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🇨🇭スイスワインを楽しむ会のワイン

2月19日に関西日本・スイス協会主催「スイスワインを楽しむ会」に参加させていただいた。

本会で5種類の🇨🇭スイスワインをテイスティングさせていただいたので、その感想をシェアしたい。

🥂#1. La Colombe De Facto 2021(スパークリングワイン)

セパージュ(ブドウ品種):シャスラ100%
ミレジム(ヴィンテージ・収穫年):2021年
テロワール(国・産地):スイス・AOC La Cote, Vaud(Fechy)

乾杯用&アフタヌーンティーに最適🥂

アルコールが苦手な方でも難なく楽しめて喉越しもよく、乾杯用のスパークリングワインとして最適。

澱引きせず無添加なので程よい泡立ちとドライテイストに仕上がっているためワイン通にも好まれる。

エアライン・ホテルのラウンジ用ウェルカムシャンパンの代替に採用されるポテンシャルを秘めている。

個人的にアフタヌーンティーに、このスパークリングワインをあわせて楽しみたい。

🥂#2. La Colombe Chardonnay 2018(白ワイン)

セパージュ(ブドウ品種):シャルドネ100%
ミレジム(ヴィンテージ・収穫年):2018年
テロワール(国・産地):スイス・AOC La Cote, Vaud(Fechy, Mont-sur-Rolle, Saint-Livres)

ソムリエを魅了するシャルドネ

しっかりと5年間寝かせた熟成を感じるノーズとパレットが辛口で心地良いアタックと余韻を生み出す。

パッションフルーツ・アプリコット・イチジク・パイナップル・熟したキューウィフルーツとアップル・火打石のアロマ。

マーガリン・熟成したチーズとクリーム・パンケーキ生地のテイストが、同じ種類の料理をまろやかに包み込んで上品なパレットへ導く。

ボトル抜栓後1時間以上経過して常温に戻すとデザートワインとしても楽しめる。

個人的に2003年にニュージーランド クメウ・リヴァー・エステートを訪ねた時、シャルドネをテイスティングして感激し、帰国後も個人輸入でダースの大人買いしたことを思い出させてくれた逸品。

🇳🇿クメウ リヴァー エステイトのヴィンヤード

そういえば、アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール優勝者で世界最優秀ソムリエコンクール第5位入賞者の岩田 渉さんという現代の日本を代表する若きソムリエがいらっしゃる。

彼がソムリエになるキッカケが私同様、ニュージーランド クメウ・リヴァー・エステートで出会ったシャルドネの美味しさに感動したことに起因する。

つまり、このスイスワインは岩田さんと私を虜にしたワインと同じファクターのクオリティを持っているのだ。

🥂#3. Clos des Corbassieres Vielles Vigne 2019(白ワイン)

セパージュ(ブドウ品種):シャスラ100%
ミレジム(ヴィンテージ・収穫年):2019年
テロワール(国・産地):スイス・AOC Valais, Valais(Clos des Corbassieres), Domaine Cornulus

アンフォラ熟成のいいとこどりワイン

口に含んだ瞬間、ファーストインプレッションで沖縄の泡盛が思い浮かんだ。

その理由は、このワインは、泡盛同様、粘土の素焼きの甕(かめ)、「アンフォラ」で熟成した特徴である木樽で造られたまろやかで優しい味わいと、ステンレスタンクで造られたピュアな果実味の、両方の良い点を兼ね備えているからだ。

アンフォラ

ローヌ川渓谷の石灰土壌特有のミネラル感にあふれ、これぞシャスラという爽やかテイストに仕上がっている。

個人的にもう1年寝かした2018年産の蜜蝋テイストを含んだ老獪さと2022年産の酸味強さが残る若々しい両極端のパレットを味わいたい。

🥂#1から#3の白ワインは、ワインとして主張しすぎず、料理を引き立てる。

1時間以上経過して常温になり、ワインの香りが開いてくると蜂蜜・ハニーコーンのアロマが発出、ワインのみでも楽しめる。

🍷#4. Clos de Corbassieres Pinot Noir 2016(赤ワイン)

