谷川町子記念館

          古い和風家屋に引っ越して2週間とちょっと。 以前のマンション暮らしと比べると諸々不便だが、大げさだけれど「生活している」実感がある。 せっかくだから昭和の暮らしにどっぷりつかってみましょう〜、とはたき作りワークショップに参加。 場所は長谷川町子記念館。 「サザエさん」には掃除シーンがしばしば登場する。 落ち葉を掃いたり雑巾がけをしたり、年末には磯野家総出で畳を上げたり障子の張り替えをしたりの大掃除。70年代ごろからは掃除機も現れるけれど、一家が使っている掃除道具のイメージ

          磯野家に倣って掃除用具を - 長谷川町子記念館

          ただいま仮住まい中

          しばらくnoteから遠ざかっていたのは、引っ越しのバタバタのため。やっと落ち着いてきた。 高齢の義母と娘が住んでいる夫の実家(我が家からは5km)で同居することになった。そのまま無理矢理住もうと思えば住めないこともないが、物が溢れる古い家屋で使い勝手も悪いため、年明けから全面リフォームに入る。 実家が完成してから引っ越しできればいいのだが、夫と私が住んでいたマンションが売れたのでまずは私たちが先に仮住まい先の借家に入り、リフォームが始まったらここに義母と娘も越してくること

          ただいま仮住まい中