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LAPRASのデータから見るITエンジニア転職・採用環境の今(2023年8月)
こんにちは。LAPRASの代表の染谷です。
ITエンジニアの転職・採用支援の領域で事業を推進する中で、この1年で大きくWeb系企業(メガベンチャーやスタートアップ)のITエンジニア転職・採用の状況が変わったことを感じています。
この環境変化を「エンジニアバブル」という言葉とともに解説された久松剛さんの「エンジニアバブルとは何だったのか」、それに続いて公開されたForkwellの赤川さんの「本当にエンジニアバブルは崩壊したのか?」が僕個人としても、とても参考になりました。
(おすすめですので、ぜひみなさんもご一読ください。)
そこで、我々からもエンジニアの転職や採用の参考になるような情報を出せないかと思い、今回LAPRASから見えている転職・採用の環境変化をまとめてみます。
「2022年10月」で変わった転職・採用環境
環境変化がはっきりと現れはじめたのは、2022年10月でした。
採用計画は4月と10月の半期ごとにを見直す企業が多いのですが、2022年10月のタイミングで大手企業からスタートアップまで幅広い規模のWeb系企業で、エンジニア採用計画を縮小したり、エンジニア採用や採用自体を凍結する企業が増えました。
そして、その傾向は2023年4月からの採用計画でも継続しています。
環境変化の背景
2022年10月の環境変化の背景には、その以前から進行していた米国を中心としたインフレ、それを背景とした政策金利の上昇、リセッションの懸念などにより、先行不透明感の高まりがありました。
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アメリカの株価も低迷していました。株式市場では成長期待よりも利益が企業価値に与える影響が大きくなり、一部のBig Techではレイオフも実行されました。
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これらの影響を受けて、日本国内のスタートアップ企業の資金調達の難易度が上がり、「スタートアップ冬の時代」と言われるようになりました。スタートアップでも成長期待よりも利益が重要、と言われるようになりました。
この環境下で、会社の規模を問わず多くのメガベンチャー・スタートアップ企業でエンジニア採用の引き締めが行われました。
企業のエンジニア採用ニーズの3つの変化
さて、このように2022年10月・2023年4月の採用計画でエンジニア採用の引き締めが行われたわけですが、その引き締めの中身についても見ていきましょう。
採用ポジションの変化
エンジニア採用の引き締めが行われた結果、企業の求めるエンジニアのポジションにも変化が表れました。
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上記の表のハイレイヤは「開発をリードしていけるシニアエンジニアやテックリード層(おおよそ年収650〜900万円)」、ミドルは「開発経験を一定持っているメンバー層(おおよそ年収450〜600万円)」のようなイメージです。
(ちなみにLAPRAS SCOUTは基本的にミドル以上の層の採用を得意とするサービスなので、この記事はミドル以上の層について語っています)
採用の引き締めによって企業の採用予定人数はトータルで減少していますが、それが特にメンバークラスの採用で減少しています。
一方で、ハイレイヤについては採用の引き締めをあまり受けておらず、引き続き企業のニーズは高い状況になっています。
そのため、エンジニアのキャリアによって企業側のニーズが大きく異なる状況が生まれています。
選考難易度(採用要件)の変化
採用ポジション・人数だけでなく、採用要件の明瞭化や厳格化が進み、選考を通過する難易度も上がっています。
これは、我々が見ているところだと2023年の4月以降で顕著に表れている変化です。2022年10月の段階ではそこまで表れていませんでした。
特に、昨年と比べて「問題解決能力」や「リーダーシップ」などのソフトスキル面の基準が明確に求められるようになっている印象です。
コードを書く力などのハードスキルの面だけでなく、ソフトスキルとハードスキルの両面で基準を満たすことが求められるようになっています。
採用基準の厳格化はハイレイヤ・ミドル双方を対象にして起きています。
昨年と今とでは、LARPASのデータでも1内定獲得あたりに必要な面談数・選考数は増えております。昨年の「エンジニアバブル」の期間に採用要件を緩和しすぎたと感じている企業も一定存在するのかもしれません。
職種間の採用優先順位の変化
