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少額予算でもYouTube VACで成果を出す!運用のポイントは?

YouTube 広告に新しく追加された広告タイプの一つ、VACの運用における成果事例を紹介します。

これまでYouTube 広告の改善というと、動画の訴求を変える、言い回しを変える、など広告クリエイティブが重要視されてきました。

しかし今回は、広告クリエイティブではなく、運用の工夫で成果を改善できる施策をご紹介します💡✨

*8月開催の第5回【事例ピッチイベント】で発表された、乾周平(@shupei1213)さんの「VAC事例」をまとめたnoteです!

・・また、最後に最新のVAC事例も紹介しています!こちらも参考にしてみてください。

VACは獲得に特化したYouTube 広告フォーマット

VAC(Video Action Campaign)とは、YouTube 広告に新しく追加された広告タイプの一つです。ユーザーに行動を促進することを目的とした動画広告を設定できる機能で、YouTubeおよびYouTube以外のGoogle 動画パートナーの広告枠に掲載することができます。

VACは「TrueView アクション(※)」の機能をベースとしています。Google社は、2022年から、TrueView アクションキャンペーンを自動的にVACへアップグレードすると発表しています。

※TrueView アクション:見込み顧客の獲得とコンバージョンを促進する。
*Google 広告 ヘルプ「TrueView アクション キャンペーンを作成する」より
https://support.google.com/google-ads/answer/7671017

*Google 広告 ヘルプ「動画アクション キャンペーンにアップグレードして成果を高める」(2021 年 6 月 11 日)より
https://support.google.com/google-ads/answer/10833639

TrueView アクションからVACへのアップデートによって、配信面が追加、広告フォーマットが変更されました。

【配信面】
・TrueView アクション:YouTube 動画、YouTube 検索、Google 動画パートナーの広告枠
・VAC:YouTube ホームフィード、YouTube 動画、YouTube 検索、Google 動画パートナーの広告枠
【広告フォーマット】
・TrueView アクション:行動を促すフレーズ、広告見出し
・VAC:行動を促すフレーズ、広告見出し、レスポンシブに対応するための長い広告見出しと説明文

VACはTrueView アクションと比べ、配信面が追加され、より多くのユーザーに広告配信ができるようになったので、機械学習が効率的に進みやすくなりました。

また、YouTube 広告を入稿する際、インストリーム広告やディスカバリー広告などと、フォーマットごとに別々に管理する必要がなくなります。煩雑な作業を減らしつつ、最適な動画クリエイティブでユーザーに配信できるようになりました。

与件整理

今回、VACを配信したのは、ある不動産業界のお客様です。与件を整理します。

【キャンペーン内容】
新築のタワーマンションの入居者募集
【広告コンバージョン地点】
資料請求・来場予約
【これまでの広告配信】
Yahoo!・Googleの検索広告、ディスプレイ広告、Facebook広告

お客様のもっていた課題として、「新しい媒体や広告配信手法にチャレンジしたい」「注力物件のため、効果がある媒体があれば広告配信を拡大したい」という思いがありました。

そこで、過去に実施したことがなかったYouTubeでの動画広告の提案と受注に至りました。お客様が既にテレビCMで作成していた動画を利用して、広告を配信しました。

運用のPDCAを回しやすいようにターゲティングリストを複数作成

実際の配信では、「カスタム インテント オーディエンス」のリストを作成して、ターゲティングし配信しました。

カスタム インテント オーディエンスを設定すると、指定したキーワードとその類似キーワードを過去7日間以内に Google 検索で検索したユーザーに、広告が表示されるようになります。

本案件では、リストを4つ作成。リストを分けておくことで、それぞれの成果の良しあしが分かり、運用のPDCAが回せるようにしておきました。

リスト1:本案件のマンション名を含むキーワード
リスト2:競合物件名のキーワード
リスト3:「マンション エリア名」の掛け合わせキーワード
リスト4:タワーマンション関連のキーワード(*イメージは下図)

