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#18 無理をせずに生きるということ


誰もが無理をして生きている

「無理しないでね」

こんな声かけをしたりされたりすることって、わりとみんな経験があるのではないかと思う。

しかし、よくよく考えてみると、無理をせずに生きている人なんて、果たしてこの世に存在するのだろうか。
誰もが、何かしらの無理をしながら生きているのではないだろうか。

そう、みんな何かしらの生きづらさを抱えて、無理をして生きているんだ。
悩みは本当に人それぞれだけど。

生きていくために必要な無理というものも、少なからずあると思う。
ある程度の無理は、人間が成長するためにも必要なのではないかと思う。
簡単に限界をつくっていては、何も成し遂げることができなくなってしまうから。
「できる無理」なら、できる範囲で、無理のない範囲ですればいいと思う。

ただ、生きていくのに支障をきたしてしまうほどの、度を超えた無理だけは避けなければならない。自分を壊すほどの無理だけは、絶対にやめよう。

無理がきくラインは、人によって違う。自分はどこまでなら無理をしても大丈夫なのか、それを見極める必要がある。まずは自分をよく知ることから始めよう。
それには、日頃から自分とよく向き合い、自分と対話することが大事だ。

好きなことや、嫌いなこと。
得意なことや、苦手なこと。
やりたいことと、やりたくないこと。

自分の心の声に耳を澄ませる。
そうすると、自分が大事に想っていることは何なのか、自分がどうしたいと思っているのか、といった自分の本心が見えてくる。

自分にとっての「無理のない生き方」とは何か。
無理をせずに生きるには、どのように対処すればよいのか。
それを考えることは、生きづらさを大きく軽減することにつながる。


無理をし続けたらこうなった

私はまさに、休職する前のあの4ヶ月間が、人生でいちばん無理をした時期だった。
月の平均残業時間が40時間を超えていた。これは昨年と比較して2.7倍という数字だった。

心や脳の疲れは、まず身体の不調としてあらわれるという。
私の場合、長時間のパソコン作業による疲れから、眼精疲労や首・肩の凝り、倦怠感といった身体症状が日に日にひどくなっていった。
これは、「疲れているから休みなさい」という身体からのサインであり、SOSだったのだ。

それに加えて、心理面にも症状が出てくる。
疲れが溜まるにつれ、だんだんと気力が失せていき、頭の回転が鈍くなっていく。
そして、感情が不安定になり、自分で自分を制御することが困難になっていった。わけもなく涙が出てきたり、突然泣き喚いたりと、感情がぐちゃぐちゃになってしまった。


10年ほど続けた事務職から一念発起して30代半ばでIT業界に転職し、エンジニアとして仕事をするようになって15年。
エンジニアになりたてのころは、仕事が楽しかったし好きだった。

ヘルプデスクやシステム運用の仕事は自分に合っていたと思う。
運用は、ルーティンワークなど定型化できる業務が多い。マニュアルやフローがしっかり用意されている現場も多い。障害対応もあるけれど、それすらも数をこなしていくことである程度パターン化できる。突発的に発生する出来事が苦手だったり、臨機応変な対応が苦手とされるASDだけど、トラブルシューティングしていく工程は楽しくて、まったく苦にならなかった。むしろ、解決できたときの快感がたまらなくて、障害対応は大好きだった。

エンジニアとしての経験を積み、40歳を過ぎてやっとSE(システムエンジニア)になった。しかしそこから、あんなに好きだった仕事が好きではなくなってしまった。

SEは、上流工程といわれる設計や構築を担当するエンジニアだ。職場や案件にもよるけれど、他の職種より主体的・能動的に動くことが求められる。
私は、決まりきったことを早く正確にこなすのは大の得意だけど、自分で考えて動くのがどうも苦手。具体的に指示をしてもらえなければ、何をどう進めていけばいいのかわからないときがある。
周りにフォローしてもらいながら仕事を続けていたけれど、スムーズにいかないことが増えていき、だんだんとストレスが溜まっていった。

SEの仕事は6年ほど続けた。だが結局、この仕事を辞めるまで一度も、仕事が楽しいと思うことはなかった。
収入を得て生活をしていくために、仕方なくやっていたという感じがする。

