自粛中も楽しく美味しく‼︎国内の材料で安く作れる簡単なロシア料理(序章)
ニコライ神父の来航、ロシア革命に起因する白系ロシア人の亡命、終戦後の満洲引揚げ民や復員兵等の帰国等、明治維新以来の本邦に於けるロシア料理の歴史は幾度もの重要な局面を迎えて現代の形に至る。
一方、1917年の十月革命以降の本国に於いては貴族やお抱え料理人の亡命によるレシピの消失、内戦による国土の荒廃、計画経済の導入、中央アジアやカフカス、ロシア農村料理等諸民族料理の一般化、戦間期アナスタス・ミコヤンの指導の下行われた諸外国からの新技術導入(缶詰、アイスクリーム、ソーセージ等)、そして独ソ戦(所謂大祖国戦争)という二度目のカタストロフや91年のソ連崩壊からくる経済的カオスを経て彼の国に於ける「ロシア料理」の形は本邦の物と大きく異なるものとなった。
近年でもエリツィン時代のデフォルトやクリミア危機による経済制裁、コロナ禍等を見ても分かるように彼の国に於ける政治、経済体制の変化が庶民の食卓に並ぶ食材の質に与える影響は非常に大きい。
(90年代のハバロフスクを旅行したある方によると肉や生野菜、チーズは非常に高価で食事は専らじゃがいものサーロ炒めに目玉焼き等非常にシンプルなものばかりだったとのこと)
故に今も昔も「モノ/カネが無い状態から如何に幸せな食生活を送るか」というのが彼の国で生きていく上での至上命題である。
本邦に於いても近年twitterで話題の「食費2万円」という言葉を見ても分かるようにバブル崩壊以降30年近く増税や賃金低下等様々な要因による「若者の○○離れ」ならぬ「カネの若者離れ」が続いて久しく、若年層の消費傾向は落ちる一方である。
特にフォロワーのミリクラ諸氏の中には軍装品やトイガン、書籍の購入で首が回らない方々も少なくないだろう。
自分はミニマリストになって久しいが、趣味や貯蓄に使える金を増やす方法をあれこれ考察した結果「収入の内から趣味以外に使う生活費を減らす」という結論に辿り着いた訳である。
その中で、特に大きな割合を占める食費を減らす手段として
・外食を減らす
・腐敗、賞味期限切れ等による食品ロスを減らす
・買い物の回数を減らす
・食材単価を下げる
の4つを守るだけでも食費の削減、つまりは趣味や貯蓄に使える金を増やすことに繋がることは実証済みである。
ロシアでの留学経験を経て、これらの条件を満たす為に参考になると感じたのは極寒の冬を生き抜く古ルーシ時代の農民や、いつ食材を買えるか分からない計画経済下のソ連人民達の知恵により編み出された料理の数々である。
余談ではあるが以前フォロワーのTRPG(所謂ボードゲーム)ファンの一人と、「コレイカ」なる社会主義体制下のポーランドで買い物をするというゲームをした事があるが、その内容は内容は食材一つ買う為に行列を作り、党官僚のコネを使ったり他のプレイヤーの順番を抜かしたり闇市を利用したりとあらゆる手を尽くして目当ての品を手に入れるという中々シビアな物で、当時のソ連その他衛星国に於ける買い物の様子と併せて考えて見ると恐らく壮絶な物であったのだろう。
料理をする前に
・食材と調味料は最安値でまとめ買い
主食(パスタ、パン、米、蕎麦、小麦粉、パン粉等)
缶詰類(サバ缶、鮭缶、トマト缶等)
調味料(塩、胡椒、砂糖、油、ケチャップ、マヨネーズ等)
はディスカウントストア、Amazon等で最安値を狙うとよい。
野菜類(馬鈴薯、人参、玉葱、キャベツ、胡瓜、トマト、大蒜、キノコ類等)
肉類や魚介類(挽肉、塊肉、フィレ等)
は安いスーパーや青果店、精肉店でまとめ買いするとよい。
もしauクレジットカードなどのポイント還元サービスが利用できるようなら電気、ガス、水道、日用品、娯楽品と合わせてまとめて支払ってしまえば携帯料金と合わせて大量のポイント還元ができるのでオススメだ。
これらは後述する適切な保存により腐敗や品質悪化を防止し余すことなく利用する事で、毎回の買い物にかかるコストの大幅な削減に繋がる。
(コーラやビール等の飲料やお菓子等の嗜好品は人によっては有ればあるだけ摂取しがちなので買い溜めは避けること)
・生物は裁断→冷凍又は塩漬
米や蕎麦、パスタ等は湿気を防止しきちんと封がされていれば基本的に湿気や腐敗にやられることは稀である。
馬鈴薯や人参、玉葱や大蒜等も常温保存が可能だが湿気や温度による腐敗や品質悪化も考えられる上、切った後放置すると腐敗するため使い残しは予め裁断し、ジップロック等で一食分毎に冷凍するとよい(特に玉ねぎは冷凍すると繊維が崩れ痛め時間や煮込み時間が短くなる)
トマトや胡瓜、キャベツ等の生野菜は収穫したそばから風味、栄養共に落ち始めるため購入後は後述するピクルス等にするとよい。
肉類や魚介類も一食分(100g単位が目安)毎に裁断し、ジップロック冷凍するとよい。
特に豚バラ塊肉は冷凍と塩蔵によりサーロにしてしまえばそのままザクースキやスープとしても食べられるのでおすすめである。
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