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親への期待があると見捨てられ不安が強くなる|親が「遠い親戚」になると生きやすい(2022.08.20改訂)

【質問】無自覚な親への期待があるのなら、無自覚な見捨てられ不安もありますか?

【お返事】質問をもう少しかみ砕いてみます。

無自覚に親への期待を持っている人とは、表面的には親への期待はしていないように見えるけれど、実はとっても親に期待している人ということです。これは、自覚している、いないに関わらず、愛着に問題のある人々です。愛着不全か愛着障害の人ですね。

これは、「愛着に問題のある人は、自覚している、していないに関わらず、見捨てられ不安がありますか?」という質問になります。この問題を深掘りする前に、普通の人と親への期待をみていきましょう。

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■愛着に問題のない普通の人と親への期待

愛着に問題のない普通の人とは、安定型愛着スタイルの人々です。愛着スタイルは下記を参照ください▼

こういう人は、親に対して「期待」というのはあまりありません。あるのは「信頼感」なので、期待しなくてもいいのです。当たり前に親に要求し、親も当たり前に返します。

返すというのは、要望をすべて満たすというわけではありません。返せるものは返すし、返せないものは返せないと説明したり、子どもとぶつかったりします。

子どもも親への信頼感があるので、ぶつかることに怖さはありません。またぶつからなくても「仕方ないか」と呑み込むことができます。親にそれほど要求しなくなります。自分でどうにかしようとします。こうやって、ちょうどいいところで折り合っていくのです。これが健全な愛着の家族です。

■親への期待と見捨てられ不安

親への期待がある人は、愛着障害か愛着不全の人でした。つまり愛着に問題のある人です。そういう人には「見捨てられ不安」がある可能性があります。特に、不安型愛着スタイルの人は、それが大きいのです。回避型愛着スタイルの人は、不安というよりも、恐怖が強いです。

質問者さんのいう「親への期待」がどのようなものなのか、これはよくよくお聴きしてみないと判断はできませんが、親へ期待しているということが、愛着が不自然に形成されているように思います。

■見捨てられ不安とカウンセリング

こういう人は生きていくのが困難を極めます。生きるのがツライのでしたら、一度カウンセリングの門を叩くことをお勧めします。

しかし質問の内容からすると、ご本人のことではなく、誰か他人のことでしょうか。「無自覚な」とおっしゃっているので、そうかもしれませんね。自分のことなら自覚しているわけですから。他人のことかも知れません。だとすると、無自覚だとカウンセリングにはつながらないことが多いですね。見ているしかありません。

■「期待」から「遠い親戚(知り合い)」へ

不安型愛着スタイルの人が楽に生きられるようになるには、親への期待を捨て、親が、自分にとって、【遠い親戚(知り合い)】くらいになることです。親の期待を捨てることは、とても時間のかかる作業ですが、それをやっていきましょう。絶望しなくても大丈夫、次の2つのことを進めていきましょう。

  • 怒りの処理が終了していること

  • 誰かに受容されること

親への怒りがまだ消化されていないことが多いので、その怒りを色々な方法で出すようにしましょう。カウンセリングで怒りを話したり、直接本人へぶつけることもあるでしょうし、アートセラピーを導入することもあります。下記リンクの◇怒りのためのアートセラピーを参照ください。▼

誰かに受容されることはとても重要です。あなたの気持ちをすっかり受容してくれる人に、気持ちをすっかりと話してください。こういう人を見つけるのは困難だと思うでしょう。それは確かにそうですが、双子のカメレオン(受容してくれる人)というものはいつか見つかるものです。それまでは、カウンセラーを双子として、カウンセラーに受容してもらいましょう。

◇遠い親戚ー愛着不全と愛着障害の、それぞれの場合

遠い親戚についての質問をいただきました。

2022.2.2 親への期待があると見捨てられ不安が強くなる|親が「遠い親戚」になると生きやすい (note&standfm) は、愛着不全への言及との理解であってますか?
親から遠い親戚という離れた距離になるというのは愛着ありきと思っ たので。
ファンタジーって最初から遠いものじ ゃないかなと。遠いから幻想になりえる。砂漠のオアシスの幻影みたいに近い距離になると消えてしまうから、体感としては最初から遠い(あ るいは距離すらない幻影だから)のではないかと理解してるのですが。

【お返事】
ここでの話は、見捨てられ不安のことを書いていますので、愛着不全ですね。ですから、この場合の「遠い親戚」は、愛着不全の場合の遠い親戚です。近くの親に対して、期待している状態から遠い親戚になるわけです。

この場合、現実における親との関係が、シフトします。つまり現実(近い関係)から現実(遠い関係)へのシフトです。【遠い親戚になる】わけです。

愛着障害の場合は、つまりファンタジーがある場合は、蜃気楼のように近くに見えます。実際は遠いのですが、近くに見えます。しかしファンタジーが崩壊すると、実際の遠さに戻って「遠い親戚」のようになります。

つまり幻から現実(遠い関係)へのシフトです。シフトするというよりも、元へ戻る感じです。【遠い親戚に戻る】わけです。

「遠い親戚」といっても、愛着不全と愛着障害では、このように印象が違うのです。これはかなり微細な関係性の変化ですが、大切なところなので、解説しました。

■まとめ

  • 愛着に問題のない普通の人は、親に期待しません。信頼するだけです。

  • 親への期待のある人は、愛着障害か愛着不全の人。特に後者が多い。見捨てられ不安が強い。

  • 親への期待が減って、親が遠い親戚(知り合い)レベルになると、生きやすくなる。

  • そのためには、怒りの処理と受容が大切。

◇ラジオのおやすみ談話室:花粉シーズンですね。

⇒解決しない悩みのある方は、ソレア心理カウンセリングセンター へご相談ください。

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