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日常会話レベルを目指す、は間違い?

"英語学習"をなんとなく勘違いしている人を安心させる何か ①
英語学習に関する誤解を紹介。必要以上に身構えて英語自体を怖がったり、不要なストレスを感じているかもしれません。これから英語学習を始める方のため、"英語学習の誤解"を紐解いて説明したいと思います。

今回は「日常会話レベルを目指す、は間違い?」を紹介します。

「"日常会話レベル"ぐらいは喋れるようになりたい」

と考えている方が多いかと思います。英語が喋れるようになって、英語圏の方と楽しく日常トークで盛り上がる…、憧れますよね。英会話スクールでも、目標するレベルの代表例として、この"日常会話レベル"をよく耳にします。

そうすると、「日常レベルだからまずは最初に習得するべき」だと認識されているようです。もちろん、最初に習得しておいて間違いは無いのですが…。あたかも”日常会話レベル”=初級だと勘違いしている人が多い気がします。極端な言い方をすれば、仮にあなたが日常英会話を不自由なくできたとしたら、もはやネイティブレベルと言えるのではないでしょうか。

話相手の「日常」≠あなたの「日常」

例えば、あなたのビジネスを英語でやり取りした場合、使われる単語は専門的なものかもしれません。特殊なフレーズを多用したり、独特な表現をあえて使うかもしれません。ですが、一つのビジネスで用いる常用単語は限られます。話題も基本的にはそのビジネスに関わる事です。ある程度は予想も予習もできる訳です。つまり、会話が始まる前から話相手の話題とあなたの話題は一致しています。

一方、日常会話では「昨日、息子が怪我をして…」「今期の大リーグの有望選手は…」「よく行くスーパーが閉店して…」と話題は無限です。〇〇の話題を話しましょう、なんて優しく始めてくれたら楽ですが、「なんの話をしているんだろう…?」聞きながら推測する事がほとんどです。話相手がしたい話題とあなたが期待する話題は一致していないでしょう。話相手の「日常」が、あなたの「日常」と異なるからと言えます。

小さな日常の寄せ集め⇒英語力

伝えたいのは、「日常会話レベル」の範囲は広いと言いたいのであって、「ビジネス英語」が「日常会話レベル」より簡単という事ではありません。一般的な英会話スクールでは「ビジネス英語」は、「日常会話レベル」よりり上位難度として設定されています。第一ステップとして、ビジネス特有のフレーズを学習する事になります。いかに速く・適格な表現で・最小エネルギーで情報伝達するか…、言語の機能を追及する傾向があるようです。

では、英会話スクールの「日常会話レベル」とは何でしょう。多くの英会話スクールでは、自己紹介や海外旅行中の頻出フレーズ、などを第一ステップとして学習することが多いようです。こうした日常の一部を切り取って習熟⇒別の場面を切り取って習熟…を繰り返しながら、英語の守備範囲が少しづつ広がっていく…。やがて小さな日常の寄せ集めが、様々な話題に敏感に反応できる英語力へ成長する事になります。

伝えたいのは英語?

では、英語学習の目標地点をどこに設定すれば良いか?というと、それは「あなたが英語を使って何をしたいか」で決めるべきだと思います。言語学習自体が目的や趣味、という方もいるかと思いますが、一般的には英語(言語)は情報伝達の道具です。英語=道具を上手く使って伝えたい情報があるはずです。あなたにとって"伝えたい情報"は何か?を考えると良いかもしれません。

美容師の方であれば、ヘアースタイルのアドバイス、かもしれません。学生であれば、経歴や研究成果の説明、かもしれません。私の場合は、時差ある現地スタッフへの業務依頼でした。いわゆるビジネス英語を勉強した訳ですが、「どういう表現をすれば誤解なく遠隔で気持ちよく働いてくれるか」という具体的な想いを持って勉強していたので、その分習得が早かったと思います。英語を使いこなす自身の姿を具体的に想像する事で生きた英語が身に付き易くなると思います。

まとめ

「日常会話レベルの英会話力を目指す」、とても良い目標だと思います。ただし、あなたの期待する「日常会話レベル」とは何でしょう?英会話スクールの「日常会話レベル」と同じものでしょうか?そして、英語を使ってあなたが伝えたい情報は何でしょう?英語を使って笑っている理想の自分はイメージできていますか?英会話スクールでも独学でも、小さな日常を切り取って寄せ集める事であなたの英語力を一歩一歩養う事になります。具体的なイメージを持つ事で生きた英語を身に付けましょう、思い描く理想像に近づいていきますよ!

次回は、「英語は翻訳すると伝わらない?」をお送りします。

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