株式市場が、成長期待よりも利益に焦点を当たるようになるとともに、企業の採用における職種間の優先順位も変化しています。
特に売上を作れる人材の採用優先順位が上がっているようです。具体的な職種としてはセールス・マーケティングです。
それに比べてエンジニア採用は、昨年と比べて相対的に優先度は低くなっている傾向にあります。
昨年はWeb業界の各社がこぞって最優先の採用職種としてエンジニアを掲げていた状況でしたが、今年は各社の状況に応じて引き続きエンジニアを最優先に置く企業もいれば、セールス・マーケティングを最優先に置く企業もいる、採用自体を止める企業もいる、そんなイメージです。
この職種間の採用優先度を受けて、企業のエンジニア採用にかけるリソースや施策量も変化しています。
これはあくまで所感ですが、エンジニア採用を目的としたエンジニア向けイベントも今年は昨年ほどには開催されていないように感じます。
変化のまとめ
変化の内容について、エンジニア採用担当目線でまとめてみます。
エンジニア採用ポジション数は採用市場全体で昨年と比べて全体的には減りましたが、欲しい層は各社とも共通してキャリアのあるエンジニアを求めており、ここのニーズはそこまで大きく変わっていません。
一方で、採用選考の基準は高まっているので、1採用に必要な面談数や選考数は増えています。
加えて、エンジニア採用の社内の優先順位によっては、掛けられるリソースや得られる協力も昨年と比べて減っている状況です。
つまり、採用縮小した企業は市場に多いが、採用難易度は下がっていないという、エンジニア採用担当からすると、やや不思議な状況なのではないか、と思います。
エンジニアの転職や採用はこれからどうすれば良いか?
ここまで、昨年から今年のWeb系企業(IT系のメガベンチャーやスタートアップ)のエンジニア採用環境の変化について語ってきました。
これを受けてどのような対応が求められるか?も簡単に考えていきます。
転職したいエンジニアはどうすればいいか?
昨年と比べると自社開発の企業から内定を獲得する難易度は上がっています。(昨年が難易度が低かっただけかもしれません。)
今転職活動される場合は、より多くの企業と面談したり、選考を受けてみることをおすすめします。
今の転職活動は、どんな方でも選考で落ちてしまう可能性があります。
それはあなたに問題があるわけではなく、環境が変化しただけですので、もし選考に落ちても前向きに転職活動を進めていきましょう。
(応援しています!)
採用したい採用担当はどうすればいいか?
採用担当に求められる対応は、採用したいポジションによって変わってきます。
もし、仮に上記のミドル(おおよそ年収450〜600万円)のエンジニアを採用したい場合は、今はここ数年で一番採用が進めやすい環境です。
(実際に弊社のLAPRAS SCOUTを利用するお客様でも、この層をターゲットにしている企業は採用進捗が順調なことが多いです。)
ですので、積極的に採用活動を進めていくべきだと思います。
もし、仮に上記のハイレイヤ(おおよそ年収650〜900万円)を採用したい場合は、市場は変化していますが、昨年と難易度があまり変わっていません。
ただし、ハイレイヤのITエンジニア採用を目指したポジション数は減っていませんが、昨年ほどエンジニア採用にリソースを全振りで全力投球をしている企業は多くはありません。
本気で採用したい場合はリソースを掛けることで差別化しやすいよう採用環境にも思います。
(結論、「結局、採用頑張りましょう!」なので、ポジショントークっぽいですねw)
というわけで、昨年から今年のエンジニア採用の環境変化についてまとめてみました。
例年、お盆明けから10月以降の採用計画が視野に入って、また採用・転職環境も変わっていくものです。
今後、どんな採用・転職環境の変化があるかわかりませんが、転職を考えているエンジニアの方も、採用を考えている企業の方も、みなさんで環境変化に対応していきましょう!
最後に)こんなときこそ、「LAPRAS」&「LAPRAS SCOUT」をどうぞ
転職検討中の方へ
LAPRASは、ITエンジニアの貢献を伝える転職サービスです。
職歴では伝わらない、WEB上のアウトプット等の日々のエンジニア活動や、それを踏まえた技術的な強みが企業に伝わります。
転職活動を考えているエンジニアの方はぜひお試しください。
採用検討中の方へ
ハイレイヤ・ミドル層のエンジニアの採用の際は、LAPRAS SCOUTをご検討ください。
これまで、累計で500社以上のスタートアップやメガベンチャーのエンジニア採用を支援してきたスカウト型の採用サービスです。
採用決定の約半分がハイレイヤのエンジニアの決定となっている「つよいエンジニア」の採用に特化したサービスです。
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