セパージュ(ブドウ品種):ピノ・ノワール100%
ミレジム(ヴィンテージ・収穫年):2016年
テロワール(国・産地):スイス・AOC Valais, Valais(Clos des Corbassieres), Domaine Cornulus

🇨🇭スイス人の国民性が現れたワイン

ラズベリー・ストロベリー・ブルーベリー・チェリーなどのライトなベリー中心プラス若いラベンダーのノーズとパレット。

ブドウの生育があまり良くない年で、かつピノ・ノワールという難しい赤ワイン品種にも関わらず、造り手さんが丁寧な摘み取り・醸造・貯蔵を行い、出来うる限りのリカバリーを施した一品と思われる。

このワインを通して、我々日本人とスイス人が持つ”ものづくり”における勤勉実直さ・真面目さ・正確性を持つ国民性を再認識した。

同時に大泉 洋さん主演の「ぶどうのなみだ」という失敗を繰り返しながらも最大限の努力をしてピノ・ノワールつくりに奮闘する若者たちの成長を描いた映画を思い出した。

🍷#5. Clos des Monzuettes Empreinte Calcaire Rouge 2019(赤ワイン)

セパージュ(ブドウ品種):ユマーニュ ルージュ60% コルナラン40%
ミレジム(ヴィンテージ・収穫年):2019年
テロワール(国・産地):スイス・AOC Valais, Valais(Clos des Monzuettes),Domaine Cornulus

セレブレーションとガストロノミーにじっくりと味わいたい

スミレの花・黒胡椒・黒スグリ、ブラックペッパー・タバコ・乾燥したグレープリーフのアロマを感じ、パレットは、それらにハーブが加わった強めのアタックでアフターフレーバーが長く余韻が楽しめ、醸造時における微かなブドウタネの味覚も感じられ、ローヌ川下流のフランス産ワインよりもピュアーな赤ワイン。

ユマーニュ ルージュは、北イタリア原産のDNAを持つブドウ品種で、コルナランはスイス南部原産のDNAを持つブドウ品種ゆえにスイス・イタリエンヌ(スイスのイタリア語圏)産のワインを思わせる複雑な構造。

デキャンタージュした後にボトルに戻したとのアナウンスがあったが、個人的に自分がレストランでボトルをオーダーするなら、目の前でエチケットと保存温度を確認してデキャンタージュをリクエスト。

ワインの保存温度が低ければエアリングをリクエストする。

そうすることで今回感じた強めのタンニンの渋みと苦味が程よくまろやかに変化してこのワインのポテンシャルをより引き出せ、ふたつの特異な遺伝子を持つブドウ品種の特性を楽しめるからだ。

ミシュランガイド エトワール(星付き)イタリアンレストランでのセレブレーションやガストロノミーでじっくりと味わいたいワイン。

今回のワインラインナップは、すべてオーガニックワイン。
サスティブル先進国スイスを象徴するワインだった。

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🍷本会で、スイスワイン研究家の井上萬葡さんによるスイスワインのレクチャーがとても参考になった。

関西日本・スイス協会会長ご夫妻をはじめ、メンバーの皆様とスイスワインと共に楽しいひとときを過ごさせていただいた。

加えてフェリックス・メスナー在大阪スイス領事館領事・領事館長と今後につながる有意義なお話をさせていただいた。

すべてにおいてエキサイティングでスイスワインに対する情熱と愛が更に深まる体験をさせていただいた。

最後に、この素晴らしい「スイスワインを楽しむ会」に私を導いてくださった関西・日本スイス協会事務局のご担当者様に厚くお礼申し上げます。
誠にありがとうございました。

スイスワイン🇨🇭それはワインラバーに残されたファイナルフロンティア

お読みいただきありがとうございました。

アビアント(à bientôt)

この記事の執筆者
🇨🇭ソムリエ シャスラ
スイス プロフェッショナル ソムリエ協会(ASSP)所属ソムリエ/国際唎酒師(英語)/世界唎酒師コンクールクォーターファイナリスト

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