見出し画像

「温泉ワーケーション」の前に決めたい2つのこと

今回は「温泉ワーケーション」を充実させるポイントをお伝えしたい。まず大事なのは、事前に「目的」を決めることだ。

「目的が定まっていない温泉ワーケーションは失敗する」と言っても過言ではない。

「温泉ワーケーション」の2つの目的

温泉ワーケーションを実行する前に決めておきたいことがある。それは、「何を目的とするか?」だ。具体的には「ワーク」と「温泉」の時間配分をどうするか。そして、何をもって「成果」とするかである。

「温泉ワーケーション」の目的には、大きく分けて2つあると考えている。

①温泉フォーカス

②仕事フォーカス

これを事前に決めておかないと、「期待していたよりも仕事が進まなかった」「せっかく温泉地まで行ったのにリラックスできなかった」などと不満を残すおそれがある。

温泉宿でも仕事に追われ続けた結果・・・

私にも失敗した経験がある。仕事の納期が迫っている時期に「気分転換に温泉宿で仕事をしよう」と思い立ち、3泊4日の日程である秘湯の宿を予約した。

そして、出発当日。想像以上に仕事の進捗が遅れていたので、行きの新幹線やバスの中でもPCを開いて作業をする始末。温泉宿についてからも、納期に追われ、入浴と食事の時間以外はずっとPCのキーボードを叩くこととなった。

しかも、秘湯の宿ということもあって、当時はWi-Fiも飛んでいなかった。スマホや電話で仕事のやりとりをせざるを得ず、ストレスをためることにもなった。

せっかくの温泉も台なしである。初めて訪れる温泉宿だったので、湯浴みや料理をもっとじっくり味わいたかったが、納期へのプレッシャーからまったく楽しめなかった。結局、チェックアウトぎりぎりまで仕事をし、寄り道もせずに早めに帰路につくこととなった。

帰宅後、仕事はなんとか切り抜けたが、「わざわざ温泉に行った意味があるのか?」と後悔したのを今でも覚えている。

切羽詰まっているほど仕事の納期が迫っているのであれば、「温泉ワーケーション」に行くのではなく、自宅や職場で仕事をしたほうがはるかに捗っただろう。

もしくは、事前に仕事フォーカスのモードでワーケーションをすると決めて、温泉付きのビジネスホテルなどで「缶詰め状態」になれば、「温泉のおかげで仕事が捗った」と充実感を味わえたかもしれない。

「温泉も仕事も」と欲張ったがゆえに、中途半端な結果に終わってしまったといえる。

「仕事が進まなかった・・・」という罪悪感

反対に、仕事の成果がほとんど出なくて、自分にがっかりした経験もある。

温泉に入りたくなり、5日間のスケジュールである温泉地へワーケーションに出かけた。ところが、仕事の納期に余裕があったこともあり、特にどんな仕事をするかを決めずに出発してしまった。「とりあえずPCを持っていけばなんとかなるだろう」という感じだったと思う。

人は目的や目標がないと動けないものだ。結局、5日間の滞在中、温泉に入る以外はテレビやネットサーフィンばかりで、だらだらと無為な時間を過ごしてしまった。一度もPCを開かなかったのだから、仕事が進むわけがない。

このときも、帰ってきてからひどく後悔した。「全然仕事が進まなかった。こんなはずではなかったのに・・・」と。

別に、温泉地で仕事をしなかったこと自体が悪いわけではない。最初から、「今回は温泉フォーカスでゆっくり湯浴みを楽しもう」というモードで臨めば、満足のいく滞在となったはずだ。「仕事も進めよう」という気持ちが中途半端にあったから、不満が残る結果となってしまったのだ。

このような苦い経験をした私は、それ以来、温泉ワーケーションに出かける前に、目的をしっかりと定めるようにしている。こんな具合だ。

「大きな仕事が一段落したから、今回は温泉にフォーカスしてゆっくりしよう。仕事は取引先とのやり取りと2件のZoom会議以外はしなくてOK」

「集中して進めたい企画Aがあるから、今回は仕事にフォーカスする。そのためにWi-Fiなど仕事に集中できる環境の宿を選ぼう」

「時間配分」と「成果」を決める

「仕事」と「温泉」の時間配分も事前に決めておくといいだろう。

たとえば、仕事フォーカスであれば、「早朝と午前中、そして午後は仕事に集中しよう。ただし仕事は17時までにして、夜は温泉に入って静かな時間を過ごそう」。逆に温泉フォーカスであれば、「仕事は午前中に集中して終わらせよう。それ以外の時間は入浴と温泉街の散策を楽しもう」といった感じだ。

仕事の「成果」も事前に決めておくといいだろう。「滞在中に最低限、仕事Aは終わらせる」といった目標があれば、それに向けて集中することができる。

ただし、目標設定は無理のない範囲が望ましい。目標が未達で終われば、「温泉に入っていたせいで仕事が終わらなかった」と罪悪感を抱いてしまうかもしれない。‟温泉”ワーケーションなのだから、湯に罪はない。

「ちょっとさぼっても終わる」くらいの目標設定がちょうどいいだろう。一般に、目標は少し背伸びをするくらいのレベルが望ましいといわれるが、温泉ワーケーションでは背伸びは禁物である。

このように、事前に目的や時間配分、成果を決めおくと、「こんなはずではなかった」とモヤモヤした気持ちになることを防ぐことができるはずだ。

あなたが温泉ワーケーションに出かける「目的」は何だろう?


サポートいただけたら大変ありがたいです。サポートは温泉めぐりの資金とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。