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媒体推奨設定に従わない運用方法のポイント3点

下記3点が、運用開始時に気をつけたポイントです。

1. ユーザー属性を可能な限り絞り込む
2. オーディエンスの拡張はしない
3. 自動入札設定を「コンバージョン数の最大化」に設定する

1. ユーザー属性を可能な限り絞り込む

ご予算が限られていたこともあり、ユーザー属性を可能な限り絞り込みました。すでに、ファインド キャンペーン(※)での配信実績があったので、それをもとに設定しました。

◆配信除外設定
運用初動より、女性、子供あり、世帯収入41~50%・下位50%
運用途中より、年齢不明・世帯収入不明

※ファインドキャンペーン:Google の Discover 、YouTube ホームフィード・次のおすすめフィード、Gmail に、テキストや画像を組み合わせて広告配信ができる
*Google 広告 ヘルプ「ファインド キャンペーンについて」より
https://support.google.com/google-ads/answer/9176876

2. オーディエンスの拡張はしない

「オーディエンスの拡張」を有効にすると、関連性の高いオーディエンスに対象を拡大でき、より多くのユーザーに配信することができます。そうすると機械学習が促進され、マーケティングの目標を達成できやすい、とされています。

しかし、限られたご予算の中で、確度の高いユーザーだけに配信したいと思い、配信ユーザーの属性を絞り、オーディエンスの拡張設定を外しました。

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3. 自動入札設定を「コンバージョン数の最大化」に設定する

また、自動入札設定を「コンバージョン数の最大化」にして配信しました。

◆自動入札設定
コンバージョン数の最大化
指定した予算を使いながら、最大限のコンバージョン数が得られるよう、入札単価が自動設定される
目標コンバージョン単価(推奨)
指定した目標コンバージョン単価を超えない範囲で、最大限のコンバージョン数を獲得できるよう、入札単価が自動設定される

①これまで動画広告を配信したことがないため、獲得単価(コンバージョン単価)がいくらなのか不明。②ご予算分はフルで配信したい。これら二つの理由から、自動入札設定を決定しました。

今後の運用改善で、検索広告と変わらない効率で獲得が見込める

およそ30万円を、12日間配信。全体実績としては、獲得単価が14万円という結果になりました。しかし「リスト4:タワーマンション関連のキーワード」に限ると、獲得単価は6.7万円です。

▼カスタム インテント オーディエンス別の配信実績(7月)

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リストを絞って配信をすることで、改善が期待できそうです。また、直接コンバージョンだけではなく、ビュースルーコンバージョン(※)など、間接効果も確認できました。

一般キーワードを配信している検索広告では、同月の獲得単価は5.6万円でした。動画広告の今後の改善によって、検索広告と変わらない獲得効率で獲得に結びつけることができそうです。

※ビュースルーコンバージョン:広告を見てクリックはしなかったが、その後、別のルートでサイトを訪れて達成したコンバージョンのこと

▼8月の配信実績(8月も7月同様、12日間の配信を行いました。)

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8月は、「リスト2:競合物件名のキーワード」で最も獲得効率の良い結果になっています。また、全体で直接コンバージョン、間接コンバージョンが増加しました。

ポイントを押さえれば、少額ご予算でも動画広告で成果を出せる

運用していた乾さんは、今回の「少額ご予算での動画広告運用」でポイントとなったのは、ターゲティング設定で「カスタム インテント オーディエンス」のリストを複数作成したところだとおっしゃっていました。

「カスタム インテント オーディエンス」は、指定したキーワードを過去7日間以内に Google 検索で検索したユーザーに配信されるオーディエンス。Google 広告で設定できるターゲティングの中でも、特に縛りの強いものからはじめたことがよかったそうです。

また、リストを複数作成し、運用者のPDCAが回せる工夫も行いました。少額ご予算であっても、運用面でポイントをおさえることで、動画広告で成果を出せるのだと分かりました!

デジタルマーケティングには欠かせなくなってきた動画広告。「少額しか使えないから無理かも」「検索広告で結果が出ているから十分」と考えていらっしゃる方へ、少しでも動画広告をはじめる際の参考になれば幸いです!


*VACの最新事例もアップしました。こちらも参考になさってください👇

【編集:みやたけ(@udon_miyatake)】

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