自分に合っていない、向いていない、好きでもない、楽しいとも思えない、ただしんどいだけの仕事を続けるのは、つらかった。

毎日が憂鬱で仕方なかった。
またこのつまらない一日が始まるのかと思うと、毎日、起きるのがつらかった。
起きたくなかったし、眠りたくもなかった。

明日も仕事があるから早く起きないといけない。それはわかっているし、疲れてもいるはずなのに、眠りたくない。
眠ればまた、起きなければいけない。それが嫌で嫌で。
とにかく現実から逃げたかったのだ。

だからついつい、布団に入ってもダラダラとテレビを観続けて、夜ふかしをしてしまったりする。そのせいで、仕事のある日は5時間程度しか眠れず、慢性的な睡眠不足に陥っていた。睡眠不足のせいで、パフォーマンスは落ちる一方。
なんという悪循環。

ずっとそんな日々を送っていた。

職場はとても恵まれた環境だった。いい人たちばかりで、みんな仲良くて、とてもいい雰囲気のなかで仕事をしていた。人間関係のストレスは、ほぼほぼなかった。
だけど、仕事が自分に合わなかった。本当に残念だ。

そんな状態で、無理をし続けてしまった結果、適応障害で休職することになってしまった。
業務量が急激に増えて、残業してもタスクがこなせなくなって、苦手なマルチタスクをやりすぎて、ついに自分の許容範囲を超えてしまって、私の脳は完全にバグってしまった。

「自分の許容範囲」を超えるまでに、何か手を打つことができなかったのか。
いまとなっては、そんなふうに考えることもできるんだけれど。


無理することをやめたら楽になった

『無理しない、我慢しない、頑張りすぎない』

これは、休職してからの私のスローガンだ。
この言葉のおかげで、ずいぶんと生きやすくなってきたなと思う。

身体がだるいとか、気分がよくないとか、心と身体が発している声を無視せず、ちゃんと耳を澄ませられるようになった。

あんまり状態がよくないときには「私、疲れてるな」とすぐに感じることができる。
ちょっと寝不足になっただけでも「だるいな」「しんどいな」と感じる。自分のしんどさを自分で感知できなかった私にとって、これだけでも大きな進歩なのだ。


1年間休職した末に会社を辞めてからは、自分が好きなこと、得意なこと、自分が本当にやりたかったことをやるようになった。

自分に合っていないことをやって四苦八苦しても、これ以上の向上や成長は望めないと思った私は、シフトチェンジすることを考えたのだ。

これからは、自分に合った仕事をしよう。
自分が好きなこと、やりたかったことを仕事にしよう。

まだたいした成果も出ていないので多少の焦りもあったりするけれど、少しずつ実現することができていて、おおむね自分の思いどおりにやれているかなという満足感がある。


たまに調子が悪くなっても自分で対処できるようになった

ここのところ、あんまり状態がよくないなと感じている。
身体がだるい。気分もよくない。そんな日が続いている。
かなり疲れているみたいだ。

休職して状態がよくなってから、いちばんしんどい。
Kindle出版の作業で根を詰めすぎて、連日の作業でさすがに疲れたのか、久しぶりに目が痛くなったり、首や肩の凝りがひどくなったり。普段あまりない頭痛もあったから、やっぱり頑張りすぎたのかな。その頑張りに対して、思うような結果が出ていないせいもあるのかな。

台風もあったから、天候のせいもあるかもしれない。
私は気圧に影響されやすいので、台風の多くなる時期はちょっとしんどい。

どうしてもしんどくて気分も乗らない。そんな日もある。
いくら好きなことをやっていても、しんどいときはしんどい。

そんなときは、作業のことはいったん忘れてリラックスだ。
無理しないように、適当に息抜きしながらやっていこう。

作業するときにも、「これが終わったらリラックスするんだ!」って決めて、それを楽しみに作業をする。終わったら、読みたかった本や好きな漫画を読んだりして思いっきり楽しんでいる。

眠ることも起きることも、前ほど苦痛ではなくなった。
いまのような生き方が、自分には合っているんだなと思う。


みんなも、ほんまにお疲れさん!
そのままでも、じゅうぶんがんばってるよ!!
だから絶対に、無理はしないでね!!!

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