【詩】御伽話はエピローグから
永遠に目覚めない呪い(まじない)を
毛布のなかで何度も唱えた
醒めない夢などいらない
音も光もすべて取り払って
ただの暗闇になりたかった
けれど、神様はそれを赦さない
朗らかな足音が緞帳を開け
鮮明になっていく視界の先には
満天の星空を携えた瞳
獲物を射るような鋭さとは裏腹に
愉快さを隠しきれない口元が開く
「さあ、いつまで眠っているんだい?」
シトリンを溶かした声が響き渡り
この物語の終わりを告げる
(という噺が浮かんだ)
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