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桜がうまく撮れなかった☁️

軽率にないものねだりをしてしまう癖がある。

それは、昔、私がまだ中学生のときの同級生で
それはそれは軽率に
「あーもう、最悪!」と吐くとある男子のように。

はたまた、一度失敗しただけですぐに
「無理無理無理」と呟く、あの女の子のように。


次の日は、花散らしの雨になるかもしれない。

完全に花びらが散ってしまう前に
今年最後の桜を撮ろうと思った。

桜を見あげて撮ると
空が曇っていたので
あの薄い花びらの白と淡い桜色は
あっさり雲の薄墨色と同化してしまって、

まったく上手く撮れなかった。

大袈裟だとは自分でも思うけれど
今年の春の、
なにか、大事なひとつのような気がしていた桜が
私の手元にはどうしても綺麗に残せなかった。


私はがっくりして、もやもやして、思わず
「私に写真を撮る才能があればよかったのに」
と思った。

なんの努力もなしに
まず才能を求めてしまうのは、
ただのないものねだりだ。


来年も桜は咲く。
私はまたその桜を見あげて
写真に残そうとするのだろうか。

私はその未来に居るのだろうか。

当然のような、でもすこし嫌なような。

…考えてもしょうがないことだ。


ないものを埋めるように、
この虚しさをいたわるように、
今日も甘いものを食べる。

そうでもしないとやっていけないんだもの。私は。

寂しいやつだと思う。自分でも。


「せめて、晴れていればよかったのに」

本当、ないものねだりだ。


(書き散らし)


(※ 画像は、一昨年のものです。)


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